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株式会社アイエヌエイチ
株式会社ウェーブマスター
2009.08.26
 
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●うるまでるび作品から『おしりかじり虫』誕生まで
   
大野: 番組のクレジットを見て知ったんだけど、『天才てれびくん』は、いつぐらいの仕事?
   
松前: 『天才てれびくん』は…いつでしたかね…。2000年ぐらいかな。種とも子さんからお話をいただいて。種ともこさんのことは大ファンだったので、一緒に仕事ができてほんとに光栄でしたよ。『ドキドキのち晴れ』というエンディングテーマをアレンジしたんですが、種さんの作詞作曲で、それをものすごいテクノアレンジでシンセ(MS-20)入れまくって。かなり気合い入れましたよ。
   
大野: このつながりでのちのNHKの仕事が続いたりとか…?
   
松前: これは単発でしたね。種さんから個人的にお話いただいて。
   
大野: てっきり『おしりかじり虫』はこのときのコネクションかと思ってた。
   
松前: うちの事務所がたまたまNHKの裏に引っ越したんですけど、それで縁あって、事務所全体でNHKの仕事はいろいろさせていただくようになりました。「えいごリアン」、「いないいないばぁっ!」、「お母さんといっしょ」、その流れで僕もいろいろやらせていただいたりしてるんですけど。今は『すくすく子育て』『まいにちスクスク』という番組のテーマ音楽はMS-20使いまくってやってますよ(笑)。
   
安部: どちらかというとゲーム系の流れですか?
   
松前: ゲームというわけでもないんだけど、そうだと言えばそうですね。『おしりかじり虫』は、うるまでるびさんたちと知り合いで、最初にプレステの『びっくりマウス』というソフトを作ったんです。プレステでマウスを使って絵をかくソフト。岩井俊雄さんがシステムとか作って、うるまでるびが絵をやって、音楽は僕と山口のEXPO組。音楽とプログラムが絡む部分もあって、そこは岩井さんと一緒に作っていったりして。
おしりかじり虫 / おしりかじり虫
うるまでるびとの作品には数多く音楽を提供している松前氏だが、その中でうまれた「おしりかじり虫」は、2007年、NHKのみんなのうたに採用され、ヒット。なんと紅白歌合戦にも出場した(着ぐるみが)。「ピッチシフターでエフェクトすれば、この声は簡単に作れるが、1オクターブ上げたものではなく細かい調整をしてある。EXPO的なリズムのズレ、音程のズレなども意図的に入れてある」(松前氏)
   
安部: 岩井さん! テノリオンですね。
   
松前: そうそう。テノリオンの開発者。ほんとに岩井さんはいろんな音とアート、ツールを総合的に考えたり作っている方で、おもしろかった。で、おしりかじり虫は実は『びっくりマウス』の時点ですでに出てるんですよ。
   
安部: あ、『びっくりマウス』に出てるんですか?
   
松前: そう。出てるんです。キャラとしては。
   
安部: ずいぶん前に作ったキャラだったんですね!
   
松前: そう。うるまでるびさんたちとは、そのあとも、いろいろ彼らの作品を作るときに音楽を作っていたんです。仕事で何かということではなく純粋に作品を作るという作業です。その中で、『えんがちょ』っていうゲームを作ったり。「カプセル侍」という作品は最初日本語で僕が歌って作っていたんですが、NHK教育の「えいごリアン3」という小学生向けの英語番組で小さいコーナーとして英語版を入れるということになって、僕がひどい英語の発音でデモを作ったんだけど、その感じがよいというので、なんと僕が歌うことになっちゃたんですよ(笑)。英語でですよ。もう中学時代からひどい発音でよく先生に注意されたのに、NHKの教育番組で発音の先生になっていいものか? って思いましたけど、毎回、ネイティブの先生に発音チェックしてもらって、かといって、ちょっとネイティブじゃない感じがイイわけだけど、そういう感じで1年間、歌い続けました。作曲、編曲して家で全部作って、歌も自宅でマイク持って歌ってました。
   
大野: いろいろ長くやった中で『おしりかじり虫』もできてきたんだね?
   
松前: そうですね。それまでは大きなヒットはなかったけど、だからといって特に『おしりかじり虫』が違うものか? っていうとまったくそんなことはなくて、おもしろく、バカバカしく、トボけた絵と音楽という点では、ずっと一貫して何年も同じ感じで一緒にやっていました。うるまでるびさんたちがNHKの『みんなのうた』にプレゼンして、オッケーがでるまで1年ぐらいかかってます。
   
大野: 声も松前くんなの?
   
