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株式会社アイエヌエイチ
株式会社ウェーブマスター
2009.03.11
 
高木氏デビュー曲「ラスタンサーガ」の秘密
(旧)中山上等兵の作曲エピソード
効果音のスペシャリスト、石川氏激白!
 


>> 1/4回から読む <<

「ZUNTATA」とは?
株式会社タイトーのサウンド開発部門の総称。アーケード・コンシューマなど各種ゲームサウンドの制作をはじめ、アルバムおよびイベントの企画・制作やモバイルサイトの企画や運用も手がけるなど、その業務内容は多岐に渡る。アルバムは1987年の発足以来、これまでに80枚以上をリリースしている。

  <出席者紹介>
高木 正彦(mar.)
「ラスタンサーガ」「ナイトストライカー」などの今なお記憶に残る名曲たちを生み出したZUNTATAのコンポーザー。ライブではギターを担当していた。
なかやまらいでん(旧:中山上等兵)
タイトーで「ライトブリンガー」「グリッドシーカー」「電車でGO!」などのサウンドを手がけた後、フリーに転向。現在も精力的に作曲活動を行っている。近年の代表作は「ロストマジック」(タイトー)、「魔牙霊」(マイクロソフト)など。
石川 勝久(ばびー)
効果音制作を中心に活動するZUNTATAのサウンドデザイナー兼サウンドディレクター。効果音制作の代表作に「メタルブラック」「ダライアス外伝」「サイキックフォース」などがある。「電車でGO!」のテーマソングを歌うなど、ZUNTATAのライブパフォーマーとしても活躍している。
内田 哉
ZUNTATAのチーフプロデューサー。ZUNTATAを率いる傍ら、各種サウンド制作はもちろん、サウンドドライバの開発や様々なサウンドエンタメコンテンツの企画設計など幅広い活動を行っている。
   

 
●高木氏デビュー曲「ラスタンサーガ」の秘密
   
鴫原: 前回のインタビューでは、高木さんが初めて打ち込みを担当した「ダライアス」のBGMについてお伺いしましたが、ご自身で最初に作曲を担当したのはどのゲームのBGMでしょうか?
   
高木: 「ラスタンサーガ」ですね。その前にプライズゲームの曲を作ったことはあったのですが、ビデオゲームではこれがデビュー曲になりますね。実際に作ったのは1987年の秋ぐらいでしょうか。
   
鴫原: 当時のライナーを見てみますと、なぜかご自身のコメントで「ヘンな曲だ。」なんて自虐的なことが書いてありますよね? 私は自分でCDを買って何度となく聴きましたが、ゲームの世界観に合致したとても熱い曲だと思います、けっしてそんなことはないと思うのですが……。
   
高木: 多分、当時は相当悩んでいたんでしょうね(笑)。なにぶんもうかなり昔のことなので詳しいことが思い出せないもので……。まあ、そこはサラっと流してください(一同爆笑)。それからちょっとこぼれ話をしますと、実は「ラスタンサーガ」のアルバム収録のときは私は現場に立ち会えなくて代わりの担当者がうっかりラウンドクリアの曲を取り忘れてしまったんですよ。収録後に開口一番、「すいません!」って言ってきたので尋ねたら「ラウンドクリアの曲を入れ忘れました!」と・・・大いに泣きました。(笑)
   
なかやま: 「ラスタンサーガ」以外にも、当時は「功里金団」なんかのBGMもかなり熱かったですよね。
   
高木: 嬉しいですね。確かインナーの「Mar.文集」にも鈍感気味な世間に対してのメッセージを書いた覚えがあります。本来熱いものを熱く感じられる喜び…そんな内容だったと思いますが(笑)。鈍感になり過ぎて感じることを忘れてしまうことへの抵抗を当時表現したかったような…そんな記憶があります。
   
鴫原: 続編の「ラスタンサーガ2」の作曲も高木さんですか?
   
