このブログは福田文庫の読書と創作と喫茶と煙草……その他諸々に満ちた仮初の輝かしい毎日を書きなぐったブログであります。一つ、お手柔らかにお願い致します……
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hayamiedou.jpg題名/『本格ミステリ館焼失』
著者名/早見江堂
出版社/講談社
個人的評価/1点
内容/
本格トリックを知り尽くした者の結末を見よ本格の巨匠が死んで一年。彼の記念館に集まった関係者たちはその夜に悲惨な死を迎え、館は完全焼失! 謎を解こうと願う遺族の女性に授けられた驚愕の結末とは?
要約/
誰もが分かっているが敢えて口に出して話そうとは思わないことを、あたかも自分しか気付いていないが如く目の前で得意満面に語られたような腹だしさしかない読後感と、そのためだけに内容の大半に嘘を書き連ねた駄作。書いた意味が分からない。読む意味も分からない。そんな無意味なものをハードカバー一冊分書いた労力に1点を献上。
tutakaramaru.jpg 当ブログでは珍しい旬の話題である。
 休日と言ってもやることもなくボンヤリしていると伊達に転勤した友人から電話が掛かってきて、私に筋肉少女帯のアルバムが発売されたと告げる。全くの寝耳に水である。前作『シーズン2』で裏切られてからというもの、私は筋肉少女帯の活動にはもはや半分以上、興味を失っていた。
 とは言え、彼に筋肉少女帯の素晴らしさを伝えた私としては、ここで遅れを取る訳にはいかない。何せ私は、高校の友人にカラオケで自分より先にサザンの新曲を歌われただけで本気で怒るくらい大人気ない人間なのだ。幸いにも友人はその僻地暮らし故に、筋肉少女帯の新曲を扱うようなCDショップに恵まれず、結局登別まで車を走らせたのに収穫がなかったらしい。しめしめと、札幌在住の私は本の品揃えは悪いがCDを買う分には不自由しない某大きいだけの大型書店にて滞りなくこのアルバムを購入した次第だ。

 だが、感想から言えば友人はこのCDが買えなくて正解であったと言わざるを得ない。『新人』でかつての輝き片鱗を見出し、そして『シーズン2』の収録曲「1000年の監視者」を聴いて、オーケンの才能と同様に縮まり枯渇した彼の世界観の成れの果てに絶望した方はまず買わないほうが良いだろう。

 私は音楽に関してはミステリ以上に詳しくないので、個別に感想を書いたりとか突っ込んだ話は出来ない。ここのギターがどうだとか、音質がどうとかそういう話はまるで出来ない。ただ、かつてのオーケンに魅せられた人間として、このアルバムは駄作だと言わざるを得ない。はっきり言って、いますぐに売却しても惜しくない。
6b824c61.JPG 今回の創作は2000年に出版された創元推理文庫の競作アンソロジーである『五十円玉二十枚の謎』(若竹七海ほか)の解答編を勝手に考えたものである。
 このアンソロジーは推理作家の若竹七海女史が、大学時代に書店でアルバイトしていた時に経験した不可思議な出来事の顛末を推理するというもので、一般公募がなされたものなのですが、その当時は私も全然小説なんて書いてなかったので挑戦することが出来ませんでした。というか、ミステリに関して不勉強な私は上記した単行本を読むまでちいともこんな募集があったことも知りませんでした……
 このアンソロジーを読んだ時に自分なりに色々と考えた結果、今回書いたような顛末が思いついたのですが、その時は我ながら余り良い出来ではないと思い、自意識過剰な私もそれを敢えて拙文にして世間様に晒そうとまでは思い至らなかったのですが、最近になってある方とこの本の話になった時、
「いやぁ、俺も実はこんなオチを考えたんですけどね(ニヤリ)」
 と、いつもの悪い癖で得意満面に自分の考えた話をつらつら並べた訳です。すると、意外にも相手には高評価を頂きました。日頃、お世辞やお愛想を嫌うところのある自分ですが、こと小説のことになるとそういったポリシーをかなぐり捨てて飛びつくというところがあり、そうした流れから今回、十年前のアンソロジーに今更噛み付いたという次第であります。