松前: ハーモナイザーってのをかければ誰でもああいう声になるので、実は誰が歌ってもほとんど同じなんですけど、音程とか歌い方とかデモの段階と変わるとイヤなので、結局、うるまさんと僕の2人でわけて歌いました。音程のある後半が僕の声ですね。
   
安藤: 英語バージョンがあるとか…。
   
松前: そうそう今年出しました。『みんなのうた』の歌を英語バージョンにして、出したものなんですが、発売はなぜかavexです。
   
大野: これも歌ってるの?
   
松前: はい。これも、うるまさんと半分づつ。僕は「avexから歌手としてCD出してる」、「ダンス・ミュージック」(笑)「ラップっぽい感じ~?」、しかも英語で歌ってる(笑)って、「どんだけソウル系かブラック系か?」って思ったら、オチは『おしりかじり虫』
   
  (一同笑)
   
安藤: 今調べたんですけど、『おしりかじり虫』はゲームにもなってますけど、これも絡んでるんですか?
   
松前: 曲やデータの制作はおまかせして、チェックだけしました。
   
大野: どこから出てるの?
   
松前: カワイとセガだったんだけど…
   
安部: 監修がカワイで発売がセガですね。
   
松前: いわゆるリズムにあわせて叩く音ゲー系の感じですね。子供向けの。
   
大野: リトミックだね。『おしりかじり虫』はプロジェクト的に継続はしてるの?
   
松前: おしりかじり虫自体というより、うるまでるびさんたちとは、以前と変わらず、そのあともやっていますよ。スミ子っていうキャラクターを出しました。山口優と、僕が1曲ずつ書いてDVDを作って、COMME CA DU MODEだけで限定販売しています。スミ子のグッズも売っていますよ。僕が作ったのは『あなたの態度が気に入らない』という曲で、You Tubeでも見られますよ。あと8月1日から、新宿バルト9やその系列の映画館で、映画の最初に流れるマナー映像として、替え歌バージョンが流れています(9月末まで)。
スミ子
うるまでるびとの最新コラボがこの「スミ子」。『スミ子Forever』はEXPOの山口優作曲、『あなたの態度が気に入らない』は松前氏作曲。この二曲を収録したDVDがComme ca du Mode店頭でのみ販売されている。なお、『あなたの態度が気に入らない』は9月末まで、映画館のマナー映像(「携帯切ってね!」などの告知)として、 新宿バルト9、T・ジョイ大泉、XYZシネマズ蘇我、T・ジョイ新潟万代、 T・ジョイ長岡、梅田ブルク7、T・ジョイ東広島、広島バルト11、T・ジョイ出雲、T・ジョイリバーウォーク北九州、T・ジョイ久留米、 T・ジョイパークプレイス大分で幕間に上映中。
   
安藤: 『あなたの態度が気に入らない』って、作詞も松前さんですか?
   
松前: そう、作詞って言っても、その言葉だけね(笑)。言葉とメロディーが同時に浮かんだんです。『あなたの~、たいどが~~、き~~にい~~らない!』って。それ以外の『語り』の部分は、うるまでるびさんたちと一緒に考えました。
   
大野: 演歌だ。何番でも作れるね(笑)
   
松前: そう。何番でも作れます(笑)。この語り部分は実はもっといっぱいすでにあるんですが。とりあえずそこから選んで収録しました。こんな感じで、うるまでるびとの絵と音楽の作品はいろいろやってます。
   

 
●松前公高ソロ活動
   
大野: じゃあちょっと時代を戻りつつ、ソロ活動について聞きます。94年、S.S.T.BANDの解散の翌年に『SPACE RANCH』をリリース?
   
松前: そうですね、TRANSONIC RECORDSからソロ・アルバムとしてリリースします。
   
大野: スペース・ポンチっていうのは、コンスタンス・タワーズの改名バンドで、『SPACE RANCH』はソロ・アルバムの名前ね?
   
