「一刻も早い終息を」 宮崎市動物園休園

(2010年5月18日付)

 宮崎県内で口蹄疫の発生が拡大しているのを受け、宮崎市のフェニックス自然動物園(出口智久園長)は17日から、無期限の休園に入った。同日は休園を知らない市民が訪れ、「こんなに大変な事態になっているとは」と驚いた様子。県内の観光牧場や隣県の動物園などでも、偶蹄(ぐうてい)類を客から隔離するなど対策を取っている。

 フェニックス動物園ではキリン、ニホンカモシカなど口蹄疫に感染の恐れがある偶蹄類14種141頭を飼育。高鍋町で口蹄疫の感染疑いが確認され、家畜の搬出制限区域が同園の北400メートル付近に南下したのを受け、休園を決定した。今月入っていた小中学校や幼稚園の遠足などの予約17件(1230人)はすべてキャンセルした。

 出口園長は「休園となってしまい大変申し訳ない。一刻も早い終息を願うしかない」と話した。

 県内の観光牧場などにも影響を与えている。牛約100頭などを飼育する都城市の高千穂牧場は、乳搾りやヒツジの毛刈りなどのイベントを中止。通常は放牧している牛を牛舎に隔離し、周辺敷地への立ち入りを禁止している。

 小林市のコスモス牧場は、動物に近づけないことから入園を無料に。ただ、入園者は例年の半分以下という。

 一方、大分県宇佐市の「アフリカンサファリ」は、園内の消毒を徹底し、ふれあい体験できたヤギやヒツジなどを獣舎に隔離。同園は「感染が大分に近づくようなことがあれば、閉園も考えなくてはならない」としている。

【写真】口蹄疫の拡大で無期限の休園に入ったフェニックス自然動物園=17日午後、宮崎市