宮崎県の畜産農家で家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)が相次いで発生した問題で、農林水産省と県は28日、1例目の都農(つの)町の農家から南西に約70キロ離れた同県えびの市で新たに感染疑いの強い肉牛▽川南町でも感染疑いの豚が確認されたと発表した。これにより、新たに設定される牛、豚の半径10キロの移動、同20キロの搬出制限区域は、鹿児島、熊本両県の一部にも拡大する。
農水省は、国庫負担による消毒薬の散布範囲を、隣接する大分、熊本、鹿児島の3県全域にも拡大することなどを決めた。また、宮崎県の東国原英夫知事は鹿児島、熊本両県知事にも協力を求めたことを明らかにした。
宮崎県が発表した、えびの市を含む3カ所のうち、川南町の県畜産試験場川南支場の豚は、動物衛生研究所で遺伝子検査した結果、感染疑いが確認された。国内では初の豚への感染となる。
また、肥育牛275頭を飼育するえびの市島内の農家では、9検体中複数が陽性。さらに1例目の農場の南東3・2キロに位置している川南町の農家では、5検体すべての遺伝子検査で陽性を確認した。【石田宗久、佐藤浩】
毎日新聞 2010年4月28日 東京夕刊