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株式会社アイエヌエイチ
株式会社ウェーブマスター
2009.01.28
 
設立直後のアリカに合流
ついに独立の「機は熟した」?
スーパースィープとして独立
社長になっても現場仕事
クラブ活動へは普段着でどうぞ
今も「ゲームミュージック」な、元・後輩たち
スィープ式「ゲーム作曲家に必要な条件」
スーパースィープ、絶賛活動中!
「GA-CORE」+「スーパースィープ」=?

>> 1/4回から読む <<
 
株式会社スーパースィープ 代表取締役音屋 細江慎治

ナムコにおいて「ドラゴンスピリット」(1987)を皮切りに、「リッジレーサー」シリーズなどの、時代を代表する様々なゲームミュージックを作曲する。ナムコを退社後、アリカを経て、スーパースィープを設立。様々なゲームに楽曲を提供するとともに、スィープレコードからCDをリリースするなど、精力的な活動を続けている。

●設立直後のアリカに合流
   
鶴見: 前回までのあらすじをカンタンに説明しますと、ナムコに在籍していながらトルバドール・レコードという同人音楽活動をスタートさせた細江慎治は、自らの運営する草の根ネットを拠点に、人脈を広げ、より大きな活動をするようになっていき…そしてある日、ナムコを辞めてしまった、と。
   
細江: うんうん。
   
鶴見: さて、細江さんは設立されたばかりのアリカに合流して、アリカのサウンド開発となったワケですが、佐宗(綾子)、相原(隆行)の2人もナムコを退社して、ほとんど同時期にアリカへ入社していますね? 確か、引き抜いたというワケではなかったと聞いた覚えはありますが…。やっぱり、細江さんがアリカへ行くという話になったから、「アリカいいじゃん!」となった?
   
細江: 「給料上がるよー」って云ったら、来た(笑)。
   
鶴見: 細江・佐宗・相原の3人が揃えば、ナムコ時代とほとんど変わりませんね。そして、アリカの仕事だけじゃなく、外部の仕事も受けてましたよね? 確か、当時セガにいた私は「仕事受けられるよー…高いけど(笑)」と聞いた覚えがありますが?(笑)
 
細江: 「高い」って云ったのは…たぶん…三原(一郎)じゃないかな?(笑) 外部の会社からのサウンド仕事も「アリカ」で受けていたから。
   
鶴見: 当時の、外部から受けた仕事を見ると…「ブシドーブレード」「DRIVING EMOTION TYPE-S」…スクウェア系が多いですね。アリカは、当時のスクウェア方面と、資本的・地理的に「近い」会社でしたよね、直接的なスクウェア資本ではないにしても。それがあったから、スクウェア系の仕事を多く受けた?
TYPE-S/武士道ブレード
日本的解釈の武士道ブレードに加え、フュージョンやテクノ、ロックを融合してしまったTYPS-Sのサウンドは必聴!参加ミュージシャンは、 細江慎治、佐宗綾子、 相原隆行、SOURCEの梶原、青木、石川トリオ、ハルフロムアポロのシゲソニック、DIMENSIONの増崎氏、その他多数のミュージシャンが参加。
   
細江: 当時のスクウェアは分社流行りで、ポジトロンっていう元ナムコ系のチームが基本を作ってた会社があったり…ドリフ(=ドリームファクトリー)とかもそうだよね…その縁で仕事を受けるとかはあった。
   
鶴見: そういえばあの頃は、開発の人間がチームごと大手を辞めて、スクウェア資本で独立する例が多かったですよね。「引き抜き」みたいに云われてましたが…細江さんたちも「スクウェア資本に引き抜かれた」と思われてませんでしたか?
   
細江: 思われてた(笑)。ナムコの中で、最初は「スクウェアに行った」と思われてたからね。だから送別会すらしてもらえなかった(笑)。
   
鶴見: あの時代は、本当に多くの人間が、色んな会社に移籍していましたよね。私もSCE時代は沢山の人間をSCEに(中略・裏話)でしたよ。今じゃ考えられませんね…って、表に書けない話はさておき(笑)。──外部の開発と仕事をする、というのは初体験でしたよね? やっぱり、やり方の違いに戸惑った?
   
