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【大相撲】大嶽部屋消滅も 野球賭博関与認める2010年6月18日 紙面から
大嶽部屋消滅も−。大嶽親方(元関脇貴闘力)が警視庁の事情聴取で、野球賭博への関与を認めたことが、17日分かった。日本相撲協会にも関与を認めたとみられる。今後、部屋取りつぶしなどの厳罰が下される可能性もあり、野球賭博問題は大横綱・大鵬の興した相撲部屋の存続にまで影響を及ぼしそうな状況になってきた。また、同様に疑惑を持たれている豊ノ島(26)=時津風部屋=も協会から事情を聴かれたが、報道陣には真偽についてノーコメントを通した。 大嶽親方が両国国技館に姿を現したのは午後1時36分。その1時間11分後に協会の事情聴取を終えて駐車場に向かう顔は険しく、無言で車に乗り込んだ。警視庁の事情聴取で野球賭博への関与を認めており、協会でも同様のことを話したとみられる。 八角広報部副部長(元横綱北勝海)も、「部屋持ち親方が野球賭博を認めた事実は重いのではないか」という報道陣からの質問に「指導する立場の人がそうなるということは非常に残念です」と沈痛な面持ち。親方、それも部屋持ち親方である師匠となれば、その責任の重さは計り知れない。 協会は上申書に賭博の事実を記入した者を「厳重注意」ですませる方針だが、捜査結果によってはさらなる重い処分を下す構え。大嶽親方が上申書に記入したかは公表されていないが、仮に記入していたとしても厳罰が下される可能性がある。協会から解雇または、指導者の資格を問われる事態になることは間違いない。協会は週明けの21日に緊急理事会を開く。早ければそこで処分が下される。 維持員席を暴力団に渡した木瀬親方(元幕内肥後ノ海)は、部屋の一門預かりとなった。大嶽親方にもそれと同様、またはそれ以上の処分がありえる。大横綱の大鵬から譲り受けた大嶽部屋。江東区の部屋は現在、新築工事に入っている。来年6月に完成予定だが、存続そのものが危機に直面している。 (岸本隆) ◆会見2分で終了協会の事情聴取を終えた大嶽親方は、東京都江東区の大嶽部屋に午後5時前に戻った。待ち受けた約50人の報道陣の前に立ち「お騒がせして申し訳ありません」と頭を下げた。 だが「自分は相撲協会と警察の方々にすべてを委ねているので何も話せません」とし、野球賭博への関与については語らず。「言える時期が来たら、必ずみなさんの前でお話しします」と繰り返し訴えるだけだった。 師匠の賭博関与という異例の不祥事。弟子の家族たちに何と説明するのか問われると「こういう形になったことで、親御さんにも心配かけていますけど、必ず連絡することにします」と話し、約2分で会見を切り上げ、追いすがる報道陣を振り切って部屋に入った。同部屋は現在、改修中のため仮住まい。野球賭博への関与が発覚し、朝から多くの報道陣が詰め掛けたが、大嶽親方は部屋にはおらず、外出先から相撲協会へ向かっていた。 ◆協会に苦情相次ぐ7月に開催される名古屋場所(11日初日・愛知県体育館)の二所ノ関担当部長(元関脇金剛)によると、先発事務所には入場券の払い戻しや名古屋場所の開催自体への苦言、本当はまだ関与者がいるのではとの疑問を投げる電話などが鳴り続けているという。また、東京・両国国技館の相撲協会事務所にも、「相撲協会をなくせ」といった過激な電話などがひっきりなし。一人で5時間も抗議を続けた電話もあるといい、協会事務所はピリピリムードという。
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