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株式会社アイエヌエイチ
株式会社ウェーブマスター
2009.06.10
 
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●志望の動機はテーマパーク開発!?
   
安部: 大学時代はそういうことがありつつも、音楽というよりは……。
   
佐野: 非常に浮ついた……大学時代を過ごして。
   
安部: それを…いよいよナムコが近くなってくると思うんですけど、就職活動は。
   
佐野: それがねえ、代理店とか行きたいなーって、これまた浮ついたことを思っていて。でも、どうやら電通とか博報堂は無理らしいとわかって、もうちょっと入りやすそうな代理店に話を聞きに行ったり。
   
安部: 受けたのは何社ぐらい?
   
佐野: 受けたのは……KORGと、ナムコしかないんですよ。KORGは当時高井戸にあって、話を聞きに行ったら、隣の部屋からすっごい綺麗なベル系の音が鳴ってるんですよ。「これはいい所だ!」と。……ただ、会社の雰囲気が職人的でストイックな印象があって、ここで……浮ついてた僕は、やっていけるかどうか不安に思っちゃったんです。一方、ナムコではワンダーエッグを手がけるところで。こっちなら浮ついた僕がいても大丈夫だ! ってことでナムコにしたんです。そしたら、「サウンド志望の方に」っていうチラシがあって、「デモテープを提出すること」って書いてあったんで、「へー、じゃあ出してみよっ」って。まさに浮ついてますよね(笑)
   
安藤: それは何年ですか?
   
佐野: 90年……91年?
   
安部: ワンダーエッグなら92年ですね。
   
佐野: ワンダーエッグができて、最初に入った新人ですね。営業研修がワンダーエッグでした。
   
安部: 音楽系の会社しか受けてないことになりますけど、浮ついてたのに急に音楽で、というのはこれまでずっと音を扱ってきたから自信があった? それとも、純粋に音楽がやりたかった?
   
佐野: 代理店系は話を聞きに行ったんですけど、なんかこう肌にあわないことがわかって。その一方で、ナムコに話を聞きに行って……先に入社している大学の先輩に話を聞きに行く的なのあるじゃないですか。あれでナムコの近所の中華料理屋で先輩とお話したら、「なんか話せる!」と思って。どなただったかはちょっともう覚えてないんですけど。
   
大野: 大野木さんとか?
   
佐野: サウンド系の人ではありませんでした。その人、来た瞬間に「いやボク、サウンドじゃないんで、あんまり話せないんだけどね」って言われて、オーーイ!(笑) みたいな。それがよかったのかも。
   
安部: デモテープはどんな感じだったんですか?
   
佐野: あ、そうそう、その会ってくれた人が「とにかく曲数を入れたほうがいいよ」っていうんで、異常に入れたんですよ。で、入社してから川田(宏行)さんに聞いたら、「いや、佐野君ぐらいだよ、あんなに曲数入れてきたの。だから採用したんだ」って。
   
  (一同笑)
   
安部: 曲じゃないんだ(笑)
   
佐野: 曲数で(笑)。1曲30秒とかに編集して、ものすごく入れたんです。ひっどい音でしたけど。それこそ中学のときに作った曲なんかもブチこんどいた気がしますよ。
   
安部: そういう構成だと、ゲームメーカーのサウンドだと採用になっちゃいそうですね。
   
安藤: 全部聴いてない可能性ありますよね(笑)
   
佐野: ありえますよね(笑)。インデックスだけ見たとか。
   
安部: では結構スンナリ入社しちゃった。
   
佐野: それが、テープが通ったって言われた瞬間に、すっごい不安になっちゃって。そのあと面接をしたんですが、そのときに「やっぱりサウンドは無理です、テーマパーク開発がしたいです」って言っちゃって。
   
安部: 辞めるんですか!?
   
