肉食べて応援 県内や首都圏でフェア

(2010年5月30日付)

 本県の牛肉、豚肉を消費することで口蹄疫の被害農家を支援しようと29日、県内や首都圏の小売店などでセールやフェアが開かれた。

 毎月29日は「肉の日」として最大4割引で牛肉、豚肉などを販売している宮崎市高洲町の「肉のながやま宮崎支店」。今月は最大6割引の大盤振る舞いセールを実施し、午前中は店外まで行列が延びるほどの混雑だった。

 家族8人で焼き肉をするという同市大島町の主婦三苫志穂さん(33)は「農家をなんとか支えたい。今日は奮発しました」と笑顔。同店の吉本和史部長(38)は「利益度外視の値段。消費拡大で少しでも畜産業を応援できれば」と語った。

 宮崎牛を提供するレストランを県内外で展開するミヤチク(都城市)は、一部店舗で義援金付き応援メニューを実施している。宮崎市松山1丁目の「大淀河畔みやちく」では、宮崎牛のステーキなどを含むお得な新コースメニューが登場。料金から300円または500円が義援金に送られ、客にも好評という。

 同店の杉田雄一料理長(42)は「おいしい宮崎牛をアピールし、農家復興の役に立ちたい」と話していた。

 一方、東急ストア(東京都)は29日、首都圏中心の85店舗で「がんばれ! 宮崎県フェア」を始めた。県産品の売り上げの一部を県に寄付する予定で、同日はタレントで「みやざき大使」の斉藤慶子さん=小林市出身=が「たまプラーザ店」(横浜市青葉区)で買い物客に募金を呼び掛けた。

 たまプラーザ店に駆け付けた斉藤さんは、フェアの説明会見で「宮崎牛などがブランド化され元気になった矢先に、牛などを処分しなければならない農家の方々の思いは想像できない」と涙を浮かべ、「もう一度宮崎が元気になれるよう力を貸してください」と訴えた。フェアは6月6日まで。

【写真上】「がんばれ! 宮崎県フェア」会場で買い物客に募金を呼び掛け握手する斉藤さん(右)=29日午前、横浜市青葉区・東急ストア「たまプラーザ店」
【写真下】県産牛肉を買い求める来店者=29日午後、宮崎市高洲町の「肉のながやま宮崎支店」