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株式会社アイエヌエイチ
株式会社ウェーブマスター
2009.06.17
 
忙しくて、つい……まにきゅあ団結成
神曲『GRIP』完成! あれ!? 『GRID』だったっけ!?
細野さんも持ってたOMY
『バーチャファイター』みたいな曲がいいと思います!
疲れ気味? リストラ? TAISHOKU!
 

>> 1/4回から読む <<


   <出席者紹介>
佐野電磁(さのでんじ)
本名佐野信義。1992年よりナムコのサウンドに所属し、『ニューマンアスレチックス』、『リッジレーサー』シリーズ、『鉄拳3』、『ゼビウス3D/G』といったテクノやデジロックなどをいち早く取り入れた楽曲をリリース。プライベートではまにきゅあ団やO.M.Y.、nanosoundsといった活動もこなしつつ、2001年にキャビアに移籍。『ドラッグオンドラグーン』、『KORG DS-10』などの衝撃作をリリースする一方で、自らの作曲風景をblogでレポートする「作曲24」や、FM音源+GM作家コンピ『FM音源マニアックス』といった新しい試みを続ける構造改革コンポーザー。
   

 
●忙しくて、つい……まにきゅあ団結成
   
安部: 『ニューマンアスレチックス』、『リッジ』と来て忙しくなってきたところに「まにきゅあ団」の活動が始まります。僕は2回目のライブで初めておじゃましたんですけど(※まにきゅあ団についてはこちらを参照してください)。
   
佐野: 場所、どこでしたっけ?
まにのろぢ~
団長・細江慎治率いるまにきゅあ団、メジャーデビューアルバムにして最新アルバム。ボーカル・maimaiのハイトーン・ボイスにテクノポップの90年代的解釈という構成は、今で言うA-POPの原型かも。トラック11『機械の王国』はインディーズ初期からの曲。インディーズ盤は発見次第保護したい。
   
安部: 新横浜ですね。スペースオルタ。
   
佐野: あー! 2回目とかってホント楽しかったですね。1回目のドン引き……「ドン引き」ってのはこういうのを言うんだというぐらい。
   
安部: 1回目って、対バンいたんですか?
   
佐野: いました。対バンもドン引き。
   
安部: どんな感じのバンドでした?
   
佐野: 怖くてあんまり思い出せません(笑)、1回目はすごかったっすよ、ホント。2回目では、1回目を面白いって思ってくれた人が来てて、2回目は結構「あっ、客、引いてない! 伝わった……かな」みたいな。
   
安部: ファンが付いてきた。
   
佐野: 懐かしいですね。
   
安部: ステージに立つ、という行為自体はこれまでに高校とかで経験があるんですよね?
   
佐野: やってましたけど……、高校生ですしね。
   
安部: ライブハウスなんかの経験は?
   
佐野: 出たことなかったです。
   
安部: あ、でも、ま団だと、楽器じゃないですね……ダンサー。
   
佐野: ええ(笑)
   
安藤: 佐々木(宏人)さんとコンビで。
   
佐野: なんでダンサーなんて言い出したか全然覚えてない……面白いからそうしたんでしょうけど。
   
安藤: まにきゅあ団セピア(※佐野氏、佐々木氏によるダンサー二人組のユニット)の「セピア」は一世風靡セピアから?
   
佐野: そうです。踊りなんで……。
   
安部: セピアって言い出したのも3回目ぐらいからですよね。
   
佐野: たしかそうですね。
   
大野: 仕事の忙しさの反動でバンドをやろうってことなんですかね? ナムコとは接点ないでしょ?
   
佐野: ええ、でもまあ、接点ないって言っても、メンツはほぼナムコですし……。なんだろう……。基本的に細江さんが「やろう!」って言い出すんで。
   
安部: 細江さんの回のインタビューでは「なんでま団を始めたか」って書いてないんですね。
   
佐野: ま団は……確か細江さんとmaimaiさんが花見で会ったのが最初ですね。
   
安部: 花見スタートなんだ。
   
安藤: 花見で「この人でやりたい」って思ったのがきかっけだったと以前細江さんから聞きました。
   
佐野: 最初、その話を聞いたとき「付き合いたい」って意味なのかなって。ああ、花見で……付き合うんだーって。
   
  (一同爆笑)
   
佐野: と思ってたら、バンドやるっていうから。「あ、じゃあ、口説けなかったから、腹いせにバンドなのかな、バンドで口説くのかな……」って思ってて……。
   
安部: 「オマエもやるぞ」みたいな話になるわけですよね。
   
佐野: いやいや、細江さんって「オマエやれ」とは言わないんですよ。「じゃあ僕もなんかやろっかな……」って感じになったんですけど、「でも、ひとりかぁ……」とも思って。で、佐々木が居たんで、「佐々木もやるならちゃんとやろうかな、ダンサーみたいな……あ、ウケる!」とか、そんな感じですよ(笑)
   
  (一同笑)
   
佐野: で、佐々木に聞いてみようと。これまでのバカ話を会社の事務スペースみたいなところでやってて。パーティション越しに佐々木が作業してたんですよ。「佐々木ィィィ!」ってデカい声で呼んだら「なァんすかぁぁぁ」って。「オマエ、ダンサーやれ!」って言って、「えーっ」「やれ!」「はァい」って(笑)。それで決まりました。
   
安部: 絵が浮かぶ(笑)
   
佐野: そこはよく覚えています。
   
安部: 佐々木さんは1年後輩ですね。
   
佐野: 1年あと。
   
安部: ま団の活動自体についてはヒストリーどおりですか?
   