高木: いえ、「2」は小倉さんの担当ですね。「ラスタンサーガ3(Warrior Blade)」ではまた私が担当に戻りました。このタイトルにまつわる話はとてつもなく長い話になりますので(笑)、また機会あるときにでも。
   
鴫原: 1980年代は、今と違ってビデオゲームのタイトルがたくさんリリースされていましたし、当時のアルバムを見ても同時に多くの作品のBGMを収録していましたよね。「ラスタンサーガ」の曲が入ったアルバムにしても、同時に「コンチネンタルサーカス」「ミッドナイトランディング」「トップランディング」などが収録されていますし(※アルバムの正式名は「究極TIGER -G.S.M. TAITO2-」)。
究極TIGER G.S.M.TAITO 2
東亜プラン開発の名作シューティング、「タイガーヘリ」「飛翔鮫」「究極タイガー」に加え、「ミッドナイトランディング」「ラスタンサーガ」「コンチネンタルサーカス」「トップランディング」の計7タイトルを収録。なお、ジャケットの絵は「究極タイガー」である。
   
高木: ええ、一時期は本当に忙しくてたいへんでした。
   
なかやま: そういえば、昔は全然人が足りない時期がありましたね……。
   
高木: みんなが常時2、3本のタイトルを抱えているようなケースもあったので、自分たちで作りきれないものは外注に頼るケースもタイトルによってはありましたよね。
   
鴫原: それにしても、複数のタイトルをいっぺんに同時進行で作ることなんてできるんですか? それぞれ世界観は違いますから、頭の中でイメージが混同したりしてたいへんだと思うんですけど……。
   
高木: 初めのうちはかなり戸惑いましたが、これが不思議なもので慣れてくると全然混同しなくなるんですよ。しばらくすると、自分で作業するときのスイッチとディレクションするときのスイッチを切り替えながら仕事ができるようになっていましたね。
   
なかやま: それから私がまだ新人だったときは、自分で作った曲を小倉さんなどの先輩に何度聞かせても「ダメだ、ダメだ」の連続で、なかなかOKをいただけなかったことでもかなり苦労しましたね。もうとっくに締め切りを過ぎているのに、それでもOKを出してくれないのは本当につらかったです。もう何度も何度も叩かれながら少しずつ仕事を覚えていきましたね。
   
高木: あまりの厳しさに泣いてしまったスタッフも当時はいたぐらいですから(笑)。
   
鴫原: そんな厳しい修羅場を抜けてきたからこそ、「ZUNTATA」のみなさんは現在までずっとご活躍ができているわけですね!
   

 
●(旧)中山上等兵の作曲エピソード
   
鴫原: 「ライトブリンガー」の作曲はなかやまさんのご担当ですよね?
   
なかやま: ええ。BGMと効果音全般の制作を担当しました。
   
鴫原: BGMは私もほとんど記憶にないのですが(すみません……)、今でも鮮明に覚えているのは、あの魔法使いのオジサンキャラ、ヴォルドの妙にカッコいいエコーがかかった呪文を唱えているときのボイスですね。そもそも、あの呪文は何てしゃべっているのですか?
   
なかやま: 呪文のセリフは造語ですね。最初はアラビア語でできないかと考えたりもしたのですが、全然発音とかもわからないので、結局はそれっぽく呪文を唱えているように聞こえるのであれば何でもいいやと思って作っちゃいました。
   
 
ライトブリンガー
元のゲームはアーケードとしては珍しいアクションRPGで1994年に発売された。同年に発売された「ライトブリンガー」単独のタイトルを収録したアルバムも、歴代「ZUNTATA」作品の中でも特にレアな一品である。
グリッドシーカー
1993年にリリースされた、他のシューティングゲームとは一線も二線も画す美しいメロディーが際立つ一品。また1999年には、アレンジ曲を収録した「グリッドシーカー -The Dictator of Justice-」も発売されている。
   
鴫原: これ以前には「グリッドシーカー」の作曲もなさっているかと思いますが、このゲームのBGMを作るにあたり、全体をとおして何かテーマみたいなものはあったのでしょうか?
   