松前: そうなんですよ。スペース・ポンチでCDを出そうって言ってたんだけど、当時結局出せなくなって。そのCDってのは、80年代に小尾さんに聴かせていた映画音楽のカバーや10年ぐらいずっと活動していた曲などなんですが、アルファ…G.M.O.時代にはほとんどできていました。その曲を90年ぐらいにライブで演っていて、絶対出そうって動いてたんだけど、そのときもダメで。
Space Ranch / 松前公高
松前氏初のソロアルバム。94年、TRANSONIC RECORDSから発売された。それまでS.S.T.BANDで、明るめの音楽をやっていたこともあって、ダークな側面を出したいと考え制作された作品。テクノだがダンスミュージックではなく、クラウス・シュルツなどに通じる内向的なサウンド。
   
安部: 不遇なアルバムですね。
   
松前: 99年にやっと出せたんですが、94年の段階では出ない、ってことだったので、ソロ・アルバムもちょうど作ってたから、スペース・ポンチのアルバムが出せなかった思いも込めて、自分のアルバムのタイトルをポンチじゃなくてランチにしよう! と。
   
安部: TRANSONICというと現ExT RECORDINGS、永田一直さんのレーベルですけど、永田さんとはお知り合いだったんですか?
   
松前: テクノポップ10周年イベントというのが88年ごろに六本木インクスティックで開催されて。永田くんはオーガニゼーションっていうバンドで出て、EXPOも出たんです。そのイベントで知り合って、周りの連中とみんな仲良くなって。それからの付き合いですね。
   
安部: 長いお付き合いですね。
   
松前: そう。もうすごく長いですよ。で、彼がテクノレーベルをやるようになったんで。僕のも出してもらったんです。
   
安部: ライブも演られてた?
   
松前: はい。このころはハードウェアのシンセを全部持って行ってライブハウスですべて再現して演奏していました。だから機材があまりに多くて、大変で、ちょっとライブ無精になってたんですが。最近はシステムが小さくなったんでしょっちゅうライブしてますけど。
   
安部: そのあとは?
   
松前: 『KILEAK, THE BLOOD』のサントラという形ではあるんですが、かなり個人のソロアルバム色のある作品として、ソニーから1枚出します。それから、前にお話した昔のデモのカセットテープのストックをちゃんとデジタルのデータにしておこうと思って、『あなたはキツネ』シリーズを制作します。これは、中学生~高校生、大学生、20代前半、20代後半~30代ぐらいのデモ的な作品を時代順に4枚、3ヶ月に1枚というペースで作業して、シリーズにして完全に自主制作で作りました。
   
安部: 何枚ぐらいプレスしたんですか?
   
松前: 1000枚づつです。ほとんどなくなりました。自主制作では、鈴木志保さんというまんが家の展覧会のために、かわいい音楽を大量につくって、CDに99トラック入れたものを制作しました。これはそのあとの音楽性を決定づける上ではかなり重要な作品で、ここで自分の音楽的な路線を1つ見いだした感じです。その後となると、ライブ活動はしているんですが、ソロアルバムはしばらく作っていません。でもせっかくこういうインタビューがあったから、今年中には出す!ってここで宣言しちゃおうかな?(笑)
   
安部: おお!
   
松前: 有言実行で。なかなか言わないと、やれないんですよ(笑)。
   
安部: 作曲、編曲、アーティストサポート、ゲーム音楽、NHKなどなど、多岐にわたるお仕事を経験されてきたわけですが、これに含まれないお仕事があれば教えて下さい。
   
松前: 文章を書くのがありますね。リットー・ミュージックからシンセサイザーに関する本をいろいろ書いたりしています。ちょうど、昨年『シンセサイザー入門』という本を出しました。これは、アナログシンセの構造をわかりやすく解説した本で、偶然なんですがMS-20マニアだったので、MS-20を表紙に使ったら、ちょうどDS-10が発売されたタイミングと重なって、そういう人のガイドになったかな?と。自分もそういう本でいろいろ覚えて、シンセに傾倒していって、今があるから、そんな役割を自分が担えたらとても幸せだと思います。あと、以前『The Great Heritage~ローランドビンテージ製品マニュアル21~』というローランドの数々の名機の取扱説明書をまとめた辞書のような分厚い本を監修したこともあります。これはそれぞれのシンセを解説して、ほんとに百科事典サイズの豪華な本でした。10000円以上する。
シンセサイザー入門
著・松前公高

「自分がまだ若いとき、多くのシンセサイザーのガイド本を参考にシンセサイザーに傾倒していった」(松前氏)経験から、「この時代にアナログシンセの本当にわかりやすいガイドブックを作りたい」ということで制作されたのがこの本。コンピューター系の製品のガイドブックはバージョンが変わってしまうとすぐに使い物にならなくなってしまう。しかし「アナログシンセの構造は60年代からひとつも変わっていない」=「基本構造はどのアナログシンセでも同じである」をコンセプトに、汎用性の高い本に仕上げたとのこと。アナログシンセの基本的な構造を解説した本であり、初心者に向けてわかりやすい内容となっている。
   
安部: 限定本ですか?
   
