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株式会社アイエヌエイチ
株式会社ウェーブマスター
2009.01.14
 
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●リッジプロジェクトをダンスミュージックで塗りつぶせ!
   
鶴見: ギャラクシアン3では、相棒として佐宗(綾子)さんが入ってましたよね。
   
細江: 自分が(曲以外の仕事も)どっぷりやるため。忙しくなることを見越して(佐宗さんを担当として)アサインしたのも自分。しかも、佐宗さんの入社前に(笑)。
   
鶴見: その後も、当時の若手と組んで、残る仕事を沢山していますよね。その最たる物が「リッジレーサー」…何人ものサウンド担当が作曲してます。あれは、上司としての細江さんが、若手の良い曲書く人間を「手伝ってくれ?」と呼んだワケですか?
   
細江: リッジは…あれも新しいボードのデバッグからやってて…。
鶴見: またかデバッグ(笑)。たしか、テクスチュア付きCGボード「システム22」の、初っ端のゲームでしたね。
   
細江: で、例によって時間が無かったんで、間に合いそうな人間を3人、見つくろって(笑)。
   
鶴見: なるほど解った! ギャラクシアン3の時もそうだったけど、細江慎治は「面倒くさいシステム担当」なんだ! 曲を作るだけの…「音楽の人」じゃ出来ないような、プログラムやらハードやら、そういう難題が持ち込まれて、その場合は曲を書く手が足りなくなるから、若手を登用する、と。
   
細江: うんうん。
リッジレーサー6
最新作は7だが、未発売だった6のサントラを2009年1月14日にスィープレコードから発売する。細江氏はもちろん、佐野電磁、佐宗綾子、相原隆行らも楽曲を提供している。GA-CORE購入特典:RIDGE RACER 6 direct audio extra disc
   
鶴見: 役割的には、音楽プロデューサーですね。じゃあ、大まかな曲調とかは自分で決めて指示したり…?
   
細江: というか…「洗脳」?(笑)
   
  (一同爆笑)
   
細江: リッジのプロジェクトは、自分やプログラマの人やデザイン担当のささっきー(=佐々木建仁)がダンスミュージック好きだったんで、皆んなで結託して、全員をダンス音楽好きにさせようと…。
   
鶴見: …洗脳?
   
細江: …洗脳!(笑)
   
鶴見: どういう風に洗脳しましたか?
   
細江: 作っているチームの人たちは、CDレベルで洗脳して…さすがに、いきなり「クラブへ行く!」って云っても、来ないから(笑)。
   
鶴見: 確かに、当時の友達連中皆んなでクラブ遊びしていたのって、リッジをやってる最中でしたよね。確か、夜中1時スタートぐらいで都内に出かけて…。
   
細江: 朝まで遊んで、そのまま仕事に行くって…あったよね(笑)。体力あったんだよね(笑)。 そういえば、その頃はまだ佐野(信義=佐野電磁)もダンスミュージックとか全然興味無くて…。
   
鶴見: 嘘ッ!? すげえ意外! さのでじーは、その頃はまだ「sanodg」じゃなかった?
   
細江: リッジで染まった…というか染めた(笑)。その頃は佐野電磁でもsanodg(さのでじー)でもない、ただの「佐野」だったのを、染めた(笑)。
   
鶴見: うわぁ、ここ20年でいちばんの驚き(笑)。
   

 
●「何故ダンスミュージック?」そのキッカケは
   
鶴見: そもそも、なんで「ダンスミュージック」をフィーチャーしたワケですか? レースゲームのBGMって、ある意味「時代を代表する旬のモノ」じゃないですか。リッジの一世代前だと、F1でお馴染み「Truth」(T-Square)=ウィンドシンセばりばりのフュージョン。その前は、フュージョンでも「アウトラン」。そういった曲が時代を代表するレースゲームのBGMだった。でも、リッジレーサーの頃になると、Truth風・アウトラン風のフュージョンを流してたレースゲームって誰もが「古くさい」と思い始めていて…。
   
細江: リッジレーサーも、最初にAMショーで発表した時は、フュージョンを入れてた。けどそれは、最終的には1曲しか残らなかった(残さなかった)。それ以外は全部、ダンス系。
   
鶴見: そのあたり、当時セガのアーケード部署にいた自分らは、「ああ慧眼だなあ」とえらく感心した覚えがありますよ。それはどこから持ってきたんですか?
   
