ネットに向かって、フォームを確認しながら投げるチェン=ナゴヤドームで(小嶋明彦撮影)
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逆転優勝を現実にするべく、“G倒ローテーション”が用意される。18日から東京ドームで行われる首位・巨人との3連戦(東京ドーム)へ、中日はチェン・ウェイン投手(24)と吉見のダブルエースと巨人戦に強い川井をぶつける見通しだ。先陣を切るチェンは今季相性が悪い小笠原封じへ自信をみなぎらせ、勝利を誓った。
宿敵巨人を倒してVを奪回できるかどうかは、この3人衆の双肩に委ねられる。吉見、川井、そしてチェン。直接対決を前にした17日、ナゴヤドームでの練習では競い合うようにダッシュを繰り返した。そろって先発が濃厚。チームは打倒巨人へ強力な持ち駒を惜しみなく投入し、最高の必勝態勢を築く構えだ。
大事な初戦の先発にはチェンが指名されそうだ。直近の楽天戦(10日・Kスタ宮城)では6イニングを3安打無失点に抑えて4勝目を挙げた。「真っすぐは今季一番よかった」と絶好調宣言も飛び出すほど状態は上向き。中5日で16日の日本ハム戦で先発することも可能だったが、巨人戦に備えて温存された格好だ。
カギになるのは3番小笠原との対決。09年は25打数3安打の打率1割2分、10奪三振と完ぺきに牛耳ったが、今季は一転して6打数5安打の8割3分3厘と打ち込まれている。巨人戦2戦2敗のチェンにとって、克服しなければならない“壁”だ。
チェンは「(対戦した)4月はタマもいっていなかったですから」ときっぱり。「今の状態は4月とは違う。自分のボールを信じて投げたい」。小笠原封じの成算はある。対戦成績など気にしないとばかりに笑った。
夏はチェンの季節。昨季は7月に故障から復帰すると8月半ばにかけて5連勝と突っ走った。「暑さは嫌いじゃない」とチェン。「どんな試合でも新たな気持ちでマウンドに登っている。いつも通りに全力で投げます」。交流戦明け“開幕戦”を白星で飾り、「3連勝」の願いを吉見、川井へとつないでいく。 (木村尚公)
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