佐野: 面接してた人たちは「いや今そんなこと言われても」的なね。小沢(純子)さんも呆れて。当時僕は知らなかったんですけど、何千人もの応募の中から選んでるのに、何言ってんの? みたいなムードになって、ナムコを後にしたんですよ。で、あとになって、「あ、やっぱり、曲、行けるかな……」って電話して「やっぱやります」って(笑)。
   
  (一同笑)
   
佐野: 次は役員面談だったんですけど、「これは怒られるだろうなあ」って、部屋に入った瞬間に平謝りですよ。ただまあ、皆さん笑ってるんですよ、いきなり謝る役員面接もないなって。「佐野君、いいからいいから」って。サウンド部署に配属になったときも平謝りしてた記憶がありますね……。
   
大野: 同期は?
   
佐野: 中川(浩二)くんといって……今『iM@S』とかやってますね。昔なら『テクノドライブ』とか。
   
安部: あ、ここで入社したことですし、休憩しましょう。
   
佐野: いやーーーーーっ、入社しましたねええええ。
   
安藤: ようやく入社(笑)
   
佐野: いやーごめんなさい。いやいやいや、どうですか(笑)。こうやって話してると、いろいろ思い出しますね。大人に支えられていたってのは特に……おれ、頑張ろう(笑)。オーディオショップとかも好きで行ってて、大人が相手してくれてましたもんね。
   
安部: 絶対買わないよ、コイツっていうガキんちょでも、相手してくれましたよね。
   
佐野: 試聴室とか高いスピーカー置いてあるところにフラフラ入っていったら、「興味あんの?」って。僕、知識だけは豊富じゃないですか。ナカミチの『ドラゴン』(※ナカミチが82年に発売した最高級カセットデッキ。オートアジマス調整機能を搭載、26万円)を置いてある店があって、ひとりで感動してたらお店の人が面白がって、「よく知ってるねえ」って。よく相手にしてくれましたよね。
   
安部: 新人研修はワンダーエッグだ、というお話がありますが。期間はどのくらい?
   
佐野: 1か月かな……。『ギャラクシアン3』を。こりゃ曲いいなーって思いましたね。
   
安部: 『ギャラクシアン3』で何を担当したんですか?
   
佐野: あ、『ギャラクシアン3』はローテーションで全部やるんです。楽しかったですね。すっごい楽しかった。(セリフを)暗記してね。もう全然覚えてないですけど。ときどき勝手にセリフをアレンジしたりして。
   
安部: そうすると、UGSF (※United Galaxy Space Force=銀河連邦宇宙軍 は、ナムコのゲーム内に共通して登場する架空の軍隊) のリピーターさんたちが喜ぶ、みたいな感じですか。
   
佐野: ……あ、当時はリピーターはまだいなかったですね。
   
安部: できたばっかりですか。
   
佐野: そうです。で、当時ものすごい混んでて。ゴールデンウィーク中なんか、4時間半待ちとか言ってましたね。
   
安藤: 1回やるのに?
   
佐野: 言いましたもん。「1日の1/6を待つことだけに費やしていただくことになりますがよろしいでしょうか?」って断りを入れると、「いいですよ」って待ってくれてましたもの。
   
安藤: 4時間待ちのアトラクションってそうそうない(笑)
   
佐野: ワンダーエッグで4時間レベルは『ギャラクシアン3』と『ドルアーガの塔』。園内がそれほど広くないので、列だけで埋まっちゃうんですよ。
   
安藤: 僕が行ってたころは建物1周待ちぐらいでしたね。園内で音楽がかかっていて「いい曲だなー」って思ってた。
   
安部: それがこのあとの『エルズストーリー』につながるんですね。あ、これはサノウィキに載ってない!
   
佐野: 『エルズ』は製品じゃないんで……CD紹介ページで書きましたね。入って半年ぐらいで担当した仕事です。
   

 
●名選手、必ずしも名監督ならず
   
安部: ようやく配属になったわけですけど、配属直後の担当はエレメカの『ゾンビキャッスル』で間違いないですか?
   
佐野: そうですそうです。『ゾンビキャッスル』。
エレメカ大百科
後にも先にもこれ1枚、というナムコの歴代エレメカの曲(SE含む)を収録したレア盤。『サブマリン』、『さんすう道場』から、佐野氏担当の『ゾンビキャッスル』、Jazzyな曲調がたまらない『スウィートランド』などなど、色物では終わらない構成に涙。ブックレットも必見。
   
安部: この副読本……「サノウィキ」によると、SEと声優契約って書いてありますけど。あ、読者の皆さん、佐野さんはご自身のヒストリーをWikiにまとめてありますので、個々のサウンド・ヒストリーはこちらを参照してください!
   