佐野: そうですね。面白かったですね。
   
安藤: 活動としては、97年の『まにのろぢ~』までですね。花やしきで撮影しました。
   
佐野: あーー! はいはい。やりましたやりました。
   
安藤: 『まにのろぢ~』でメジャーデビューですね。最後のアルバムになっちゃいましたけど…。俺が制作担当でした。
   
佐野: リキッドルームでライブもやりました。
   
安部: 渋谷ON AIRもやってますね。
   
佐野: いろんなとこでやってますね。
   
安藤: そのときでしたっけ? 『モンスターマシーン』のシングル作ったのって。
   
佐野: え、作りましたっけ?
   
安藤: 元々『モンスターマシーン』はま団セピアの曲で、凄く面白くて気に入っていたのでシングルCDにしましょうって。
   
佐野: あー……。そうかそうか。録り直したの、覚えてます。
   
大野: あのシングルはプロモーション用だけの配布でしたっけ?
   
安藤: 非売品でした。
   
安部: 歌詞の内容も、すっかりモンスターじゃなくなってしまいましたね。
   
佐野: 当時も冗談で言ってたんですよね。すぐ実現しちゃうんじゃないかって。予想より早かったですよねー、現実のスペックが追い越すのが。
   
安部: 1個だけ、いまだにモンスターなのがありましたよね。
   
佐野: えーと、マウスパッド。
   
安藤: 4ヘクタール(笑)
   
安部: あとはだいたい実現されちゃった。
   
安藤: メモリが500MB、HDDは200GB。むしろ既に少なかったり(笑)。
   
佐野: ラムダブラー、もう使わないですからね(笑)。1.5GBとかありえないって爆笑してて……そう思うと、いい歌ですよね。そんな歌ないですからね。
   
安藤: INITが600個。
   
佐野: 起動するのに2時間半、これは越えてない。今どき、まず、INITがなんだかわかんない(※旧Mac OS用の機能拡張。起動時にロードする)。すごい曲でしたねえ。
   
安藤: 大爆笑のレコーディングでした。
   
安部: あれは佐野さんの曲なんですか?
   
佐野: そうですね。
   
安部: ま団では何曲ぐらい? 『フォーマットライフ』とか……。
   
佐野: 『フォーマットライフ』は細江さんがバックトラック作ってくれました。
   
安部: だいたい細江さんの曲?
   
佐野: 基本、細江さんで、まわりが何曲かずつって感じでしたね。
   
安藤: 『まにのろぢ~』はメンバー全員が最低でも1曲づつは書いてますよ。
   
安部: セールス的にはGMファンをうまいこと取り込めたんですか? ぶっちゃけ、売れた?
   
大野: 売れてないって印象はないんだよね……。「たぶんゲーム・ミュージックじゃないからダメだろう」という予想は上回っていたような記憶が。
   
佐野: へぇ……意外だ。
   
安部: そういえば先日、佐宗さんが今年16周年って言ってましたよ。
   
佐野: ハッハッハッハ!(笑) 16周年って!
   
安部: 16進数で10hで何かやりたかったけど、夏コミには間に合わないって(笑)
   

 
●神曲『GRIP』完成! あれ!? 『GRID』だったっけ!?
   
安部: ちょっと時代は前後しまして。サノウィキによると、『エルズストーリー』のときに「ペイントツールで打ち込んだ」とありますけど、これはどういうことですか?
   
佐野: ハハハ、ハイハイ。ペイントツールって、シーケンサーの中にペイントツールという機能がありまして。文字どおり刷毛みたいな。べーって線を引くと、バババババババって打ち込めちゃう。単にあれでやって、そのまま鳴らしてみたらすごいよかったんで採用したという話です。
   
安部: 今で言うDS-10みたいな。
   
佐野: あ、そうですね、そう言われてみれば。
   
安部: それってどの曲だか覚えてます?
   
佐野: ドンダカドンダカ鳴ってるヤツなんですけど……。
   
安部: 聴いてみましょう(『エルズストーリー』を実際に聴き始める)。
   
佐野: 途中でね……、何だっけ、機材。
   
安部: アルバム自体は相原さんとお二人で?
   
