残渣はエコプラザ検討 ミヤチク都農再開で県

(2010年5月27日付)

 国の口蹄疫対策をめぐり、県は26日までに「ミヤチク」都農工場(都農町)が食肉処理を再開する上で問題となっている内臓や皮などの残渣(ざんさ)を宮崎市の廃棄物処理施設「エコクリーンプラザみやざき」で処理する検討を始めた。県は近く同工場を再開させたい考えだが、時期の見通しは立っていない。

 同工場の再開は、川南町を中心に発生農場から半径10〜20キロ圏内の牛や豚をすべて食肉処理し、感染拡大を防ぐための「緩衝地帯」をつくる政府対策に基づいた特例措置。26日の再開を予定していたが、同工場の残渣は都城市の肥料生産業者で処理しており、同市内の農家が難色を示して見送られた。

 県によると、同日、廃棄物処理施設の地元住民でつくる三つの廃棄物対策協議会の会長に意向を説明。いずれの会長も「感染拡大の可能性は否定できないが、非常事態」として、車両消毒の徹底など条件付きで了承したという。

 県畜産課では「異常のない、清浄性を確認した牛や豚なので、通常の食肉処理と変わりない。感染のリスクは低い」として、残渣が通過することになる自治体にも理解を求め、同工場の早期再開を目指す。

 農林水産省の集計では10〜20キロ圏内で対象となる牛は約1万6500頭、豚は約3万1800頭。1日で牛60頭、豚820頭しか処理できない同工場だけでは日数を要するため、県は早期出荷の補償条件が固まり、農家への説明が終了し次第、稼働中の南日本ハム(日向市)でも処理を行いたい考えだ。