ワクチン接種、対象の半数終了

(2010年5月24日付)

 感染拡大が続く口蹄疫問題で、川南町を中心とする発生農場から半径10キロ圏内の牛、豚への国内初となる全頭ワクチン接種は23日、2日目となり、政府と県は、宮崎市佐土原町、日向、西都市、高鍋、新富、木城町の農場を対象に実施した。政府の現地対策チーム(本部長・山田正彦農水副大臣)によると、牛の接種も始まり、2日間で計7万頭以上がワクチン接種を終えた。

 作業は獣医師や補助員などで構成される57チームで進められた。国から獣医師が補充されるなど、作業チームは初日より30チーム増えている。

 県などによると、22日現在でワクチン接種の対象となっているのは、宮崎市や川南町など3市5町の1017農場で、14万5750頭(牛5万3310頭、豚9万2440頭)。2日間の接種終了頭数は半数以上となり、「(接種開始から)3〜4日で終了させたい」としていた山田副大臣は23日の記者会見で、「4日間のうちにはほぼ終えることができるところまできている」との見通しを示した。

 山田副大臣は同日、西都市、都農、新富、川南町を訪れ、首長らにあらためてワクチン接種への協力を要請。首長は理解を見せる一方で、補償内容の明確化や埋却地問題の解決を強く求めた。

 都農町の河野正和町長は支援策について「生活面はどうなるのかを具体的に示してほしい」と要望。川南町の内野宮正英町長は県立農業大学校(高鍋町)などが埋却地として検討されていることに対し、「これまで土地を探して埋却した人との公平性に欠ける。国と県で調整してほしい」と伝えた。