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株式会社アイエヌエイチ
株式会社ウェーブマスター
2009.07.22
 
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●革命的なレコーディングを次々と実践
   
安藤: 「空牙」のすぐ後には「ダークシール」のCDが発売されるんですけど、この収録のときは葛生千夏さんも参加されて、今までのギターサウンドとは違った感じが出ていましたよね。吉田さんアレンジのカラーと木内さんカラーとの二面性みたいなものがあって、ギターもひずみのないタイプでのアレンジでしたしね。
ダークシール
1990年発売。葛生千夏氏が歌うアレンジ曲を収録している貴重な逸品。なお、「ダークシール」と「空牙」の曲は、翌1991年に発売された「サイトロン ビデオゲームミュージック年鑑1990」にも収録されている。
   
吉田: 普通のアコースティックギターのパートを自分がやってましたが、確かにそれは言えると思いますね。
   
大野: 「ダークシール」のときは、このゲームのようなファンタジーの世界に合う、すごく不思議な雰囲気を持った歌い手さんがいるよって、知り合いのエンジニアに葛生さんを紹介してもらって実現したんだよね。葛生さんはこれがきっかけでゲームの世界に入って、後に「ファイナルファンタジー」シリーズとかでも活躍することになるんだよね。
   
安藤: ゲーム中のボイスは海外で録音したんですか?
   
吉田: はい。日本語で作ったリストをアメリカ支社に送って、現地で翻訳して収録しました。最初は安くあげようと、現地の学生とかを雇って録ったみたいで、後でデータが送られてきたらクオリティがあまりにも低かったから「ヤダ!」って突き返しちゃいました(笑)。で、再度現地でちゃんとした声優さんのユニオンにコンタクトを取ってもらって、スタッフを手配してもらうようになってからはカッコいいボイスがくるようになりましたね。
   
鴫原: ところで、吉田さんがCDのライナーとかで文章を書くときの「ドロロン星人」の名前にはどんな意味があるんですか?
   
吉田: 特に名前自体に意味はなくて、ミスタケこと木内君の命名でなんとなく決まりました。ストーリーやセリフを考えたのも木内君で、アルバム「ラッパデリック」冒頭の芝居部分でドロロン星人初登場してますね。
   
大野: 最初はMAROという名前だったのを、後からドロロン星人に固定したんだっけ?
   
吉田: 別に固定したわけじゃないんですが、ライナーを作るときだけなぜかその名前になるときもあるんですよ、基本はMAROなんですが(笑)。
   
安藤: あの「ゲーマデリックのテーマ」のレコーディングのときは、もうみんな大ウケでしたね。吉田さんの「ワーッハッハッハ、ワナにかかったな!」とか爆笑!ドロロン星人てそんな声なんだ!って(笑)。
   
吉田: ちょっとひずんでるところがまた味でね(笑)。
   
安藤: みんな吉田さんがやってるときは、コントロールルームにいたみんなで「ギャハハハ……」って腹を抱えながら笑い転げてましたよ。
   
吉田: それから「マジカルドロップ2」のアルバムで声優さんといっしょに収録したときは、自らパロッちゃうネタをやりましたね。「ゲーマデリ~ック!」じゃなくて「マジカルドロップゥ~!」って言ったりして(笑)。
   
安藤: あと「ラッパデリック」のときも、英語と日本語を交えながら「スーパーコップ」で「青酸バリウム、セイブ・ザ・ワールド……」って、あの歌詞も面白かったですね。
   
吉田: あれも木内君のノリ一発のテキトー英語で歌ったのを、無理矢理日本語に置き換えて作ったんですよ。あとパソコンにしゃべらせたりとかね。
   
大野: ホントに「ゲーマデリック」は、新しい革命的なことをいろいろやってたよね。
   
吉田: 楽しかったですよ~。それと「ラッパデリック」の最終トラックには、みんなで笑い声も収録しましたよね。「みなさんいかがでしたでしょうか、それでは、ごっきげんよう~ワハハハ、ワハハ!」ってトコなんですけど。録音ブースに思わず笑ってしまうようなものをコッソリ持ってって、それをみんなにパッと見せながら笑い声を録りました。安藤さんもアニメにイタズラ書きして見せてましたよね。ホント腹が痛くなる程、笑いました(笑)。あと「マジカルドロップ」の「ゲーマデリックアレンジ」では、曲頭で昔の蓄音機のような感じを出したくて、アコースティック楽器で録音してTDのときにレコード針の音を入れて、ピッチも揺らしてレコード盤がユラユラ回る感じにしました。その後に「ドカ~ン!」とゲーマデリックの演奏がいきなり始まって、「アワワッ、音がデカイ!」っていうワナをしかけました(笑)。確かFM番組の収録時にも、そこのタイミングでエンジニアが「アワワワ……」ってボリューム下げるの見て、心の中で「フッフッフッ、ワナにかかったな!」ってメンバーと目を合せてニヤリと笑ってました。いや、ホントにゴメンナサイ(笑)。
   
