家畜伝染病「口蹄疫」の感染拡大が宮崎県外へも懸念されるなか西日本高速道路(大阪市)は、通行車両によるウイルスの運搬を防ごうと、宮崎県内すべての高速道路インターチェンジ(IC)に車の消毒ポイントを設置した。県外へ向かう全車両がプールやマットを通過。同様の“水際対策”は隣接する鹿児島や熊本、大分各県でも広がっている。
同社によると、マット消毒は5月下旬に着手。県境に近いえびの市のICや、畜産が盛んな都城市のICなどから順に設置した。政府現地対策本部の要請を受け6月上旬には消毒プールを5カ所に設置。7月に開通予定の東九州自動車道・高鍋IC(高鍋町)にもプールを設ける方針。
同社は「県内外を問わず感染拡大防止に協力する」と宮崎以外でも対策を進める。鹿児島県11カ所、熊本県9カ所、大分県3カ所にマットや石灰散布による消毒ポイントを置いている。
プール方式は、長さ数メートルにわたる消毒液の水たまりを通過してもらうことで、より高い防疫効果が期待できる。ただ、現在の設置は宮崎県内だけ。国は対策費用を同社に求める方針で、1カ所の設置に約100万円、維持管理に月約500万円とされる高い経費が阻んでいるとみられる。
=2010/06/17付 西日本新聞夕刊=