ずっと、スクウェア・エニックスに入りたかったんです。小学校からゲームが好きで、高校生の時位からスクウェア・エニックスで働きたいと思っていました。
でも当時の私にとっては、スクウェア・エニックスは雲の上のような存在で、何故かトライする前にあきらめていました。
それでも日本が好きだったので、日本で働くために日本の大学を出て教師の仕事につきました。教師という仕事も好きだったのですが、どこかで100%満足していない自分がいました。
そんなある日、たまたまスクウェア・エニックスの採用情報を見たら、トランスレーターを募集していました。これなら自分にもできるかもしれないと、試しに応募してみたんです。
結局、びっくりする程とんとん拍子に話が進んで、気がついたら入社していました。もっと早くトライしていればよかったなと思いましたね。挑戦せずしてあきらめるのはよくないなぁと実感しました。
こうして、スクウェア・エニックスでの仕事がスタートしましたが、翻訳やローカライズの仕事をするのは初めてでした。翻訳といってもテキストを右から左に翻訳すればよいという訳ではありません。言語もその言語が生まれた背景となる文化が違いますから、必ずしも対になる単語があるとは限らないし、あるとしても正しいニュアンスで伝わらない可能性もあります。
画像やシーンも差し替えが適切だという判断をしたら、開発チームと話し合って、その国に合わせたものに作り直します。大切なのは、ゲームの世界観やストーリーを大切にしながら、日本版同様もしくはそれ以上の感動を、ワールドワイドに伝えることなのです。そこには妥協という言葉は一切ありません。
最初は、良い翻訳をすることだけで頭がいっぱいだったのですが、経験を積むうちに世界観やストーリーがきちんとプレイヤーの方に伝わるか、ゲームバランスは崩れないかということが考えられるようになってきました。リーダークラスになり、徐々に後輩も増えてきましたので、自分が得てきたもの、教わってきたものを伝えていきたいと思います。
今後は、引き続き自分の翻訳のスキルを磨きながら、スクウェア・エニックスのローカライズがより良くなるための施策を考えるなど、組織にも積極的に関わっていければと思っています。
やりがいを感じる瞬間は、何といっても自分が関わったものがゲームに出てきた時ですね。「ここ、ここ!この翻訳は僕が担当したんだよ!」って家族や友達についつい自慢してしまいます。しかもその関わったものが世界中に発信されていく。これってすごいことだと思います。
大変なところは・・・意見がぶつかった時でしょうか。開発チームが精魂込めて作った作品ですから、彼らとしてもこだわりがあります。でも、残念ながら文化の違いで表現上の制約があったり、意図したメッセージが伝わらないことがある。そういう時にきちんと話し合って理解を得たり、開発チームの意見も踏まえて一番いい形で世の中に出すにはどうすればいいかを考えるのは、少しエネルギーがいるかもしれません。
でもそういった意見交換をしないと、いい作品を出していくことはできないですから当然だと思っていますし、個人的にはあまりこういったことを苦に思ったことがないですね。
スクウェア・エニックスでは皆仕事が大好きで、生き生きと働いています。どこかしら共通点を見つけて仲良くなって、いい年なのに(笑)週末一緒に遊んだりしながら、皆が同じ思い、方向で頑張っていくことができる会社だと思います。
ローカライズの仕事も語学力は大切ではありますが、それ以上に大切なのは、柔軟な対応やコミュニケーションに対して積極的な姿勢、開発チームと一心同体で良い作品を世の中に出していこうという向上心です。
これからも他社にはできないスクウェア・エニックスならではのローカライズをしていきますので、そこにjoinしてみたいと思ったら是非選考を受けてみて下さい。あきらめてはいけない。挑戦あるのみですよ!