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関空拠点、全日空が格安航空会社…11年度にも運航

国際線半額 国内は高速バス並み

 全日本空輸が、国内に低コストで運営する格安航空会社(LCC)を新設し、関西国際空港を拠点に国際線と国内線の運航に乗り出す方向で検討に入ったことが19日、明らかになった。国際線は大手航空会社の半額程度、国内線は高速バス並みの片道1万円以下の運賃を目指す。台頭するアジアのLCCに対抗する狙いがあり、早ければ来年度中にも運航を始めたい考えだ。

 新設する子会社は、ANAとは別ブランドとする案が有力で、国際線は中国などアジアを結ぶ路線が中心とみられる。200人前後の中小型機を利用し短距離を中心に運航頻度を増やし航空機の回転率を上げる一方、機内サービスは簡素化し、パイロットには外国人を雇用するなどして人件費を抑え、コスト削減を図る。

 施設利用料が安い簡素なLCC専用の旅客ターミナルビル建設を検討するなどLCCを積極的に誘致している関空に拠点を置く方針で、利用料の水準などについて交渉を進めている。

 国土交通省は5月にまとめた成長戦略で、日本へのアジアの観光客誘致にはLCCの参入促進が不可欠として、着陸料引き下げや規制緩和などを進める方針を打ち出した。さらに関空の抜本再建策を検討する考えを示しており、全日空はLCC事業化に向けた条件が整いつつあると判断した。

 関空は首都圏の空港より発着枠に余裕があり、LCCの誘致を進めている。現在、韓国のエアプサンなど4社が運航しており、7月に就航するシンガポールのジェットスター・アジア航空を合わせると、5社7路線の週42便となる。LCCの発着が増えればアジアの各空港との競争力も高まるとみられる。全日空がLCCの拠点を置くことは、関空の国際ハブ空港化に向けて弾みとなりそうだ。

 LCC
 Low Cost Carrier(ロー・コスト・キャリアー)の略。機内食を有料にするなど運航経費を削り、既存の航空会社に比べて運賃が大幅に安いのが特徴。米国を中心に台頭して欧州へと広がり、最近はアジアでも急成長している。
2010年6月19日  読売新聞)

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