佐野: いや、結構、何人かでやりました。洞窟の中みたいな曲なんですよね……。あ、1曲目かな? ずーっと聴いてると、パーカッションが入ってくるところがあって。
   
安部: 1曲目は佐野さん仕事ですか?
   
佐野: そうですね。あ、ここのパーカッション。これ、ペイントツールで……。
   
安部: なるほど、坂本龍一っぽい感じもありつつ。インタビューにあたって、佐野さんの曲を聴き直したんですけど、ホントに坂本教授がお好きなんですねえと思いました。
   
佐野: 大好きですね。教授みたいな曲が、俺もできるんだー! って喜んでいたころの曲ですね。基本的にこのころと使ってるコード、今と変わってないですしね……。懐かしい。
   
安藤: 佐野本龍一だ。
   
安部: その後『リッジ2』では『GRIP』と『RARE HERO 2』。個人的な感想ですけど、『GRIP』と『RARE HERO』ってとても『リッジ』っぽいなあ、と思うのです。
ナムコゲームサウンドエクスプレスVol.14 リッジレーサー2
「細江さん、佐野は天才になりました!」と叫んじゃうぐらいのトラック3『GRIP』。すでに廃盤だが、楽曲的には初代を上回るボリュームで、フュージョン色の残る初代より吹っ切れたテクノのこちらがオススメ。というかVol.24の『レイブレーサー』まで全部買おう。
   
佐野: ありがとうございます(笑)。
   
安部: 『GRIP』は最初『GRID』だった、ってお話をどこかで読んだ気がするのですけど、あの真相は?
   
佐野: The GRIDってグループいるじゃないですか(※88年結成のUKテクノユニット)。これと近い、でも違う名前を曲名にしようとしたら、どっちがアーティスト名かわかんなくなっちゃったんです。
   
安部: どういうことですか(笑)
   
佐野: 「GRIP」がアーティスト名だったっけなあ、という。違う名前のほう、違う名前のほう、って覚え方をしているうちにどっちがどっちかわからなくなったという(笑)
   
安部: 曲と直接は関係ないんですか? The GRIDの曲のどれかにインスパイアされたとか。
   
佐野: あ、でも、The GRIDの綺麗な感じの曲……『Crystal Clear』みたいなのって、他にあんまりなかったんで、あの感じを出したくて。
   
安部: 『Rollercoaster』みたいに、澄んだ感じのストリングスが乗ってくる感じですね。
   
佐野: あと、Underworldの『Rez』。
   
安部: テレビ朝日が未だに使ってる曲ですね。確かにこの二つを合わせて咀嚼した感じがします。その一方で『ゾルギア』もSEを担当していますね。
   
佐野: ああ、大変でしたね……。Fairlight(豪Fairlight社が開発した音楽制作システム)使ってね……。
   
安部: Fairlightなんだ! この時代で!? この時代のFairlightってどんな感じなんですか?
   
佐野: もうハードディスク・レコーダーになってたんですよ。今ではProToolsが標準ですけど。FairlightのMFXだったかな……それでやってましたね。有名なCMIではないです。
   
安部: 社内スタジオにあったんですね。すごい、サノウィキは参考になりますね!
   
佐野: ええ、まあ、僕しか書いてないんですけど!(笑)
   
  (一同笑)
   
佐野: Fairlight、調子悪くてね……。
   
安部: 動かない? 止まっちゃう?
   
佐野: 止まったり、起動しなかったり。電源が弱かったんですかね。
   
安部: サンプラー+ハードディスク・レコーダーみたいな感じなの?
   
佐野: 最初はそうだったんですけど、どこかのタイミングでサンプラー機能をはずさないとバージョン・アップできなくなってましたね。サンプラー部分にはFairlight CMIの音が入っていたんで、その機能をはずすことについて細江さんと悩んだんですけど……「まあいっか」って。確か細江さんが別のソースに移して保存してました。
   
安部: このころ、ゲームのプレイとかはされてました?
   
佐野: 参考資料、ってことで会社では。でもそれ以外の、会社にいない時間をプライベートとすると、ほとんどゲームはしてませんでした。というか、ほぼ会社に居たんで、プライベートの時間がない。あーでも、細江さんたちと飲んだり、たまにクラブに行ったりしてたか。
   
安部: じゃあ、ゲームでないにしろ、CDを買うとか、新しいソースを得るのはいつ?
   
佐野: あ、CDは買いに行きましたね。バカみたいに。
   
安部: 勤務先は、旧ナムコ未来研究所(横浜市都筑区)?
   
佐野: 『リッジ2』のころは未来研究所ですね。
   
安部: あそこからだと、どこに買いに行くんですか? 横浜?
   
佐野: CDはもう、渋谷も行くし、気分的に買いたりないときはその足で横浜にも行くし、という感じ。タワレコ、渋谷WAVE、HMV。WAVEが2店舗あったころ。楽しかったですね。

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