細江: 良くも悪くも、放置されていた。
   
鶴見: また放置プレイですかーッ!(笑)
   
細江: 自分たちじゃなくて、「プロジェクト自体」が(笑)。
   
鶴見: つまり、しっかりコントロールされていないプロジェクトと関わって…。
   
細江: ずいぶんな数のプロジェクトが失敗してるよね。
   
鶴見: 外から見ていると、アリカで制作した「ストリートファイターEX」ぐらいまでは、新しい仕事のやり方を模索しているなあ、という印象を持っていましたよ。というか、ストリートファイターEXで「ああ、はっちゃけ始めたな」と(笑)。
ストリートファイターEX
格闘技ゲーム大流行の発信源となったカプコンのゲームのヴァージョン・アップ版たる本作は、後発ゲームに倣っていよいよグラフィックが3Dポリゴンに。そのヴォルテージの高さは速いBPMの曲がぎっしりの音楽にも反映。参加ミュージシャンは、 細江慎治、佐宗綾子、 相原隆行。
   
細江: アリカに入った頃は(アリカ内部の仕事は無くて)ヒマだったのが、徐々に忙しくなってきたから(笑)。
   
鶴見: ひょっとして、忙しくないと調子が出ない、特異体質なんですか(笑)。
   
細江: ホントのところは、ストリートファイターEXはサウンド3人で相談して、原点回帰しようと。メロディを重視した作りで一昔前の作り方に戻った。
   
鶴見: そして、アリカのゲームミュージックと云えば、「テクニクティクス」。これでナムコ時代の曲をモティーフに作ったモノが、まさに「はっちゃけ度マックスだなあ」と(笑)。
   
細江: あれはスィープになってから。
   

 
●ついに独立の「機は熟した」?
   
鶴見: スーパースィープとして独立しましたが…。
   
細江: 最初から、独立する方がいいとは思っていた。それをアリカに伝えつつ(仕事をしていたが)、資金的にも何とかなりそうなんで、独立した。結果的に、黒字が出るのに3年かかったけどね。
   
鶴見: ナムコを退社する時に「フリーとして独立する」という選択肢も考えていた…そこへ「仲間と一緒に」という要素が加わったワケですね。で、「機も熟した」と?
   
細江: 自分の「機は熟した」けど、世間の機は熟してなかった(笑)。ゲーム業界が衰退を始めた頃だったんで、色んな人に止められた。会計系の人とか税理士の人にも「止めた方がいいんじゃないですかねえ…」と(笑)。
   
鶴見: でも、断固として独立した、と。その理由は?
   
細江: やっぱり他の会社と仕事をする上で、アリカの開発の中にいるっていうのは…漏洩を気にする会社があるんで。いくら(機密保持)契約をしてても、「見られちゃうのでは?」と思われるからね。
   
鶴見: で、スィープとして独立して外へ出ることによって、今まで「ちょっと…」と尻込みしていた会社の仕事も受けられるようになったワケですね。なるほど、「機は熟した」と思ったのは、そういう潜在的な取引先が増えてきたから、独立すれば仕事が増えるという算段が立ったということなんですかね?
   
細江: いや、そこまでは考えてなくて。「なんとかなるべえ」、と(笑)。
   
鶴見: このインタビューを通じて解ってきたんですが、細江さんの、そういった節々でのテキトーな選択が、後から見れば「大きな流れに乗っている」ってことが多いですよね。やっぱりいつも思ってるんですかねえ…「俺の歩いた跡が道になる」とか?(笑)
   
細江: むしろ「ペンペン草も生えません」みたいな(笑)。
   
鶴見: ほらまた、テキトーな言葉を選択してる(笑)。
   
  (一同爆笑)
   

 
●スーパースィープとして独立
   
鶴見: スーパースィープの立ち上げメンバー確か…。
   
細江: 3人。佐宗さんと、渡部恭久(Yack.)。
   
鶴見: Yack.は結局スィープも辞めてフリーになりましたけど、でも立ち上げの時にはタイトーを辞めてきたワケですよね。最初から、人は増やそうと思っていたんですか?
   