  (一同爆笑)
   
鴫原: 「ゲーマデリック」向けに曲を作ったりアレンジしたりする場合は、何かこだわりみたいなのはありますか?
   
吉田: メンバーの持ってるギリギリの演奏技術のところを狙ったりして、メンバーをヒーヒー言わせちゃったりしますね(笑)。Atomic花田のチョッパーソロや、ングジャ三浦の2バス連打、TOMとのギター高速ハモリとか、もう楽をさせないぞ、みたいな。もちろん自分にも厳しく、たとえば「スカルファング」の曲をやったときは、自分の首を締めるがごとくギター弾き倒しのアレンジをやりました。レコーディングの翌日に、足が痺れて大学病院に行ったぐらいですから(笑)。もう魂を削るんです! 指先に魂を込めるんです!!深爪上等!!(笑)
   

 
●ゲーマデリックがゲームミュージックフェスティバルにやって来た!
   
鴫原: 「ゲーマデリック」としての初ライブは、1991年の「ゲームミュージックフェスティバル」でしたよね?
GAME MUSIC FESTIVAL
~SUPER LIVE '92

1992年発売。「ゲーマデリック」からは「カルノフのテーマ」「デスブレイド」「空牙」の3曲が収録されている。
   
吉田: 実はねえ、その前年のフェスティバルで木内(MR☆K)さん(※)1人だけコッソリ参加してたんだよね。その年参加していたタイトーの「ZUNTATA」が、オープニングで寸劇みたいなのをやりたいというリクエストがあったので、自分たちのほうから木内さんに頼んで協力をしてもらったんだよね。まさか、ここにデコ関係者が絡んでいたことは誰も知らなかっでしょ?
※実は木内氏は元電撃ネットワークのメンバーで、自分で劇団を主宰していた経験も持っている。
   
鴫原: 初めて知りました! 本家「ゲーマデリック」よりひと足先にお一人だけ参加されてたんですね。
   
吉田: まさに刺客ですねえ(笑)。
   
鴫原: で、翌年の中野サンプラザでの初ライブは、もちろん大野さんがお声をかけたわけですね?
   
大野: そうそう。やっぱり、フェスティバルを盛り上げるためには(参加バンド数を増やして)ボリュームを上げたかったんだよね。
   
安藤: 1991年のときは「ゲーマデリック」がトップバッターで出てますね。私も当日客席で見ていましたが、「『サンダーゾーン』は新作で~す!」って言いながらやってたのを覚えています。あとは「空牙」とか、「クールドバスター」の曲とかをやってましたよね。
   
   
吉田: ほかにも、木内君が「カルノフが街にやって来たぁ~」ってラップも初披露してましたね。それに「スタジアムヒーロー」でスライドギターとか、あと「Atomic花田のベースソロ」とかを曲数稼ぎでやったり(笑)。当時はまだレパートリーが少なくて、何だか申し訳なかったように思いますね。でも、いっぱいいっぱいでした(笑)。
   
鴫原: ライブ中のお客さんの反応はいかがでしたか?
   
吉田: 声援もたくさん貰えて、嬉しかったですね。ゲーマデリックもさあこれから!という時期なので緊張感もありお客さんの反応をジックリ見る余裕は無かったですけど、僕らも楽しんで演奏出来たと思います。
   
大野: 当日はバックステージで見てたけど、スゴく出来がよかったですよ。
   
鴫原: では、大野さんとしてもお声がけをしておいてよかったなと?
   
大野: もちろん!
   
安藤: 自分はこのとき初めて「ゲームミュージックフェスティバル」を見に行ったのですが、その年の冬にサイトロンに入ったんですよ。「あ、あの人がMAROさんか!」って思いながら見てました。でも、後にまさかいっしょに仕事をすることになるとは思いませんでした(笑)。
   
鴫原: ライブに向けて、事前練習も相当なさったのでしょうか?
   