松前: そうです。1000部限定でシリアルナンバー入りでした。あとは、そういったシンセサイザーへの愛情、知識から、楽器メーカーのデモや解説をやったり、FM音源の知識から携帯電話のサウンド部分の開発もいろいろと。非常勤講師や特別講師としていくつかの専門学校で講義もしています。つい最近、コンテストの審査員ってのもあったし(笑)。あとはCMの音楽とかね。
   
安部: CMはどういったものを?
   
松前: いま、ちょうどヤマキの『まろやか減塩だしつゆ』っていうのをやってて、のこいのこさんと一緒に僕も歌ってますよ(笑)。ヤマキのホームページに行くと、聴けますよ。
   
安藤: この曲ですか? (たまご篇、プチトマト篇、じゃがいも篇を再生)
   
一同: おー。
   
松前: 最近はこういう覚えやすいメロ系をバカっぽく楽しく。シンセの変な音も入れてます(笑)。路線としては『カプセル侍』と変わってない(笑)。
   
大野: 幅広いね。今やってる仕事のバランス…。ゲームがあって、マルチメディア系があって、CMとかもあって。本や先生、何が一番自分にとってスムーズっていうか、やりやすいとかってあるのかな?
   
松前: 音に関することなら、何でも楽しくやってます。逆にいろいろやってることで飽きないでバランスよくできているんだと思います。
   
安部: ライブ活動についてお聞きします。明日はライブですが、やっぱりMS-20でライブされるんですか?(※収録日は松前さんが出演する『KORG DS-10 お誕生会』の前日でした)
   
松前: そうですね。すごいシンプルなセットで。DS-10のイベントには大阪でも出させてもらって。僕がいつも愛用しているMS-20というシンセの弟分にあたるのがMS-10、それをシミュレートしたDSのソフトがDS-10なんです。なので僕はそのMS-20を使ってライブをします。明日はそれに加えてSQ-10、MS-50なども使って、いろいろと音を出そうと思っています。
   
安部: この記事が掲載されるときはすでにそのライブは終わっているので、それ以降のライブの予定を教えて下さい。
   
松前: 大阪では9月10日(木)と10月14日(水)に心斎橋のSOCIOあめりか村で、9月17日(木)に心斎橋AtlantiQsで松前公高ソロでライブがあります。東京では新宿ロフトで『DRIVE To 2010』という30日ものロングイベントがあって、その中で11月7日(土)に出演します。関西、関東の方はぜひ、一度、今のライブも見てほしいですね。
   
大野: では最後に恒例のGA-COREに望むことを。
   
松前: ゲーム・ミュージックはずいぶん離れてしまったのですが、EXTRAみたいなゲーム音楽のライブイベントの流れは続くといいですね。規模が小さくてもいいから。そして僕も呼んでもらいたいなあ~(笑)。
   
大野: GA-CORE仕切りで、S.S.T.BAND復活ライブなんて出来たら? みんな集まってくれるのかな…。
   
松前: メンバーはみんなすごくやりがたってるんですよ。あまり規模を大きくしすぎるから以前、実現しなかっただけで、きっと可能だと思いますよ。
   
安部: 僕なんかはゲーム・ミュージック・フェスティバルをひと目見てみたいですけどね。
   
大野: 箱(ホール、ライブハウス)を考えればいいよね。S.S.T.BANDの復活って93年から1回もしてないし。
   
松前: してないですね。ぜひお願いしますよ。
   
大野: わかりました、前向きにGA-COREで企画するS.S.T.BANDライブを検討します! ありがとうございました。
   

   
●松前公高さんの自主制作のソロ作品集を特別販売
   
  松前公高さんの自主制作のソロ作品集 「あなたはキツネ」vol.1からvol.4までの4作品を特別価格、各2,000円で販売いたします。 詳細は、9月3日(予定)にメルマガとサイトトップページにてお知らせいたします。
どうぞお楽しみに! ⇒メルマガ登録はコチラ!
   

   
●松前公高ライブスケジュール!
   
  2009年9月10日(木)大阪 心斎橋 SOCIO あめりか村
2009年9月17日(木)大阪 心斎橋 AtlantiQs
2009年10月14日(水)大阪 心斎橋 SOCIO あめりか村
2009年11月7日(土)東京 新宿 ロフト 「Drive To 2010」<テクノフロンティア>
   


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★次回はインタビューをお休みして、 特別企画「これを聴け!GMCD20選 その1」をお送りします! 2009.09.09公開です
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