「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」
ビスマルクはこう語りました。
物事を眺める時は、「道理」を以て事の推移を洞察することが大切です。
飛行機が定刻に離陸して大空を飛び、そして定刻に目的地に着陸するのは偶然ではありません。
そこには、空を飛び続ける為の道理で貫かれた様々な技術があるのです。
こうした不変の道理を通して中国を外から眺めていると、私にはどうもガテンがいかないところが多々あります。
その最たるものが、倫理観の欠如です。
金の為なら何でもやるという、強欲資本主義以上の拝金的な考え方。
そこに横たわっている決定的な格差。
どう見てもバブルとしか思えない景気に、中国だけではなく、世界中がそこに乗って熱狂陶酔する異常な賭博場と化した中国経済。
その根拠を支えるのは13億人の人口ですが、冷静に眺めてみれば、一人っ子政策に端を発する少子高齢化の進行は日本を上回るスピードで進行しており、この問題は国家を支える柱とも言える年金の崩れを予感させ、しかも世界一の人口も近い将来インドに抜かれると予測されます。
経済の実態は、自由主義経済を模倣した秩序なき統制経済。
政治は、一度も選挙を行わない共産主義。
そうした道理に叶っていない国を世界中がカジノに見立てて、見境のない狂喜乱舞の宴を行っているのです。
「中国のバブルは認める。しかし、このバブルは崩れないバブルであり、最低でも100年は大丈夫!」
果たして、本当にそうなのでしょうか。
もしそのようなことがあれば、それは私たち人類のモラルが崩壊することを意味します。
道理に叶わないことは、その経済システムが如何なるものであれ持続するものではありません。