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株式会社アイエヌエイチ
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2008.12.18
 
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●サイトロン発足~移籍へ
   
罰帝: ここからサイトロン時代の流れについて伺います。大野さんがサイトロンに移籍したのは、やはり小尾一介氏のヘッドハンティングで?
   
大野: サイトロンができてからも、しばらくはアルファにとどまっていたのですが、ポニーキャニオンの元で作品を出すことになって、そのタイミングで呼ばれて移籍しました。
   
罰帝: そのタイミングになったのは何か理由が?
   
大野: 当時、自分は29歳。6年いた会社を辞めて、結婚もして。大きく転機になった年でした。アルファでは音楽が中心だったんだけど、ポニーキャニオンでは映像も扱っていて、音楽と映像の両方できることが魅力でした。
罰帝: もともとサイトロンの設立には関わっていなかったのですね。
   
大野: サイトロンはアルファから独立した小尾さんと、ゲームスタジオの大野木さんが中心となって作られたので、繋がりはありましたし、実はサイトロン初期のアルバム制作のときから手伝ったりしてました。
   
罰帝: 必然的に移籍する流れだったんですね。……では、次に「ゲームミュージックバンド」の話は避けて通れません。
   
大野: これはG.M.O.の後半から、すでに芽生えていたと思います。それぞれゲームメーカーのサウンドセクションが、レコードを出すのなら、自分たちが直接アルバム作りに参加したいという風潮になっていて、それならチーム名(バンド名)をつけたら? という流れになり、アルフライラ・ワ・ライラ、矩形波倶楽部、ZUNTATAが誕生したんです。
   
罰帝: S.S.T.BANDは大野さんが名付けたのですか?
   
大野: これは、小尾さんの命名です。「SEGA SOUND TEAM」と「SUPER SONIC TEAM」のダブルミーニングになるように考えたものでした。
   
罰帝: S.S.T.BANDだけが、サイトロン/ポニーキャニオン主導で進められたプロジェクトだったという点は今でも興味深いところですが。
   
大野: オリジナルのアルバム(「ブラインドスポット」)も作ったからね。あのときは「全曲スポーツタイアップにできるような曲を作ろう!」と言って、みんなに曲を書いてもらった。
   
餓狼伝説SPECIAL
BLIND SPOT / S.S.T.BAND
92年発売。ゲームミュージックバンドながらゲームの楽曲を使用せず、全曲書き下ろしオリジナル曲という異例な作品。F-1のドライバーズテーマとして2曲がシングルカットされた。
罰帝: それでF-1のドライバーズテーマに?
   
大野: そうそう、ポニーキャニオン/フジテレビの流れで、サイトロンからF-1のエギゾーストサウンドを収録したCDやビデオを出していたんだけど……あれは大変な仕事だったなぁ、鈴鹿まで行って録音して……そんな繋がりがあって、コンペにかけた結果2曲が採用されて、リカルド・パトレーゼと、ゲルハルト・ベルガーのドライバーテーマになった。
   
罰帝: しかもちゃんと優勝して流れましたよね。
   
大野: 流れなかった人もいた中で、ラッキーだったね。シングルカットもされたし……ちょうどその時のディレクターだった安藤も弊社にいますよ。
   
罰帝: おおおお! あとでお話伺わせてください!
   
大野: 今呼ぼうか?
   

 
●サイトロンを支えた敏腕ディレクター
   
安藤: 初めまして? え? 何をしゃべればいいんですか?
   
罰帝: 唐突ですが、サイトロン時代に関わられたディスクの代表作をお答え下さい。
   
安藤: え、えーと、「RAP a de LIC」とか?
   
罰帝: いきなり超名盤じゃないですか!
   
大野:  S.S.T.BANDのディレクションや、1500シリーズ全般の制作等、サイトロンではいろいろやってもらったよ。
   
安藤:  そうですね。古くは「名盤シリーズのアウトラン」から、「ヌーベルヴァーグ」以降のZUNTATA作品、サイトロン後期のwebcityのサイトのプロデュースや企画・運営なども私の仕事でした。
   
罰帝: おおお、たいへんお世話になりました!
   
