移動制限解除へ前進 えびので清浄性検査始まる

(2010年5月25日付)

 えびの市で口蹄疫の感染疑い例が10日間確認されていないことから、県は24日、家畜の移動・搬出制限区域解除の前提となる清浄性確認検査を始めた。26日までの3日間、市内1例目農場の半径3キロ圏内を中心にした農家約160戸で血液検査などを行い、地域内にウイルスが残っていないかを確認。問題がなければ6月4日午前0時に制限が解除される。児湯地区を中心にワクチン接種が続けられる一方で、本県の口蹄疫問題は終息へ向け着実に前進することになる。

 口蹄疫防疫指針では、最終発生例の殺処分が終わり、その翌日から21日間を制限期間に設定。えびの市の場合、最終発生例の殺処分は13日。6月3日までが21日間の制限期間にあたる。清浄性確認検査は、最後の殺処分から7〜10日後をめどに実施される。

 えびの市での検査は、半径3キロ圏内の牛については1農家最大30頭、計約1340頭分の血液を採取し、動物衛生研究所海外病研究施設(東京)で抗体検査する。豚については獣医師の目視で臨床検査を行う。結果の判明には7〜10日かかる見込み。

 また今後、3〜10キロ圏内の牛、豚についても目視による臨床検査を行う。

 初日の24日は、作業に当たる西諸県農業共済組合や隣県の獣医師ら39人が加久藤地区体育館に集合。都城家畜保健衛生所(都城市)から防護服など検査キットを受け取り、14班に分かれて63戸を回った。市口蹄疫防疫対策本部長の村岡隆明市長は「清浄化へ向けた第一歩で、これからが勝負。緊張感を持って一日も早い清浄化を目指したい」と話した。


【写真】移動・搬出制限区域解除の前提となる清浄性確認検査が始まった、えびの市の畜産農家。獣医師が採血や臨床検査を実施した(農場の許可を受け、川を挟んで百数十メートルの距離から撮影)=24日午前