細江: そもそもは、リッジの前に「F/A」のプロジェクトで、曲をどうしようと考えていた時に、川野(忠仁=ツェナワークス代表)君から、「ものすごい音楽があるから聴いてみな」って、ものすごく濃いデステクノのCDをもらって…「なんだこれ! この曲でもないようなものはっ!?」って最初は思ったの。
   
鶴見:  ちょwwwデステクノwww川野ちゃんナニ薦めてんのwwwww
   
細江: それがね、3回ぐらい聴いたら、だんだん気持ちよくなってきて(笑)。「これはイイ!」と(笑)。けったいな音楽の世界に、どっぷりハマった。
   
鶴見: アングラなクラブっぽさが、ただよってますよね。頭の振りすぎで目がイッちゃってる系の(笑)。それを、ぢょんたん(相原隆行)と一緒にやった、と。──あの曲調、かなり冒険じゃありませんでした?
   
細江:  CDは売れた(笑)。
   
鶴見: ゲーム自体を設置してるゲーセンは少なかったけど、CDは皆んな持ってましたもんね。もちろん私も。
   
細江:  あれは当時のNA-1基板で、小っちゃい容量でいちばん効率のいい曲でもあった。
   
鶴見: 容量は小さいけれどゲームミュージック界に与えた影響は大きかった…って、ちょっと上手いこと云ってみました(笑)。
   
細江:  で、F/Aは場末のクラブだったけど、リッジは「ジュリアナ」。マニアックだったF/Aを、リッジではカジュアルにした。
ナムコ ゲーム サウンド エクスプレス VOL.7 F/A
1992年発売。当時ゲームミュージックにいち早くRAVEサウンドを取り入れ、44分間ノンストップで展開するBGM群はまさに圧巻!
   
鶴見: 当時の流行の中でも、ばりばりメジャー感が漂ってますね。
   
細江:   リッジの曲は、ジュリアナのコンピレーション(アルバム)なんかとかぶるところも多い。プロディジー(=The Prodigy:イギリスのテクノバンド)だって、ジュリアナに来てたしねえ。
   
鶴見:  ジュリアナの最終日に出演したプロディジーが、翌日は西麻布イエローに出てたりとかありましたっけね。…あれ、逆だったかな? ダンスミュージックの潮流は、確かにありましたね。
   
細江: 実はリッジは、音楽性を決めるにあたって、社内でアンケートを採ったりした。「どういう音楽が合いますか?」って。
   
鶴見: 「どういう音楽がiM@Sか」?
   
細江: 「アイマスか?」と(笑)。そしたら演歌とか好き勝手なことを皆んな書いてきて…まあ結局、アンケートは来たけど無視(笑)。
   
鶴見: 時代の「旬」が必要とされるBGMだから、後追いの意見はあえて無視した、という感じですかね。
   
細江:  本当のところは、少人数のプロジェクトだったから、ある程度出来るまでは放置されてたんで、勝手に作ってたと(笑)。
   
鶴見:  また放置か!(笑) 細江慎治の好きなプレイは「放置プレイ」だと、「ゲーム業界人性癖リスト」に載せておきましょうか(笑)。
   
細江:  ないない(笑)。
   
       
  次回は、細江さんがナムコ内にいながら、活動のフィールドを徐々にナムコからはみ出させるようになっていった…そんなお話になります。お楽しみに!



お・ま・け

毎回インタビューの最後に細江氏おすすめCDをご紹介!
放射能
KRAFTWERK


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★次回 細江慎治インタビュー 3/4 は、2009.01.21公開です
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