 作中にカエルヤ珈琲店と昭平堂という喫茶店が登場しますが、これは前者は本当に北海道立近代美術館の近くにあるお店で、後者は喫茶店ではなく旭川にある自家焙煎の珈琲屋さんであります。
 カエルヤ珈琲店はカエルをモチーフにした喫茶店で、店中にカエルのグッズやカエルをデフォルメした絵画なんかが飾ってあります。コーヒーの味もしっかりしているし、店構えやメニューも喫茶店としての魅力が高い一軒です。昭平堂さんはたまにイオンの中でコーヒー豆の販売をされている時に利用させて頂いているのですが、ここのマンデリンは私が今まで飲んできた中で一番美味しいです。札幌に店でも構えてくれればいいのにという思いを込めて今回勝手に名前を使わせて頂いたことをこの場を借りてお詫びします。


題名/『御手洗学園高等部実践ミステリ倶楽部亜是流城館の殺人』
著者名/舞阪 洸
出版社/富士見ミステリー文庫
個人的評価/-100点(暫定過去最低得点)
内容/
「なぁんか足りないよねぇ。高原の美味い空気、食事、ビールに殺人事件まであるってのに」村櫛天由美はつぶやいた。「温泉よ、温泉がたりないのよ!温泉で血の巡りをよくすれば、迷推理が浮かぶはずよ!」すかさず、有栖が叫んだ。伊場薫子は、御手洗高校に入学してきた一年生。ミステリー作家になる夢の実現のため、入部した部活「実践ミステリー倶楽部」は、アヤシイ部員ばかり。「殺人を呼ぶ」女装の麗人、夏比古。各地に別荘を持つお嬢様の有栖。顧問で謎の多い大学院生の天由美。奇妙な面々が、ふたつの密室殺人に挑む!ドタバタ本格ミステリー。
要約/
 10年前の作品だとしても許し難い暴挙。本書のような作品を出版する限り、ライトノベルにおけるミステリの地位向上は未来永劫無いと断言出来よう悪書。
 その絵に描いたような駄目さ加減は、ライトノベルミステリの悪例を広く人々に示すために出版されたのではないかと邪推したくなるほど。


6b824c61.JPG 久しく更新をしていなかった訳であるが、別に身内しか来ないのでふて腐れていた訳ではなく、一応はアラサーになっても追い続ける新人賞獲得に向けて日夜キーボードを叩き続けていたという事情ゆえであった。
 とは言え、市電での通勤になったため車内での携帯電話の使用が不可能になり、通勤時間にもチマチマと小説を打つことが出来なくなったので、最近はまたよく本を読むようになったので、一区切りが付いたこれからはまた、立場を省みない口だけ達者な書評を書きなぐってやろうと考えている。近頃は古本屋に足を向けるのが億劫になっていたので、もっぱら本棚に押し込んでから手にとっていない本を端から読んでいるのだが、買ったは良いが読まなかった本の筆頭が西澤保彦氏のタック・タカチシリーズだったので立て続けに読んだのだが、ここでは詳細を書かないものの、結論としてこのシリーズは面白くないと判断するに至った。その中でも取り分けひどいのが短編集『黒の貴婦人』で、まともな推理は皆無に等しい上にまたレズビアンカップルで一本書いているのが個人的に気に入らなかった。別にレズビアンが嫌いなのではなく、この人はそういう分かりやすい精神的な問題を華やかな装飾として安易に使い過ぎる気がしてならないのだ。
 どうも最近は良い本を購入していないことが多く、書評を書けば面白くないだの駄作だのと、まるでクレーマーのようになっていたが、荻原浩先生の『ハードボイルド・エッグ』は非常に面白かったので、どうにか文句ばかりを垂れ流す下衆な書評行為から脱出を図れそうである。あー『明日の記憶』の作者かぁと読み終わってから気付いた。

 前置きが長い上にあまり本編と関係ない話だったのだが、久しぶりに習作として新人賞には使えなさそうなネタを一つ消化してみた。フランス語でエチュードだが、そう書いてみると習作と呼ぶのもはばかられる内容だが、個人的には気に入っていたネタなので、恥を忍んでのアップとさせて頂く。
 ちょうど電車通勤に変わったことと、借家の向かいにあるコンビニの店員が態度悪いという二重の不幸に見舞われたことで腹いせに書いたというのが実際のところだが、そう恨み辛みばかりで作品を書くと何だか恨み節みたいになってしまうので登場人物を一人増やしたりしてみた。北海道地名駅名シリーズである。



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福田 文庫(フクダ ブンコ)
年齢:
25
性別:
非公開
誕生日:
1984/06/25
職業:
契約社員
趣味:
コーヒー生豆を炒る
自己紹介:
 24歳、独身。人形のゴジラと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。
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