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【大相撲】

雅山も賭博認めた 師匠・武蔵川理事長の責任問題も

2010年6月19日 紙面から

無言で部屋に入る武蔵川理事長(中)=東京都荒川区で

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 角界の賭博汚染が、ついに武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)の足元にまで広がってきた。日本相撲協会の調査で、武蔵川部屋所属の元大関で幕内力士の雅山(32)が賭博を認める上申書を提出していたことが18日、分かった。野球賭博ではなく、マージャン、花札などとみられる。師匠の武蔵川理事長はノーコメントだったが、事実なら責任問題に発展する可能性がある。またこの日、前日に野球賭博をしたとして協会に事情聴取を受けた豊ノ島(26)の師匠、時津風親方(元幕内時津海)、さらに境川部屋の豪栄道(24)、豊響(25)も野球賭博への関与を認めていたことが発覚。雅山、豊ノ島、豪栄道、豊響は琴光喜と同じグループに属していたものとみられている。

 岡山県吉備中央町で行われていた武蔵川部屋の合宿に参加していた雅山は、合宿地に報道陣が集まり迷惑をかけるため、急きょ帰京。羽田空港で「協会が警察に全部お任せしているので、僕は話すことはありません」と話した。

 19日にある玉力道(現荒磯親方)の断髪式に参加する予定だったが急きょキャンセル。自宅で謹慎する。

 賭博は「うみを出し切る覚悟」と、決意を見せた武蔵川理事長の弟子にも及んでいた。

 この日、昼のテレビ報道で雅山の賭博が伝えられた。その時両国国技館にいた同理事長は詰め掛けた報道陣に応対せず、帰り際も記者の質問を無視し、親方2人にガードされながら車に乗り込んだ。

 協会による雅山の事情聴取について陸奥広報部長(元大関霧島)は「報道の内容を確認ができないものを、調べようがない」と否定した。

 琴光喜の野球賭博報道に端を発し、その後の協会の調査で、29人の野球賭博、36人のその他の賭博への関与が分かった。だが力士の名前を明かさず、警察の捜査も待たずに厳重注意処分ですませた協会の対応に、疑問の声も上がった。今回、雅山が含まれていたことが明らかになったことで、そうした対応が理事長の弟子がいたためと見られかねない。批判が強まれば理事長の責任問題も浮上しそうだ。

 

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