なかやま: いいえ、当初は何かテーマを持って作っていたということはないですね。それとは別に、このときはもう「ZUNTATA」がライブを始めていた時期でしたので、実は「今度新しく作る曲でライブがやりたい!」という本当に個人的な下心を持ちながら作っていましたね、なにぶん、自分も当時はまだ若造だったもので(笑)……。とりあえず、当時タイトーのマザーボードに搭載されていた最新の音源(エンソニック社の音源チップ)を使っていかにカッコよく聴いてもらえるかを考えながら作りたいという思いはありましたけどね。
   
鴫原: それは初耳です。でも、まさかそんな下心丸出し状態であんな素敵な曲ができるとは意外過ぎるぐらい意外ですね……。
   
なかやま: 実はこのゲームでは、最終面(7面)のBGMがメインテーマ(1面)と同じモチーフでありながら、マイナースケールの暗い感じになるように作ってあるんです。プレイヤー側は正義の味方ということで辺りにあるものはもう何でも壊しちゃいますけど、実は下から見たら単なる破壊者なのではないか、物事の真実はひとつだけど、見ようによってそれは正義にも悪にも見えるのではないかというような……。そんなイメージを持ちながら、「グリッドシーカー」では曲を作っていましたね。
   
鴫原: ナルホド! ちゃんとBGMがゲームの世界観・ストーリーにシンクロしているわけですね。
   
なかやま: とはいえ、自分の場合は行き当たりばったりで作っているうちにだんだんまとまっていく、みたいな作り方をしていることが多かったですね(笑)。初めからきちんとイメージやコンセプトを固めてから制作に取り掛かるのが普通だとは思いますけど。
   

 
●効果音のスペシャリスト、石川氏激白!
   
鴫原: 「メタルブラック」のアルバムのインナーを見てみますと、「SE担当ばびー」と書いてありますよね。
   
石川: ええ、この「メタルブラック」が私のデビュー作で、効果音は全部自分が作りました。
メタルブラック
軽快、静寂、過酷、そして無常観など、ありとあらゆるイメージを想起させるBGMは、そのどれもが独創的で一度聴いたら耳に焼き付いて離れない。「ZUNTATA」の1500シリーズを代表する名盤。
   
鴫原: 「メタルブラック」はクレジット音からして随分と変わっていますよね。
   
石川: 元々あの音はクレジット音にしようと思って作ったわけではないんですよ。このときはコンポーザー兼ディレクターだった渡部(※)さんに、私がとにかく無我夢中で作ったいろいろな音を聴いていただいたうえで、「これはここで使おう、この音はあそこに使おう」と選んでもらうような形で使う場所を決めていきました。まだ仕事を始めたばかりでしたから、渡部さんが考えたコンセプトをもとにして、音をとにかく片っ端から形にすることだけで必死でしたね。
   
  ※渡部さん:当時の「ZUNTATA」メンバーで、Yack.という名前で活躍した渡部恭久氏のこと。代表作に「メタルブラック」「サイバリオン」などがある。
   
鴫原: 個人的にはボーナス面でミサイルが飛んで行って敵に当たるまでの音が、ゲーセン中によく響いてカッコよかったのが特に印象に残っています。
   
石川: 「メタルブラック」では、ほとんどの音をFM音源ではなくPCMで作っているんですよ。ちょうどこの時期からPCM音源が使えるようになり、また基板に搭載するROMの価格が下がってきたこともあって、サウンドに使用する容量が比較的大きくても許されるようになりました。以前の作品では音源や容量の問題からFM音源やPSGで作るようにしていたのですが、PCMを使うことでより多くのリアルな音を組み込むことができるようになったわけですね。そういう意味では、ほかの先人のみなさんに比べるとちょっとヌルいところがあるかもしれませんが(笑)。
   
鴫原: ライナーを見てみますと、石川さんのお気に入りは自機の爆発音とのことですが。
   
石川: はい。爆発音を、フランジャーか何かの極端なフィードバックを通して作ったような記憶がありますね。
   
鴫原: ちょっと話は変わりますが、ゲーム中にBGMの曲名が表示されるようにしたのはどなたのご発案なのでしょうか?
石川: これは渡部さんのアイディアですね。
   
なかやま: 多分タイトーで最初に曲名を出すようになったのは、この「メタルブラック」が最初でしたね。
   
石川: このプロジェクトのスタッフはすごくノリがよい人が多かったので、そういうちょっとしたお遊び的な要素も積極的に聞いてくれたんですよ。関わっていたスタッフが少人数だったという事もあって仲間意識が強いと言いますか、すごくまとまり感がありましたね。
   
鴫原: F3ボード時代の作品ですと、個人的には「ダライアス外伝」のサウンドが特にお気に入りで、アルバムを買って何度も聴いた思い出があります。プロフィールによりますと、この「ダラ外」のサウンド制作も石川さんのご担当とのことですが?
   