佐野: よくまとめてあるなあ……。俺、偉いなあ。
   
安部: こんな細かく自分のこと書いてあるWikiって見たことないですが(笑)
   
佐野: しかも自分でね。これ書いたころってWikiの概念をわかっていなくて、全部自分で書いちゃったんです。「Wikiはいろんな人で書くものだ」と知ったのはずいぶん経ってからでした。「あ、そーなんだ、自分で書いちゃった」って。
   
安部: サノウィキとネタがかぶらないようにお話をしないといけないのが難しいですね……。同期は先ほどの中川さんだけ?
   
佐野: そうですね。
   
安部: サウンドの先輩はどんな感じでした?
   
佐野: 相原さん、細江さん、佐宗さんでしょ。小沢さんは先輩というより上司というか神というか……。
   
大野: 大野木さんはもういらっしゃらないころ?
   
佐野: そうですね。
   
安部: 一番長い方で小沢さん? じゃあ、あとは、川田さんとか……。
   
佐野: 川田さん、川元さん。川元さんはコンシューマーで、僕は業務用だったから……当時はあまりやりとりがなかったですね。
   
安部: アーケードの部署でもエレメカの曲をやるんですね。
   
佐野: エレメカはアーケードのサウンドチームが担当していました。中には『テクノドライブ』みたいな、モニタがあってもエレメカ扱い、というのはありましたし。
   
安部: 直前の先輩は相原さんということになるんですか?
   
佐野: 福沢さんという方がいらっしゃって。
   
安部: 『アルペンレーサー』とか。
   
佐野: 名作『アウトフォクシーズ』とかですね。あれはかっこいいです。あれがWiiで出たら僕Wii買いますよ。
   
安部: ナムコのバーチャルコンソール アーケードのラインナップ見てると、出そうですよね。
   
佐野: いやー、『ニューマンアスレチックス』見たときはびっくりしました。ナムコの友達から連絡があって、『ニューマン出るよ!』って言われて「オマエ何言ってんの?」って思っちゃったぐらい。
   
安部: なるほど。宅録少年だった佐野さんが、プロの現場に放り込まれるわけですが。第一印象はどうでした?
   
佐野: 「大変なことになった」と。
   
  (一同笑)
   
安部: もうちょっと具体的にお願いします(笑)
   
佐野: まず……みっちり教えてもらえるものだと思っていたんですよ。
   
安部: よくある話ですね(笑)
   
佐野: もちろんみっちり教えてもらえると思っていたのに、僕から言わせてもらえれば、ほぼゼロでしたね。確かにざっとは教えてくれるんです。
   
安藤: 機材は会社が提供してくれるんですよね?
   
佐野: あるんですけど。「こうでこうやってこうだから、じゃあそんな感じで!」ぐらいしか教えてもらえない。細江さんなんかそのパターンの際たるものでしたね(笑)。「名選手、必ずしも名監督ならず」という定説はここでも……。
   
安部: それ、載っけていいんですか……。
   
佐野: いいですよ、本人にも言った記憶ありますから。ていうか細江さんはね、機械と喋れる人なんで。そういう人には僕みたいな機械と喋れない人の気持ちはわかんないですよ(笑)。これね、相原さんも同意見だと思います(笑)。
   
安部: で、『ゾンビキャッスル』に話を戻しますと、これ、サウンド・プログラミングはしたんですか? 佐野さんはプログラムはされる方ですか?
   
佐野: 楽曲を直接打ち込む、という意味ではやりました。
   
安部: 音源的には?
   
佐野: システム2のFMなし版ってのがあって。
   
安部: PCMだけ?
   
