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【社会】

愛媛で古代サメの化石 2億5千万年前の地層

2010年6月20日 17時09分

 愛媛県西予市で見つかった古代サメの歯の化石(後藤仁敏教授提供)

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 約2億5千万年前の中生代三畳紀初めに海底だった愛媛県西予市の地層から、大阪府東大阪市の会社員で化石採集家の宇都宮聡さん(40)が1992年に見つけたサメの歯の化石が、「リソドゥス属」という種類の原始的な古代のサメの歯だったことが20日までに分かった。

 化石を鑑定した鶴見大短期大学部の後藤仁敏教授(古生物学)によると、この属のサメの化石が発見されたのは国内初。同種の歯は、欧州では約2億3千万年前の三畳紀中期以降の淡水の地層で多く見つかっている。

 同教授は「欧州より古い時代の海の地層から見つかったのは興味深い。アジアの海にいた(リソドゥス属の)サメが世界の淡水域にすみかを広げたのかもしれない。進化や生態を研究する上で貴重だ」としている。

 2人によると、化石は焦げ茶色で、長さ約7ミリ、幅約4ミリ。リソドゥス属は、中生代に栄えた古代サメのうち最も古い時代に出現した原始的なサメで、歯のかみ合わせ面が比較的平らなことから「平滑な歯」を意味して名付けられた。

 体長50〜70センチで、平らな歯で海底の泥の中にいる動物を食べ、最初は海にすんでいたが、淡水域も生息範囲になったと推定されている。

(共同)
 

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