安藤:  いえいえ、ありがとうございます(笑)
   
罰帝: ちょうど今、「1500シリーズ」という」単語が出てきましたが、あの低価格シリーズはリスナー側として本当に嬉しかったシリーズでした。
   
大野:  フルアルバムが出せるまで、ネタのストックが貯まるのを待っていたら時間がかかるし、スピードが必要だった。それに発売する種類を増やすことでリスク回避にもなっていたんです。
   
安藤:  作る方は大変でしたけど。
   
大野:  発売するゲームが少ないメーカーさんでも、1500シリーズならゲーム1作収録して出せたことが大きかった。
   
罰帝: 売上の方はいかがだったのでしょうか?
餓狼伝説SPECIAL
サイトロン1500シリーズ
餓狼伝説SPECIAL

SNKが93年に発売した2D対戦格闘ゲームのサントラCD。1,500円という低価格ながらゲーム中SEを含む全44トラック53分オーバーを収録。8万枚以上のセールスを記録し、オリコンにもチャートインした。
   
安藤:  ものすごく売れるものもあれば、全然売れないものもありましたよ。差が激しかった。一番売れたのは『餓狼伝説スペシャル』で、これは8万枚以上出ました。
   
大野:  これがサイトロンのゲーム物では、最高記録です。
   
罰帝: SEコレクションが充実していたのも、ゲームサウンドファンとしては聴き逃せないところでした。
   
安藤:  それもほとんど私の仕事ですね。ひとつひとつの効果音や音声も絶対に録り逃さないように、注意して収録、編集していたのを覚えています。効果音が増えてくると、それだけ聞いているのもつらいだろうと思い、どうせ効果音はモノラルなんだから片方のチャンネルだけ効果音にして、片方はBGMを流してみたり、いろいろ試行錯誤していました。
   
罰帝: 東亜プランの後期のものなどがそのタイプでしたね。
   
安藤:  確かにそれも私です。ただ、このあたりの時期から、ゲームミュージックのアルバムが「作品」と言うよりも「データベース」に近いものへと変わってきてしまうんです。
   
罰帝: ゲーム1作あたりの曲数も増えてきたため?
   
安藤:  SEもそうですが、「声」が増えてきて、声優さんとのお仕事も多くなりました。その結果サイトロンとしてもラジオドラマの仕事が増えていくんですけど。
   

 
●ソフトウェア開発メーカーとしてのサイトロン
   
罰帝: 話が少し前後しますが、サイトロンではゲームソフトも出していらっしゃいますよね? 『シャドウブレイン』とか好きだったんですけど、あの開発は社内で?
   
安藤:  ええ、サイトロンにはソフト開発部があったんですけど、自社発売のソフト以外にも、開発を担当したソフトもありましたね。『サンリオカーニバル』、『アタックアニマル学園』、『オトッキー』とか。
   
罰帝: うわわわわ、なんか世間的には初公開の衝撃スクープ情報が入ってますよ! てっきりゲームスタジオが開発担当で、サイトロンは発売だけなのかと思っていました。
   
安藤:  ソフトによっては共同で開発していた作品もあると思いますが……、ちょっと具体的には覚えていません。
   
罰帝: ファミコンと、PC向けが中心ですよね。
   
大野:  ええ、プレイステーションの時期までゲームにも関わっていたはずです。
   
安藤:  3DOやMacintosh用のソフト開発なんかもやってましたよ。
   
罰帝: サイトロンは予想以上にスゴい会社だったんですねー。
   
       
……というトコロで、前編はココまで。
後編では大野氏がサイトロンを退社し、ユーブックに移られる経緯、ユーブックの今後などについてお伺いします。
次回をお楽しみに。
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★次回 大野善寛インタビュー 後編 は、2008.12.24公開です
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