細江: スィープ自体、将来的には人を増やさないとやっていけないな、とは思っていた。
──立ち上げ当時はヒマだったけど。目茶苦茶ヒマだったね。しばらくヒマだった。
   
鶴見: いや、そんなに「ヒマ」を連発しなくても(笑)。よっぽどヒマだったんですね。
   
細江: お金が無くなりました(笑)。ゲームの開発スパンって、1年前後のが多いじゃない。だから、会社を作ってもヘタすりゃ1年は仕事を出してくれないワケで。アリカの仕事の続きはあったけれど、狭間は多少あったね。
   
鶴見: でもまあ、地道に仕事が増えて、「スィープレコード」のCDも出し続けて、人も増やさなきゃで、今に至る、と。
──ではここで唐突に、スーパースィープの会社案内をしていただきましょう(笑)。所在地は東京の五反田で、「代表取締役音屋」は細江慎治、と。今現在、社員は何人なんですか?
   
細江: 9人。作曲するのが7人で、経理とかの業務が1人と、八木(貴弘)ちゃんが1人。
   
八木: はーい。
   
鶴見: なるほど、うさん臭いCDプロデューサーの八木ちゃんが1人、と(笑)。
   
八木: うるさい(笑)。
   
八木貴弘
スーパースィープ所属のCDプロデューサー。
ゲーメスト誌のライター、秋葉原トライタワー店員、アリカの企画などの職を経て、サイトロンにてプロデューサーとして様々なゲーム音楽CDの制作に関わる。サイトロンがハピネットに吸収合併された後、退職してプラプラしていたところを細江氏に見込まれて、スーパースィープに入社。
   
鶴見: 業務内容は? …というか、会社を設立する時に「定款」を書いたと思うんですけど、どんな業務をする会社にしようと思っていましたか?
   
細江: 定款はね…音楽系の会社の定款はこんなもんですよ、と司法書士の人が持ってきたんで「じゃあそれそれ」とOKしただけ。
   
  (一同爆笑)
   
鶴見: じゃあ特に、将来に向けての「野望」は書かれていないんですね(笑)。うさん臭いCDプロデューサーを入れるのも、ごく一般的な話だった、と(笑)。
   
細江: そういうCDのプロデュースは、それまでも自分でやってた。ただ、自分で作曲とCDプロデュースを両方やるのは大変なんで、専任の人間を置こう…と思っているところに、プラプラしてる八木ちゃんが現れて(笑)。
   
鶴見: 人材がいたから任せた、と(笑)。自分が道を作った跡に、別の担当者をアサインして通らせる、みたいなことですね。綺麗に云えば(笑)。
   

 
●社長になっても現場仕事
   
鶴見: 色々な業務は専任のスタッフに任せるということは、社長業が忙しくなってきたんですね?
   
細江: 社長業が大変ってのは、あんまりない。全然ない。…という甘い見積もりが、赤字の方になびいていくのか(笑)。
   
鶴見: とすると、細江さんの仕事としては、今までと変わらない現場仕事がメインなんですね。忙しいと云っていたのは、純粋に現場仕事が以前より格段に増えたと(笑)。 そういえば先日、ゲーム雑誌編集の人間と話していたら、「昔の方が、ゲーム音楽作家としての細江慎治という名前が目立っていた」みたいなことを云っていましたけど…。
   
細江: 子供向けのゲームだと、カスタムロボも…NARUTOもそうか。数で云えば、そっちの方が断然売れてるんだけど、名前は出てても「誰が作っているか」は意識されない。
   
鶴見: (カメラに向かって)そういうことなんですよ!
   
一同: 誰に向かって云ってるの?(爆笑)
   
鶴見: 自分も子供向けにゲームを作っているんで、ついヒートアップしてしまいました(笑)。いや実は、自分が作っている「ラチェット&クランク」というシリーズで、細江さん佐宗さんにとある曲をやってもらったんですが…確かに、特に表には出しませんね。
   
細江: 子供向けだと、まあ、ユーザーは意識しないからね。
   
鶴見: さて一方、ユーザーが意識する外部の仕事と云えば、ビーマニに楽曲を提供していますよね? どういう経緯だったんですか? 「テクニクティクス」で、ナムコ楽曲のはっちゃけたアレンジっぷりが認めれてオファーが来たとか?
   
