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雨と闘いながら防疫作業、消毒効果の低下「心配」

雨水のたまった道路に設置された消毒マットを通過する車両(曽於市末吉町南之郷の県道で)

 幹線道路で口蹄疫の侵入を防ぐための消毒作業が行われている曽於市で18日、市職員らが激しい雨と闘いながら作業を続けた。雨は防疫効果や作業の効率を低下させるため、関係者は「感染を広げないためにも、早く梅雨明けしてほしい」と話している。

 県畜産課などによると、口蹄疫ウイルスは紫外線に弱い一方、多湿を好み、湿度が60%を超えると生き残りやすいという。このため、梅雨の時期は流行拡大が懸念されている。

 宮崎県都城市と曽於市の県境周辺の道路では、職員らが毎日2、3回、県境の市道などを巡回して、消毒用の石灰をまいている。

 しかし、雨で流れてしまうのに加え、新たに散布するとぬれた石灰が固まり、スリップ事故の原因にもなりかねない。担当の職員は「雨が続くと石灰がまけず、ウイルスの侵入を許してしまわないか心配」と不安を募らせている。

 また、国道や県道の車両消毒地点では、消毒液を浸したマットを敷いているが、雨水で消毒液が薄まり、効果が落ちることも心配されている。このため市は通常、水で1000倍に薄めて使用している塩素系の消毒液を、雨天時は800倍ほどと濃度を高くするなどして使っている。しかし、市畜産課は「一日中雨が降り続くと、どれだけ消毒効果が期待できるかわからない」と懸念している。

 池田孝市長も「雨が降り続けると消毒効果が落ち、畜産農家の作業も難航する。農業にとっては必要な雨だが、今年はあまり降ってほしくない」と、感染拡大を招く恐れがある長雨に対する不安を口にした。

2010年6月19日  読売新聞)
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