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Being-in-the-WIREDWORLD

2010-03-31

思い出し日記

3月20日は、自分の講演のあと、上野東京文化会館に行ってまいりました。

東京混声合唱団の定期演奏会でして。

え〜。

私の。

Z境 (新しい詩人)』から、「Z境/告解(ハジマリ)」「世界同時多発トロ」「時間凍結弾(タイム・フリーズミサイル)」「Z境/突然変異(ミューテイション)」

の4作品に、篠田昌伸さんが曲をつけてくださいまして。

演奏されるというので〜。


ギリギリで到着したのですが、なんとか間に合い。

開演、しょっぱなから武満徹作品がつづきます。

冒頭は、「さくら」です。

タキシードの男声陣、ドレスの女声陣が展開する歌は、見事。。

空気が幾層にも重なっていくような、すばらしい合唱のあと、指揮者の田中信昭さんがご説明。

……にこやかなのですが、なんだか鋭利な風格があるとでもいうのか、そんな印象のおじさまです。

今回は、武満徹生誕80年だそうですね。

……いいんでしょうか。

そんな演奏の後、「〜トロ」歌ってくださって(汗)。

と思ったのですが、その後は、武満徹が詞も書いた「小さな空」に、谷川俊太郎さん作詞の「死んだ男の残したものは」が続きます。


「死んだ男の残したものは」を聴いての感想ですが。

ずりー。

……ずりーよ谷川さん、なんですか、こんなしっとりかつ骨太で素敵な詞なんですか。

それに武満徹の音楽が合わさってめっさ素敵じゃないですか。

どうしてくれるんですか。

このあと「世界同時多発トロ」じゃ、落差ありすぎですよ。エンジェルフォールからほとばしる水流ですよ。

そりゃアレですよ。私はぺーぺーですよ。

「最近詩は書いてますか?」とか聞かれますよ。

すげー悲しいですよ、それ聞かれるのが一番悲しいですよ(涙)。

こないだまで『現代詩手帖』に詩を連載してましたよ、『ユリイカ』3月号にも作品掲載してますよ、そして誰も知りませんよ。ああぺーぺーさ! ぺーぺーっていうかペーペーペーくらいですよ、芸能人の誕生日おぼえちゃうぞコノヤロウついでにパー子つけてやろうかってなぺーぺーですよ。


しかし、谷川さんのお仕事だって、いろいろあるじゃないですか。

「夜のミッキーマウス」とか!

「男の子のマーチ」とか!→※このページの下のほうに詩が載ってます。ほぼ日刊イトイ新聞 - 谷川俊太郎、Kissなどを語る。

雲の上の谷川さんの、スバラシイ「死んだ男の残したものは」の歌詞のあとに。

ただでさえ谷川さんと水無田っていうだけでも、格差社会に完全に打ちのめされてジニ係数にしたらすげーことになってそうな具合なのに、そのなかでも「世界同時多発トロ」ですよ。

知らない人が聞いたら、思いっきり何じゃこりゃッですよ。

知ってる人でも、小粒に何じゃこりゃッになりますよ。

つまり総体として、何じゃこりゃッになるんですよ。

篠田さんも芸大でていて、なぜこの何じゃこりゃッワールドを展開する気になられたのか。


というようなことを考えていたら。

2幕目、ご登場された田中さんは、ピアニストを連れて、パワーアップしている!?

とつじょ。

雪崩のように。

ピアニストさんの、ケンシロウかと思うほどの指さばき、腕さばきで、「Z境/告解(ハジマリ)」が始まりました……。

すげー。

……みなさん。

こんな歌いづらそうな詩。

……歌ってる(あたりまえですが)。

と思い。

魂が抜ける、書き手。

ジェットコースターのように進行する曲。

最後。

「君に私が、見えなくなる」

のところ。

すごいですね。

ふわっと落ちて着地する感じが。

いやはや。


でもって。

次が。

世界同時多発トロだったんですが。

今度は書き手の脳内が、ジェットコースターでして(笑)。

「〜ニャ」って、「〜ニャ」って〜! 正装した方々が、いい声で「〜ニャ」って〜、でもいい曲なんですよ、いい曲なんですけど〜「〜ニャ」が響く、いい曲だけに響く、ヤバい、っていうかマズい、これが「24」ならジャックに「今体温が一番上がってるヤツが犯人だ!」とか言われたらサーモグラフィかなんかで一発でバレますよこの会場で一番体温上がってるの私ですよ、ああもー「クロエを呼べ!」ですよ、何の犯人か知りませんけど〜!気分は犯人ですよ〜いやヤバい、どーしよ、でも! お客のみなさん! ほぼ微動だにせず! すげー真面目に聴いてる!? わ、笑っちゃ、マズい? ぎゃーぎゃーぎゃーぎゃーぎゃー……。

というような感じで。

手に汗握りながら聴いておりました〜。


その後の2曲もすばらしく。

すばらしすぎて。

なんだかこー。

気分は。

自作がアニメ化された漫画家さんってこんな気持ちかな〜、とか。

というより。

私の場合。

なぜか、4コマギャグ漫画描いたつもりが、実写+芸術祭出品作品にしたてあげられてどびっくり。

というのに近いかも……。

などと思いつつ。

無事、4曲終わったところ。


なぜか。

田中さんに。

作曲の篠田さんがよばれ。

そして。

……私も。

………聞いてないよ!?

と思いましたが。

ふらふらと壇上に引き上げられ。


気分は、うっかり間違って浜辺に打ちあげられた深海魚でして。

光が……まぶしかったです(涙)。

そして。

深海魚だったものですから。

コメントを、と言われても。酸欠になりながら、

「……あんな面倒な歌詞をしっかり歌ってくださってありがとうございます」

くらいを述べるのが手一杯でして。

そんなこんなで。

自分ってまだ小僧だよなとか思いつつ。

しかし。

作曲の篠田さんとは、実はお目にかかるのは初めてでして(手紙やメールでやりとりはしておりましたが)。

ご挨拶できてよかったです〜。


まあ、そんなこんなで。

素晴らしい曲でした。

この書き方では、まったく伝わらないであろうと思います。

すいません〜……。

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