石川: はい。「ダラ外」でも効果音全般を担当しています。
ダライアス外伝
BGMにボーカル(女性の声)を取り入れるなど、独創的なアイデアが光る作品。セル画がついていたり、難解な文章が書かれたジャケットも実に個性的なデザイン。アレンジ曲も1曲(「VISIONNERZ」)収録している。
   
鴫原: ショットやウェーブを撃ったときの音が過去のシリーズ作品とはまったく違っていますが、以前の音に似せようとは思わなかったのでしょうか。
   
石川: ええ、以前の作品を無視したわけではないのですが、特別何か似せようという意識はなかったです。ただ、ウェーブの発射音については当時かなり悩まされた思い出がありますね。製作中にスタッフから、「もっと初代のウェーブを意識してほしい」などと言われたりして、随分もめて何回も作り直しました。やはり、初代「ダライアス」のウェーブ音がみんな印象に残っていましたので、あれと同じぐらいインパクトのある音にしたいという思いがあったんですよね。
   
鴫原: ボスの巨大戦艦を倒したときに、亀裂が入って最後に大爆発する音は初代「ダライアス」にどことなく似ているような気もしますが?
   
石川: いいえ、それも特に前作を意識はしていません。ただ「ダライアス」という作品においては、単純に「ボカーン」とか「チュドーン」だけで終わっちゃうのはまずいだろうなとは思っていました。それ以外の音についても、単に「ドカーン」だけで終わらないように考えて作ってあります。
   
鴫原: 自機がパワーアップしたときには、女性の声でボイスが入りますよね? あれは何て言っているんですか?
   
石川: 「ソウル(Soul)」ですね。何か生命エネルギーみたいなものを取り込んで、自機が成長していくイメージを出したいと考えていて、アイテムを取ったときの音といっしょにボイスを出すことを思いつきました。「Soul」というセリフは小倉さんのアイディアだったと思います。やはりこのゲームにおいては、「レーザー」とか「パワーアップ!」などと普通にしゃべるのはちょっと違うなと思いましたからね。このゲームのBGMにはボーカルみたいなボイスがたくさん入った独特の曲がありましたので、自分でも(BGMを作曲した)小倉さんのちょっと高尚なところを真似しようと思って、ほかの効果音にもボイスを取り入れて作ったものがいくつかあります(笑)。
   
鴫原: ゲーム中はあまり鳴る機会の少ない、何気ない効果音ひとつとっても本当にいろいろ工夫やこだわりを持って作っているんですね。
   
石川: でも自分の場合は、そんなに内面から深く考え込んで作るほうではないと思っていますけどね。そもそも自分はサウンドエンジニアとしてタイトーに入社したこともあって、サウンド制作のときはまず音のディテールから入るんですよ。こういう音が耳に入ると心地がいいな、熱くてグッとくるな、などというように、ゲームをプレイしている人に心地よく聞こえるような音になるように普段から意識して作りましたね。

  次回は「ZUNTATA」のメンバー構成や、各種アルバム制作に関するエピソードの秘密にも迫ります。
こうご期待!
 
「ZUNTATA」からのお知らせ!
来る3月19日(木)には、3月26日発売予定のニンテンドー DS用の最新ソフト
「スペースインベーダーエクストリーム2」 の発売記念イベントが渋谷「LA FABURIQUE」で開催されます。
当日はZUNTATAによるライブも実施される予定なので、興味のある方はぜひ会場に足を運んでみよう!
(20歳未満は入場できないのでご注意ください。)
イベント詳細はこちら!

そして3/26(木)に秋葉原UDXで開催されるスペースインベーダー30周年記念イベントファイナル
「無料で遊べる!タイトー・ハッピーステーション」 でもZUNTATAによるライブが行われます。
こちらは入場無料なのでお気軽に立ち寄ってみてください!
イベント詳細はこちら!
 
 
 
   
   

★次回 ZUNTATAインタビュー3/4回 は、2009.03.18公開です
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