来月上旬終了へ 山田農相、埋却作業の目標修正

(2010年6月19日付)

 山田正彦農相は18日、ワクチン接種後の予防的殺処分も含めたすべての家畜の殺処分と埋却について、官邸で開かれた口蹄疫対策本部終了後、記者団に対し、「7月上旬までには終えたい」との目標を示した。当初は作業完了を今月末までとしていたが、降雨の影響で遅れもあり、目標を修正した。

 一方、政府の現地対策チーム本部長・篠原孝農水副大臣は同日、「(目標を)何日までで終わりとするのではなく、作業日が何日必要かという考え方で決めたい」として、完了期限を設けない方針を示した。それを踏まえ、「患畜、疑似患畜はあと3、4作業日、ワクチン接種後の家畜は13、14作業日ほどは必要になる」と話した。
宮崎市で2例目疑い

 県は18日、宮崎市跡江の肥育牛農場で口蹄疫の感染疑いを確認したと発表した。同市での確認は2例目。飼育している38頭は同日午後9時半から殺処分を始め、同市は19日未明にも終える方針。川南町を中心としたワクチン接種地域以外での確認は7例目となる。

 県口蹄疫防疫対策本部によると、18日朝に農場主から通報を受けた宮崎家畜保健衛生所が立ち入り検査。1頭から口蹄疫特有の症状を確認し感染疑いと判断した。動物衛生研究所海外病研究施設(東京)で行っている遺伝子検査の結果は19日に判明する。

 同市では10日に豚1325頭を飼育する農場で感染疑いを確認しており、県は16日にこの農場から半径約1キロの農場7カ所で目視による検査を行い、異常はなかった。今回の発生農場は南東に約1・5キロ離れていて、検査の対象外だった。

 県内での感染疑いは291例目。殺処分対象は19万9284頭(牛3万7093頭、豚16万2174頭、ヤギ・羊17頭)となった。

 また、県は16日に感染疑いを確認した国富町の農場を中心に家畜の移動・搬出制限区域を18日までに設定した。都城市高崎町と日向市の農場を中心にした制限区域は、このまま新たな発生がなければ、来週中に解除に向けた清浄性確認検査を始める。