未処分は「法令違反」 種雄牛49頭対応で山田副大臣

(2010年5月28日付)

 政府の口蹄疫現地対策チーム本部長・山田正彦農水副大臣は27日、県家畜改良事業団(高鍋町)が管理する種雄牛49頭を殺処分していない県の対応について「法令違反だ」との認識を示し、あらためて県に殺処分を求めていく考えを示した。

 49頭は同事業団で肥育牛に感染疑いが見つかったため殺処分の対象になったが、東国原知事は宮崎牛ブランドを支える種牛の貴重さを訴え、特例での救済を要望。政府はこれを退け、殺処分方針を発表している。

 山田副大臣は同日、県庁の会見で「殺処分されていないのがおかしい。国の家畜改良センターからいい種牛を提供する用意はできているので、きちんと法に従ってもらわないと困る」と批判した。

 一方、東国原知事は同日の取材に対し、49頭の救済措置について「国へ正式に要望したことはない。畜産業界の思いを代弁したまで」とし、「今はガイドラインにのっとって豚の殺処分、埋却を急いでいる状態。順番がくれば49頭も殺処分することになるだろう」と述べた。