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畜産再開の意向73% 川南周辺農家
(2010年5月28日付)
口蹄疫で牛や豚の殺処分を余儀なくされた川南町などの農家80人を対象に、共同通信が25〜27日に実施した電話アンケートで、問題が沈静化したら畜産業を再開すると回答した人が73%に上る一方、10%が経済的、精神的理由で再開しない意向を示した。全体の半数近くが不眠などの体調不良を訴え、口蹄疫が地域社会に与えた“傷”が浮かび上がった。
アンケート対象は、被害が多発する川南町など1市5町で感染疑いが見つかった農家と、ワクチン接種の対象になった発生地から半径10キロ圏内の農家。いずれも飼育する牛や豚すべてが殺処分対象となっている。
問題の沈静化後に「畜産業を再開しようと思うか」との問いに「はい」と答えたのは58人。「後継者がいる」「牛が好き」「仕事に愛着がある」といった理由のほか「設備投資をしたのでやめられない」「ほかに仕事がない」なども目立った。「規模を縮小する」との回答も複数あった。
「いいえ」と答えたのは8人。「精神的にきつい」「借金を抱えられない。今の状態に来るまで何年もかかり、乗り切る気力がない」「また感染するのではと不安」などを理由に挙げた。
行政に求める支援内容は、複数回答で生活支援(34%)、経営支援(28%)、畜産業再開時の支援(25%)の順。感染原因の究明は13%だった。
口蹄疫発生後、精神的ストレスによるとみられる体調不良の有無を尋ねると、48%が「ある」と回答。具体的な症状は「眠れない」「胃の痛み」「吐き気と頭痛」「食欲がない」など。
体調不良はないとしながらも「無気力になった」「家に閉じこもるようになった」と話す人もおり、心のケアが早急に望まれる結果となった。
感染封じ込めをめぐる国の対応については91%が「問題あり」と答え、「危機感と決断力が不足。『普天間』と同じだ」「赤松(広隆)大臣は農業のために仕事をしているとは思えない」などと厳しい意見が相次いだ。
【グラフ】口蹄疫被害農家アンケート