細江: いや、あれはね、たまたま(笑)。
   
鶴見: またまた(笑)。
   
細江: アリカと色々関係のある、カプコンの東京開発が新宿にあって「今度飲もうよ」という話になってた。で、飲みに行ったら、隣のビルにコナミの開発が入っていたんで、「せっかくだから連れてきました」と、ビーマニのサウンドの人たちがゾロゾロとやって来て(笑)。
   
鶴見: じゃあ、飲み会の最中に…。
   
細江: 盛り上がって、「今度仕事でやりましょう」と(笑)。
   
鶴見: 「飲み会で人脈が出来る」というのはナムコ時代と変わらないものの、仕事のフィールドは、外に出たことで、確実に広がったワケですね。 ──あと、太鼓の達人にも参加されてますよね。ちょっとそこで「最難曲」について、ナムコのLINDA AI-CUEと一悶着あったとか?(笑)
   
細江: 太鼓の達人で、発注があったんで曲を書いたんだけど
──今までは、LINDAがいちばん速い難しい曲を作っていたのが…
   
鶴見: 「今回は俺が乗っ取ったぜ!」、と(笑)。
   
細江: 細かく叩かせれば難しくなるんだけど、まあ「細かく叩かせてもプレイヤーに許される曲」。LINDAが云ってるだけで、本当かどうかは判らないんだけどね。あれもビーマニと一緒で、どんどん難しい方へ難しい方へとシフトしてるから。コアな人たちは凄い。
   
鶴見: まあ太鼓の達人はライトユーザーも多いですけど、難しい曲は相当イッちゃってますもんね。ビーマニ・ドラマニ系は、ほとんどがコアなユーザー向けにイッちゃってますし。
   

 
●クラブ活動へは普段着でどうぞ
   
鶴見: ビーマニ系と云えば、曲を提供する際の名義が「Samplingmasters MEGA」ですけど、同じ名義で、クラブイベントにDJとして参加していますよね?
   
細江: 「LINEAR」というイベント。隔月で年6回やってて、もう4年になる。
   
  LINEARは09/01/24にVOL.30を迎えた。詳細については、http://linear.nu/
   
鶴見: 「サンプリングマスターズ」名義ということは、やっぱり「どテクノ」でBPM(テンポ)もむちゃくちゃ速くて、来場者を踊らせまくっているんでしょう? どんなジャンルを選曲しているんですか?
   
細江: ハッピーハードコアとか、ガバ。
   
鶴見: 「ガバ」は分かります。「ロッテルダムテクノ」にルーツを持つ、むちゃむちゃ速いテクノですよね。いわゆる「ハードコアテクノ」。「ハッピーハードコア」というのも…?
   
細江: その系統。あの辺も細分化されててね(笑)。
   
鶴見: あれ? 元ネタはどこから引っ張ってきているんですか? 確かCDはあまり買いに行かないような話を聞いたような…?
   
細江: あの手の(曲)はCDにならないのも多いから。もっぱら海外のサイトからダウンロード販売で買ってる。
CDにならない・日本で売ってない・売り切れたら再入荷しない…。
   
鶴見: 「3ない主義」か(笑)。まあ、ダウンロード販売で「ポチっとな」出来るんであれば、問題ないですよね。 ちなみにそのイベントって、ギャラの出る「仕事」なんですか?
   
細江: いや。ノーギャラの…趣味?(笑) 仕事と絡んでるとすれば、CDとかの宣伝ぐらいかなあ…?
   
鶴見: 宣伝ということは、イベントの客層もゲーム好きが多かったり?
   
細江: あえて区分けするなら「アキバ系」みたいな。まあ始めた頃に比べて、入れ替わってるけどね。
   
鶴見: アキバ系! 渋谷系とかじゃないワケですね(笑)。なら、「着ていく服が無い。着て行く服を買いに行く服がない」なんてことはなく、普段着でフラっと行っても問題ないですね。ユニクロでOK?(笑)
   
細江: ユニクロでOK(笑)。
   
鶴見: じゃあ今度、ユニクロ着て行きます(笑)。
       
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