大野: 確か、この頃は荻窪のスタジオでスゴい時間をとって練習していた印象があるんだけど?
   
吉田: ええ。昼間は社外の練習スタジオで、夜は社内のスタジオでずっと練習しました。「サンダーゾーン」とかは曲の尺自体もスゴい長かったですし、一生懸命練習やってましたよ。ま、長尺なのは自分のアレンジのせいなんですけどね(笑)
   
大野: そういえば、「ゲームミュージックフェスティバル」のときにデータイーストの社長といっしょに記念撮影をしたこともあったね(と、当日吉田氏が当日持参した写真を見る)。
   
吉田: ええ。あのときに初めて社長もゲーマデリックのライブを見た訳で、ライブ終了後に楽屋に尋ねて来られて、「キミたちがやりたかったことがやっと私にもわかったよ!」って言われました(笑)。
   
鴫原: 初ライブ時は、「もし失敗したらどうしよう?」とか不安はなかったですか?
   
吉田: 緊張感もありましたけど、もうワクワク感でいっぱいでしたね。ステージ上で「みんなで楽しもうぜ!」って声をかけ合ってました。
   
鴫原: プラス思考ですね!
   
吉田: と言いつつも、実際は本番直前までミュートスイッチを足で踏んづけてるのを全然気が付かなくて、本番の十数秒前になって試しにちょっとだけ弾いてみたら、「アレッ、音が出ネェー!!」ってマジで焦ってテンパってたんですけどね(笑)。
   
  (一同爆笑)
   
安藤: ウワッ! じゃあ本番はどうなっちゃたんですか?
   
吉田: 土壇場で気付いたので大丈夫でした。でもマジ焦った(笑)。
   
大野: 確かこのとき、ライブの直前に三浦さんがケガしちゃったんじゃなかった?
   
吉田: 右足をケガしちゃって、「ウワッ、どうしたんだ~!」って、もうビックリでした。
   
大野: ドラム演奏で一番の要になる部分だし、いったいどうするんだと思ってたら、最終的には根性でやり遂げちゃいましたよね。
   
吉田: 普通に立って歩いてましたよね、「痛いのをガマンすればいいだけの話だ」って(笑)。それと「サンダーゾーン」のレコーディングのときは、Atomic花田さんが左手をケガしてて左の薬指が動かなかったときもありましたね。「ウワッ、ヤベー、どうすんだ!」って。
   
大野: 満身創痍の「ゲーマデリック」だ(笑)。
   
鴫原: これじゃあデリシャスじゃなくてデンジャラスですよ(笑)!
   
吉田: うまいっ!鴫原さん、200ポイント獲得!(笑)
   
安藤: 「サンダーゾーン」のCD収録のときは、RAIKAさんももう参加されてましたよね?
   
吉田: ええ、「サンダーゾーン」の元曲はRAIKA作曲です。ゲーマデリックアレンジは自分がやったのですが、長尺アレンジに加え、ギターTOM君との「超高速ハモリで限界に挑戦!」みたいなことをやってましたね。なので「空牙」のレコーディング以上に時間かかってしまった気がしますが(笑)
   
大野: RAIKAさんはライブのときもとにかく勢いがあって、キーボード弾きながら飛び跳ねるステージアクションもスゴくうまかったよね。
   
吉田: ええ、うまかったです。軽やかな動きでね。プログレが大好きで、いい曲をいっぱい書いてましたね。当時RAIKAとはマニアックなプログレ話もよくしましたね~(笑)
   

 
●MAROさん 機材紹介コーナー3
   
   
吉田: アンプ&エフェクター関連は、POLYTONE MiniBrute、ROCKTRON PRO GAP & PRO BASS、Tube Works MosValve500、CAD CGM2 CHAMP、ALESIS QUADRAVERB+、DIGITECH IPS33B、PALMER PDI-05等々。ゲーマデリックのライブ やレコーディングで大活躍しました。当時はキャビネットはメサブギー4発入り を使用してました。
   
  
 

次回も引き続き「ゲーマデリック」時代のエピソードに加え、現在のパオンでのお仕事の様子などもタップリとお伝えします!



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★次回 吉田博昭インタビュー 4/4 は、2009.07.29公開です
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