Ｗ杯中継見たがった父が殺される

　南アフリカで、家族同士のサッカーＷ杯中継のチャンネル争いが、殺人に発展するという事件が起きた。

　殺されたのは同国北東部リンポポ州にすむ男性デビッド・マコエヤさん（６１）。ＡＰ通信が地元警察当局者の話として伝えるところによると、１３日にデビッドさんが、テレビでドイツ対オーストラリア戦を見ようとしたところ、家族と争いになった。

　妻（６８）と息子（３６）、娘（２３）はその時、テレビで宗教音楽ゴスペルの番組を観賞中だった。デビッドさんは「サッカーを見たいんだ」とチャンネルを変えようとし、リモコンをめぐって口論から争いに発展。詳しい状況は不明だが、デビッドさんは、妻らに壁に頭をぶつけられたとみられる。

　妻らが通報して警察官が駆け付けたが、既にデビッドさんは死亡していた。逮捕された３人のうち、娘は罰金を払い保釈されたが妻と息子は拘置されており、２７日の裁判にかけられるという。

　日本では１５日、埼玉県の無職男性同士がＷ杯を報じるニュースをめぐるチャンネル争いから、一方の男性が腕をカッターナイフで切られる事件が起きていた。南アはＷ杯開催国だが観戦チケットはほぼ完売状態で、国民の多くはテレビ観戦に頼らざるを得ない状況。初のアフリカ開催で盛り上がる裏での、観戦をめぐる悲劇となった。

（2010年6月19日06時03分  スポーツ報知）

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