佐野: そうですね。で、テキストエディタで曲を書いていく時代ですね。箱置換ができるすっごいよくできたエディタがあって。あれはよくできてたなー。
   
安部: 作業期間は……って、サノウィキに全部書いてますね……。4ヶ月ですか。
   
佐野: そこ(サノウィキ)に書いてあること以外のものは全部忘れちゃってますねえ。
   
安部: 初めてのお仕事、オッケーを出すのはディレクターなんですか? それともサウンドの上司?
   
佐野: 当時……オッケーとかNGとかなかった気がしますね。そのサウンド担当者が出せばOK。リテイクの文化がなかったですね……。なんなんでしょうね、音に興味がなかったんですかね?
   
安部: わりと出すとそのまま?
   
佐野: そう。たぶん……小沢さん、細江さんが培った何かが働いていたんじゃないかと(笑)
   
安部: 初めてのロケテストって見に行ったんですか?
   
佐野: 行きましたねえ。ハマボール(※横浜駅そばのボウリング場)。
   
安部: どんな気持ちでした?
   
佐野: すっごい楽しかったですよ。
   
安部: 楽しいんだ?
   
佐野: だって、いままで自分が作ってきたものが……。
   
安部: これまで抑圧されていたものが世に放たれた瞬間ですね。同時期に『ニューマンアスレチックス』も始まっています。
   
佐野: そうそう、ほぼ一緒にやってました。
   

 
●“腰”で作曲! 『ニューマンアスレチックス』、そして『リッジ』へ
   
安部: 『ニューマン』のころになると突然U.K.テクノ、XL Recordingsみたいな感じの曲調になりますが、学生時代のYMOからずいぶん飛びますけども、これはやっぱり細江さんとかの影響だったんですか?
   
佐野: そうですね。もう……細江さんが『F/A』を書いてるときに、そっち系のCDを異常に買ってて。一緒になって聴いているうちに面白くなってきて。
   
安部: XLってもうちょっと前ですよね。90年ぐらい。
   
佐野: そうです、僕が聴き始めたのは輸入版の『3RD CHAPTER』か『4TH』ぐらいかな? Underworldが入ってる時期。
   
安部: じゃあ、『F/A』の影響を受けて。ディレクターさんからの発注はテクノだったんですか?
ナムコ・ゲームサウンド・エクスプレス VOL.7 F/A
ビデオゲームにテクノを持ち込み、広く認知された問題作『F/A』のサウンドトラック。わりと淡泊な味付けのゲーム本編に、音が付くとこんなにもアツくなれるのか、と再認識させられる。
   
佐野: まったく。発注がなかったかな。
   
安部: 「好きにやって」とか?
   
佐野: 何も言われてない(笑)。
   
安部: 作りようがないじゃないですか!
   
佐野: 作りようがないんですよ。立ち位置……コンセプトは細江さんが当時の王道『F/A』でやってたんで、それはできない。とすると、テクノのバカっぽいテイスト、あそこをうまく使えないかなってことで、やっとあそこに行けた感じですね。
   
安部: 『ニューマン』において、最初に作った曲って何なんでしょうね。コンセプトが決まると思うんですが。
   
佐野: 何なんだろう……。何でしょうね。
ナムコ・ビデオ・ゲーム・グラフィティVol.10 ニューマンアスレチックス
佐野氏初テクノの『ニューマンアスレチックス』をはじめ、『エアーコンバット』、『倉庫番DX』(佐宗氏デビュー作)など他コンポーザーによる楽曲も多数収録。ディスク2-43の『魔Qでポン!』は谷川むつみ&綱島美少年による「おおむねまにきゅあ団」という歌モノも収録したグラフィティ最終章2枚組。詰め合わせ感はあるが、お得感タップリでもある。
   
安部: どれかうまく行くと、「じゃあこれで行こう」みたいになると思うんですけど。オープニングですかね?
   
佐野: オープニングですかねえ。そうかも。ひどい打ち込みだったと思います。なかばヤケになって作った記憶がありますね。頭で作ろうとしてたんですよね。
   
安部: 気持ちいいから、じゃなくて。
   
佐野: そう。あ、腰で作るんだ! みたいなのがわかって。若くないと書けない曲ですよね。
   
安部: 勢いがありますね(笑) 最初から連打するゲームだったんですか?
   
