対象農家支援81億円 県が補正予算案発表

(2010年5月26日付)


 拡大する口蹄疫被害を受け県は25日、感染・感染疑いの牛や豚を処分した農家への経営支援策などを盛り込んだ81億円の補正予算案を発表した。28日の臨時県議会に提出する。口蹄疫に伴う補正は3度目で、今回が最大規模。可決されれば総額は計約116億円となる。

 同日あった議会運営委員会で示した。内容は、殺処分した家畜の評価額の5分の1補助(5分の4は家畜伝染病予防法により国が補助)に50億円、県内市場の閉鎖に伴う出荷遅れ対策に15億8千万円、被害農家への指導・支援を行うため来年3月末ごろまで雇用する県や市町村、農協職員OB約30人の人件費1億円など。

 5分の1補助については、24日現在で殺処分対象となった計14万5358頭を上回る19万頭(牛3万頭、豚16万頭)を想定。財源は、県がいったん負担し、その後国の特別交付税(12月)を充てる。

 県財政課によると、県内競り市の閉鎖(4〜6月)で出荷が遅れ、規格外となる見込みの子牛や肥育牛は約1万5340頭。補正では、この間の飼料代として2億8525万円を補てん、規格外子牛の取引価格が口蹄疫発生前(1〜3月)の平均取引価格約39万円を下回った場合に1頭当たり最大3万7千円を農家に助成する。口蹄疫終息後の競り市で、適齢期を過ぎて出荷された子牛の購入費に対しても、県内外の肥育農家らに1頭当たり最大4万円を手当てする。

 消毒剤購入や埋却作業に用いる重機リース費などの防疫対策費9億円も計上した。

 財源として、県は「貯金」にあたる財政調整積立金76億円を取り崩した。同課は「財政調整積立金の残高は約33億円。大雨や台風といった災害の時期を前に厳しい財政状況となった」と話している。