予備費100億円投入 対策本部設置

(2010年5月18日付)

 政府は17日、全閣僚による口蹄疫対策本部(本部長・鳩山由紀夫首相)を発足、初会合を開いた。本県で感染が続いていることから、県庁内に現地対策チームを設置。山田正彦農水副大臣や小川勝也首相補佐官らが陣頭指揮を執り、被害拡大の防止に全力を挙げる。また政府は、2010年度予算の予備費を投入。対策費は現時点で約100億円の支出を想定しているが、感染がさらに広がれば膨らむ可能性がある。消毒地点の拡大や防疫活動に携わる自衛隊の増派によって、感染拡大の防止を目指す。

 首相は初会合で口蹄疫問題について「危機管理上、大変重大な課題だ」と指摘。「一刻も早く、農家や宮崎県の皆さんに安心していただけるような状況をつくらなければならない」と述べた。

 口蹄疫の発生農場は111カ所に上り、殺処分対象の牛や豚は8万5千頭を超え、国内では過去最悪の口蹄疫被害になった。

 政府対策本部は、(1)影響を受けた畜産農家の生活支援や経営再建(2)地元自治体の経費を国からの特別交付税で補てん(3)農林水産副大臣を本部長とする現地対策本部の設置―などを決めた。移動制限や殺処分などの防疫措置を徹底する。

 野田佳彦財務副大臣は17日の記者会見で「当初予算で足りない部分は予備費になる」と指摘。平野博文官房長官は同日の会見で「必要な経費は政府として対応する」と強調した。野党からは1千億円規模の対策費を求める意見も出ている。

 政府は、被害を受けた畜産農家に手当金を速やかに支払ったり、必要な手続き書類の簡素化も急ぐ考えだ。

■対策のポイント

 一、家畜にワクチンを接種するための特別措置法を検討
 一、被害額は160億円
 一、移動制限や殺処分などの防疫措置を徹底
 一、消毒地点の拡充、自衛隊の増派を速やかに実施
 一、影響を受ける農家の生活支援や経営再建に万全を期す
 一、地元自治体の対策経費を国の特別交付税で補てん
 一、農林水産副大臣を本部長とする現地対策本部を設置