米空軍士官学校の学生たちが先月24日から約4週間にわたり鶴岡市に滞在し、民家にホームステイしながら日本の風土や精神性を学んできた「庄内コミュニティスクール」が終了し17日、同市の東北公益大大学院ホールで閉講式が行われた。学生たちは一人一人スピーチに立ち、「とてもいい経験になった」「来年もまた来たい」など、異文化、温(ぬく)もりに触れ、たくさんの感動を得た喜びを語った。
訪れていたのは、コロラド州コロラド・スプリング市にある空軍士官学校の19―21歳の学生12人(男性8人、女性4人)と教員1人。民間主体の企画運営委員会(伴和香子代表)が語学研修の一環で受け入れ、東北公益文科大の特別講座としてスクールを開講。前半は温海地域で孟宗(もうそう)掘りやしな織、摩耶山登山、後半は鶴岡地域で黒川能や山伏修行、論語素読など、各地域の特色あふれる体験プログラムに取り組んだ。
閉講式には、華やかな着物を着た女子学生をはじめ、ホームステイ先の家族、運営委員ら約30人が出席。公益大の黒田昌裕学長が学生一人一人に修了証を手渡した。
スピーチに立ったロバート・レイナーさん(19)は「とてもいい経験になった。温海の人はコミュニティーの気持ちが強かった」、ジェフリー・ナカヤマさん(20)は「山伏(修行)の日を忘れない。羽黒山に登り、南蛮いぶしをした」、フミコ・ヘッドランドさん(20)は「美しい自然と優しい人に会った。来年もまた来たい」、エブリン・アベートさん(20)は「(ホームステイ先の)家族と温海では海に、鶴岡では月山ダムに行った。山形が大好き」など感想を語った。
教員のザッカリー・ヒックマンさん(31)は「この1カ月間、本当に素晴らしかった。いつかまた庄内に帰ってきたい。(庄内と学校が)長くて有意義な関係になると期待している」と述べた。
伴代表は「(価値観の違うさまざまな国の)すべての人を愛してください。庄内が、その手伝いをできたらうれしい。アメリカ、世界のために頑張って」と激励。準備段階から支援してきた富塚陽一前鶴岡市長は「庄内は自然と対話しながら、命をどう大切にするかを考えながら生活してきた所。住んでもいい。またおいで」と呼び掛けた。
最後に男子学生2人が声をそろえ「もっけだの」と庄内弁で感謝を伝え、会場を沸かせた。
一行は同日夕、市第三学区コミュニティセンターでホームステイ先の家族らとともにお別れパーティーに出席。18日に帰国の途に就いた。