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株式会社アイエヌエイチ
株式会社ウェーブマスター
2009.10.28
 
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●「テクニクティクス」の曲は、実は「なんちゃってテクノ」だった!?
   
鴫原: PS2用ソフトの「テクニクティクス」でも作曲をなさってますよね?
   
渡部: はい、全部で5曲作りました。実を言いますと、私は以前からずっとテクノが苦手なんですよ。でも仕事で作る機会が増えてから、やっと最近になってようやく興味を持つようになりました。
   
安藤: 小倉さんは大のテクノ好きなんですけどね。
   
渡部: そうそう、それで小倉さんとはいつも口論になってたんですよ。テクノがいいのはもうわかったから、こっちにまで押し付けるのはヤメテくれ~みたいな(笑)。それから、こうしてゲームミュージックを作る仕事をずっとやっているせいで、一般のファンの方からも「テクノがお好きなんでしょう?」って思われちゃうんですよね。
   
大野: 渡部さんがほかの人とまったく違うところは、自身の音楽に対するルーツをまったく持っていないことなんだろうね。普通はみんな若い頃に影響を受けた作品だとか、何かしらルーツになっている音楽が必ず存在していて、どうやってもそこから絶対に離れられないものなんだけどね。
   
渡部: 確かに、そういうのを全然持ってないかもしれないです。音創りや作曲に関してはこ の業界に入ってから創めましたし、誰に教わるという事もなくずっと独学でやってきたせいか 「師匠」が存在しないので、割と自由奔放にやってます。
   
安藤: ご自身が曲を作るようになってからも、特定のお気に入りのジャンルを持ったりしたことはないんですか?
   
渡部: 全然ないです。と、いうよりは、関心を持つものがその都度コロコロ変わっちゃうんですよ。そんな状態ですので、もしかしたらずっと後になったらYMOは最高だ、なんて言っているかもしれません。ただ、何かをルーツとして持っている人間には所詮かなわないな、説得力がぜんぜん違うなって思うことはあります。いざ実際に曲を作ると、それぞれの持っているものが自然と作品の中に全部出てきちゃいますから。なので自分の場合、「テクニクティクス」で作った曲は、言ってみれば全部「なんちゃってテクノ」なんですよ。
   
大野: 特定のルーツを持たないっていうことは、つまり言い換えればしがらみのようなものが何もないっていうこと。だから、ユーザーが共感できるツボを押し付けたりすることなく、突けているんじゃないかな?
   
渡部: そう、そうなんですよ! ウワ~さすが大野さん、いいこと言ってくださいます! そんなふうに言っていただけるとホント嬉しいです。
   
  (一同爆笑)
   
大野: もしそうじゃなきゃ、タダの「なんちゃって」で単なるニセモノということになっちゃうから、これだけ多くのファンに支持されているのは、ホンモノだという証拠だと思うな。
   
渡部: そういう意味では、いろんなところでご評価はいただけてますね。何事も一生懸命に真剣勝負、みたいなかんじで。
   
鴫原: 話は変わりますが、渡部さんは「ファミコン 20TH アニバーサリー アレンジ・サウンド・トラックス」に収録されたアレンジ曲もご担当なさっていますよね。
ファミコン 20TH アニバーサリー アレンジ・サウンド・トラックス
2004年発売。アレンジバージョンの作曲には、渡部氏以外にも細江、松前(公高)、並木(学)氏などの錚々たるメンバーが参加している。
   
渡部: はい。「謎の村雨城」の曲を私がアレンジしました。相原君と話をして、彼が「新・鬼ヶ島」をやるから、じゃあ自分はこっちをやりますと言って決めたような気がします。
   
鴫原: 元のゲームをご自身がお好きだったというのも、曲を決めた理由のひとつでしょうか?
   
渡部: もちろんです。私の場合、元の作品を知らない曲のアレンジは絶対やらないことにしていますからね。ほかの方が作った曲のアレンジをする場合、原曲を作ったご本人と直接お話できないと個人的にはすごく嫌なんですよ。さっき「メタルブラック」のところでも少しお話しましたが、自分の立場に置き換えて言いますと、もし私自身が作った曲を、その曲の何たるかを全然知らない人に手を加えられてしまうと、なんだか自分の子どもを勝手にいじられるみたいな気がするからなんですよね。ただ、アレンジをする前にひと言「やらせていただきます」みたいなやりとりさえあれば、それだけでもう全然違うんですけど。
   
鴫原: あと、「ストリートファイター トリビュートアルバム」にも参加されていますよね。
   
渡部: ええ、バルログステージの曲をアレンジしたのですが、これも正直かなり悩みましたね。本当は原曲を作った下村(陽子)さんにすごくお会いしたかったのですが、残念ながら実現しませんでした。もし事前にお会いしていたら、「ゴメン、悪いけどこの曲はちょっとしっくりこないからかなり作り換えちゃうけど、それでもいい?」って言うつもりでした(笑)。自分が「カイザーナックル」のBGMをああやって作っていたから、もうなおさらですよね。
   
大野: その下村さんなんだけど、以前インタビューをさせてもらった時に、「ストII」の曲を作っていた時代は、渡部さんがまさに「サイバリオン」で悩んでいたことと同じような境遇だったことを話していたんだよね。
   
安藤: 上司からいろいろ否定的なことも言われたそうですよ。
   
渡部: ウワッ、それは私もスゴイよくわかります! (※「サイバリオン」制作中の詳しいお話は、「前編」のインタビューに載っています)やばい、尚更逢ってみたい(笑)。
   
大野: ところで、ZUNTATAのファンサイトとかで渡部さん関連の書き込みを見ていると、必ず出てくるキーワードが「不思議と」、っていう単語なんだよね。なぜかハマッてしまうみたいなことなのかな?
   