佐野: 最初言われたのは、「人が300km/hで走るゲーム」って。4人で。えーなんか全然わかんない……って(笑)。元々はオリンピックのゲームだったんですよね。
   
安部: バルセロナ合わせ(笑)。じゃあ、坂本教授好きとしては、もしかしたら教授っぽい感じになってたかもしれない(※坂本龍一はバルセロナ・オリンピックの入場曲を担当した)。
   
佐野: コッチでよかったですよ(笑)
   
安部: 次は『エイトライン』。僕、これ、実機見たことないんですけど、どんな感じだったんですか?
   
佐野: 歌いますか?(笑) リールが回る曲をディキシー風にしたんです。♪ターララーララーララーラ……って。Wikiにも書きましたがすごい楽しかったですね。1枚出ると「ピ」。5枚で「ピロ」。10枚で「ピロリ」みたいなオーダーで。いかにこれを音にするか。懐かしいですね。
   
安部: メダルゲームは後にも先にもこれだけですか?
   
佐野: メダルはそうですね……。
   
安部: この頃の心境としてはどうでした? そろそろ板に付いて。「おれ、ナムコ社員」みたいな?
   
佐野: いやいや(笑) まだ『リッジ』前だったんで、とにかく素直に楽しい。この時期、『エイトライン』をやって、『ニューマン』もやって、『ゾンビキャッスル』も調整が入って、3本同時になって仕事がよくわかんなくなっちゃって。これもWikiに書いてあるんですけど、『エイトライン』はモノラル出力のゲームなのに、忙しすぎてそれを忘れて、全部パンを指定しなおしてステレオにしちゃった(笑)
   
安部: そのステレオの作業って、MML的なものでパン振ってるんですか?
   
佐野: そうです。全部テキストエディタで、全ファイル指定しなおしたのが、ムダ(笑)
   
安部: そしていよいよ『リッジ』に参加しますが。よく考えると『RARE HERO』1曲だけなんですね。『リッジ』自体はお手伝いだったんですか?
   
佐野: 細江さんが『サイバースレッド』もやってて。『リッジ』で1曲(『RIDGE RACER』)書いたところでしんどくなって、テクノっぽいのやりたいと。当時はなんとなくサウンドのみんなが朝まで居るような生活で、毎日が文化祭の前日みたいな、そういう部署だったんで……その流れで「サノ、やらない?」ってことで「やります」って書きましたね。
   
安部: Wikiにもありますが最初はテクノの路線じゃなかった。
   
佐野: 違いましたね。最初はフュージョンっぽいのを書こうとしてたんですけど、全然うまく行かなくて、テクノにしちゃいましたね。
   
安部: ちょっと細かい質問ですが、曲名は「られへろ」なんですか? 「レアヒーロー」なんですか?
   
佐野: どっちなんでしょうね。声ネタに書いてあったから、そこからとったタイトルなんです。聴くとどう聴いても「られへろ」って言ってますよね。
   
安部: あのサンプルってどこから?
   
佐野: 効果音CD的な、サンプルCDがあって。
   
安部: あ、素材集があるんだ!
   
佐野: 売ってた素材集のトラックタイトルが『RARE HERO』だったから、それにしようと。サンプリングCDというのが世の中に存在するのを知ったのもこのときで、それがうれしくて、異常にここからサンプル録りましたね。
   
安部: Wikiの作業時期を見ると、入社直後なのにホントにお忙しそうな感じですね。
   
佐野: ホント……ずーっと仕事してましたね。当時そんなにお酒も飲まなかったし。
   
安部: そんなに皆さんお忙しいはずなのに、「まにきゅあ団」が始まったのってこのころですよね。
   
佐野: そうですそうです。どんどん忙しくなりましたよね。ま団の2回目ぐらいはすっごく楽しかったですね。1回目は1回目で客がドン引きでそれはそれで楽しかったんですけど(笑)
   
  
 

次回は、まにきゅあ団~キャビア移籍までのお話を予定しています!





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★次回 佐野電磁インタビュー 3/4 は、2009.06.17公開です
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