哨戒艦沈没:「原因は内部爆発」と駐韓ロシア大使が発言?

民主党議員の主張に大使館激怒

(左から)ブヌコフ大使、崔文洵議員
 民主党の崔文洵(チェ・ムンスン)国会議員は18日、ロシアのブヌコフ駐韓大使と17日に会った際、大使が「『天安』の沈没はクルスク沈没事件とまったく同じだ」と語ったとする報道資料を配布した。クルスクはロシアの原子力潜水艦で、2000年8月にノルウェー北部沖のバレンツ海で沈没し、乗組員118人が死亡した。事故当初は衝突説が指摘されたが、ロシア政府は02年7月、潜水艦内部の魚雷から燃料が漏れ、爆発が起きたとの最終調査結果を発表した。

 崔議員はインターネットメディアのインタビューに対し、「当時の事件(クルスク沈没事件)は外部からの攻撃とされていたが、内部事故だと判明したものだ。大使はそれを指摘しようと、その例を挙げたのかもしれない」と指摘した。一部のインターネットメディアも崔議員の発言を報じる形で、ブヌコフ大使が「ロシアは独自調査で『天安』の事故原因が内部爆発によるものだとの暫定的な結論を出した」と報じた。

 国連安全保障理事会で「天安」沈没事件が議題となる中、駐韓ロシア大使が「内部爆発説」を主張したとすれば、大きな外交的波紋を呼びかねない。

 これについて、在韓ロシア大使館は外交の場でほとんど用いられない「真っ赤なうそ」「憤慨している」という表現を使い、崔議員と一部報道に反論した。ロシア大使館は同日午後、「崔議員とブヌコフ大使が交わした会話を引用し、大使の発言を著しく歪曲(わいきょく)する記事が出た。この事実に憤慨している」とする声明を出した。ロシア大使館は「『天安』沈没事件の原因について、ロシア大使に結び付ける発言は明らかなうそであり、現実にそぐわない。崔議員が直ちに虚偽の情報に公に反論し、ロシア大使に謝罪することを強く求める」とした。ロシア大使館はまた、韓国外交通商部に対し、「大使は『天安』事件がクルクス沈没事件と全く同じだとは発言しておらず、ロシアが事故原因を内部爆発だと結論づけたというのは事実ではない」と説明した。

 崔議員は本紙の電話取材に対し、「ブヌコフ大使が『クルスク沈没事件と同じだ』と発言したのは事実だが、『天安』の事故原因を内部爆発とした言及はなかった。一部メディアが誇張して解釈し、問題が生じたようだ」と釈明した。

 崔議員は一連の報道が出てもいかなる説明も行っていなかったが、ロシア大使館の抗議を受け、同日夕になって説明資料を配布した。

 崔議員は資料の中で、「クルスク沈没事件と同じだという発言は、韓国に派遣されたロシアの調査団が専門的であり、ロシアにも韓国のように潜水艦沈没経験があるという意味だった。ロシア大使は『天安』の沈没原因には全く言及しなかった」と説明した。

鄭佑相(チョン・ウサン)記者

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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