渡部: みんなからは、自分の作った曲は「スルメ曲」だなんてよく言われるんです。多分、楽曲中に その作品の世界観とかキャラクターに関するストーリーを感じさせる要素を意識的に入れているせいでしょうか…。1回聴いただけじゃ全貌が把握出来ないケースが多いんです。でも 同業の子からも 「その発想はやっくさんじゃないと出ない」とかご支持を頂いたりして、それはそれでうれしかったり もします。 ちなみに「メタルブラック」あたりまでは地に足がベタ~っとついているのに、それ以降は作品の度に 芸風をガラッと変えてきて、何だか漂っているような状態もあり、キャッチーな物もあり、と、本来自分がやりたい物と、クライアントが求めてる物との落差が作品によって広がってきたんです。ああ、で もこういうのが自分の生きる道なのかなって。 ですからそういう経緯もあって、最近では2種類の名前を使い分けようとしてます。肩の力を抜いて作れるものについてはYack.で、そうじゃないのは本名で出すみた いなかんじですね。
   
鴫原: 最近ですと、タイトーがWiiウェアで配信した「バブルボブルWii」のBGMも制作されているようですね。
   
渡部: ええ、懐かしい曲のアレンジとかが中心でした。普段はゲームの曲に関しては全部私の方がコーディネイトするのですが、これに関しては石川君のディレクションに従うといった感じだったんですけど、やってて楽しかったですよ。仕事自体もサクサク進みましたし。
   
鴫原: ちょうどZUNTATAのホームページで試聴できるようになっていたので早速聞いてみたところ、オリジナル曲のよさを残しつつも、一部に現代風のテイストもうまくミックスさせた、何か折衷的な作品になっているなあと率直に感じました。
   
渡部: そうそう、ホントもうそんなかんじで作ってます。昔のゲームミュージックを、もし今作ったらきっとこんなふうになるだろうな、みたいなイメージですね。
   
鴫原: ご自身で新曲もいくつか作られたそうですね。
   
渡部: ええ。曲だけの配信とかはやっていないので、ぜひゲームのほうもダウンロードして遊んでいただきたいですね。
   

 
●将来の展望~「GA-CORE」に望むこと
   
鴫原: 今まで数多くのゲームミュージックを作曲なさってきた渡部さんですが、音楽家として将来的にはどんな仕事がしたいとお考えですか?
   
渡部: もしできればなんですけど、アニメとかミュージカルの音楽制作とか、ご縁があればぜひやってみたいなとは思っています。あるいは、NHKの大河ドラマみたいな番組のテーマ曲なんかでもいいです(笑)。
   
安藤: あるいは松前さんみたいに、「おしりかじり虫」とかTVの主題歌にチャレンジしてみるというのはいかがでしょう?
   
渡部: いやあ、それは自分にはちょっと無理かなあ……。松前さんと自分とでは、持っているツボがち ょっと違うかなあと。ああいう曲が作れるのは、やっぱり松前さんならではですよね。ただ、歌物自体はやっているので、別の路線でのえぐい主題歌という事であれば普通に作りますよ(笑)。 あとゲームミュージックのお話をすると、RPG作品の作曲はこれまでにまだやったことがないのでぜひ一度やってみたいです。
   
鴫原: 長い間ご活躍なさっているのに、RPG作品を全然やっていないとは意外ですね。
   
渡部: RPGのほかにも、アーケードの大型筐体ものもまだやったことがないんですよ。
   
鴫原: まだまだ楽しいお話がつきませんが、そろそろお時間となりますので、最後に毎度恒例の質問をして今回のインタビューをおしまいにしたいと思います。今後、当「GA-CORE」に望むことがありましたら、ぜひコメントをお願いします。
   
渡部: う~ん、何だろう? 何をお願いしたらいいのかなあ……。
   
大野: 「GA-CORE」も12月で1周年になるので何かやらかしたいな~と思ってて、その際は渡部さんにもぜひ何か参加をお願いしたいんだけどどうでしょうか?
   
渡部: あ、それはいいですね、私からもぜひお願いします!
   

 
●後日談(その後渡部さんからメールを頂きました)
   
渡部: 先日はお疲れ様でした。 楽しい時間を過ごさせてもらいました。 そういえば最近、竹ちゃん(竹ノ内氏(前編参照))の計らいでとあるプロジェクトに参加させてもらってます。 GA-COREさんでの今後の展開でご一緒出来るといいですね。http://s1.shard.jp/geondan/
   
  渡部さんから次回インタビューの並木学さんへ
ご無沙汰しております。 次回が並木君という事ですが、インタビュアーの鴫原さんはなかなか手ごわいですよ。 かなりコアにゲームを知ってて私がすっかり忘れてた作品や内容等がひょっこりと出てくるので並木君も覚悟しといた方がいいかもです(笑)。 またガチ呑みやりましょー。
  


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★次回は 並木学さんインタビュー! 2009.11.11公開です
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