月齢、血統など加味 殺処分奨励金

(2010年5月26日付)


 本県で口蹄疫が拡大している問題で、本県関係3議員が25日、衆院農林水産委員会で被害農家らへの追加支援策などについて赤松広隆農相らの見解をただした。また、山田正彦農水副大臣はワクチン接種後の殺処分に対する奨励金の基準となる時価評価について、家畜の月齢や血統、農家の出荷実績などを加味する考えを示した。感染拡大の要因の一つとされる埋却地不足に関しては、赤松氏が県や市町の公有地のほか航空自衛隊新田原基地(新富町)周辺の国有地を提供する方針を明らかにした。

 ▽標準価格

 移動制限区域(半径10キロ)内でのワクチン接種後に殺処分される家畜の評価方法を川村秀三郎(民主党・無所属クラブ、宮崎1区)、江藤拓(自民党・無所属の会、同2区)衆院議員が質問。山田氏は「月齢や血統、これまでの農家の出荷価格などを参考に決める」「標準価格にプラス、マイナスする方法になる」と説明する一方、発生農場が既に埋却した家畜には「混乱の中で評価がよくなされておらず、標準価格で対応しなければならないと考えるが、個々の農家と話し合いたい」と標準価格を適用したい意向を示した。

 ▽経営再開支援金

 殺処分後に交付される経営再開支援金について、川村氏が生活資金との兼ね合いで説明を求めた。山田氏は「(家畜防疫)互助金制度をそのまま生活支援として活用していただく。頭数に応じ定額を支払うため、多く飼っている農家は従業員への給与なども支払っていただけるのではないか」との見解を示した。

 ▽埋却地の確保

 道休誠一郎議員(民主党・無所属クラブ、比例九州)、江藤氏が埋却地不足に関し公有地の確保状況を尋ね、赤松氏は「24日の知事らの会議で県有地、市有地などが具体的に示された。国有地は高病原性鳥インフルエンザ時に使用した、新田原基地周辺で地元の了解を得た場所もある」と基地周辺の国有地を提供する考えを明らかにした。

 ▽種雄牛49頭の処分

 県家畜改良事業団(高鍋町)の種雄牛49頭に関し、殺処分方針を変える考えがないか江藤氏が質問。赤松氏は「家畜伝染病予防法では疑似患畜とされたものはできるだけ早く処分すると明記されており、きちんとやるべきはやらざるを得ない」とあらためて理解を求めた。