不倫 ～彼を想う日々～

　
2010年３月

最悪な誕生月がすぎて
平穏な日々を送っていた。


彼とのメールも
苛々しそうになるとやめてみたり

彼からメールがこなくても
そんなに苛々しないようになってた。



娘の中学の卒業式も無事に終わり
二人で過ごす時間が増え、
何気なく毎日を過ごしていた。



３月20日、21日と２日連続で
彼の試合が少し離れたところで
やる事をネットで見て
わかっていた。


彼が移籍してから
地元の小さな大会の一試合は
見たけど‥

それ以外は
全く見ていなかったから
一度でもいいから見てみたかった。


ぐずぐず ねちねちのあたしと
はきはき さっぱりの娘。


私『明日試合見に行きたいな‥』

娘『行けばいいぢゃん。
　付き合うよ』

私『でも、あたしが
　見に行った事が彼に
　わかったら嫌ぢゃない？

　"コイツ、やっぱり俺の事が
　忘れられないんだな" って
　思われるのが悔しいし‥

　でも試合見たいし‥』

娘『とりあえず、
　ねちねちしてないで見に行こ!!
　何時に家出れば間に合う？』

私『たぶん、試合開始１時間前』

娘『ぢゃ、9時半くらいだね』

私『でも二人揃って起きれなそ』


あたしも娘も朝は弱い‥



翌日、９時半に娘に起こされた。


娘『みぃ!!　もう出る時間だよ』

娘は出掛ける準備をしている。


あたしは とりあえず 起きたけど
なんだか気が進まない‥


私『やっぱり行くのやめようかな
　‥でも見たいな‥』

娘『ねちねちしてないで
　早くしないと間に合わないよ』

私『　　‥うん‥　　』


しぶしぶ準備を始めて
家を出るまで
"どうしようかな‥"
と ねちねち。


準備ができて 家を出る時は
すでに試合開始45分前‥

完璧に間に合わない。


それでも会場に向けて出発した。


運転してる途中で
試合が始まる時間になってしまい

私『あーぁ、始まっちゃった‥』

娘『だから、ねちねちは嫌だ』

私『とりあえず間に合わないけど
　行くだけ行ってみよう』



それから、会場についたのは
案外早く、
試合開始後10分くらいだった。


入り口から様子を伺ってみたら
彼は試合にも出てなく、
ベンチにもいなかった。


"あらら‥今日は来てないのか‥"

と思ったら、娘が

『いた。あそこ。』

と観客席を指差した。


たぶん、
累積で出れないんだと思う。


私『どうしよっか‥
　今入ってったら、
　かなり目立っちゃうよね‥？』

娘『こんなとこにいた方が
　目立つよ。　行くよ!!』


娘があたしの手をとり、
ダッシュで観客席へ‥


彼にバレないように入り込み
4、5列後ろに座り試合を見た。


試合は残念ながら負けてしまい
あたしと娘は
そそくさと会場を後にした。


この日、彼は、
あたし達が行った事には
気付いてないみたいだった。

　
2010年２月


あたしの誕生日と彼の誕生日の
ある月。


ここ何年か
楽しく幸せな誕生日なんて
迎えられてない。


今年の誕生日もそうだった。


あたしの誕生日当日。


日付が変わっても
すぐには
あたしの携帯は鳴らなかった。


朝になって８時前、
やっと彼から

【お誕生日おめでとう
　素敵なbirthdayを。。】

ってメールが来た。


1月20日の宣伝メール以来、
久しぶりのメールだったのに‥


なんだか、すごく寂しい文章‥


"素敵なbirthdayを"　って‥


なんか、寂しくない？


ま、別れてるし
他人になっちゃったんだから
仕方ないか‥


今回は無視しないで
ちゃんと返事も返した。

しかも、少し甘えた感じで‥


【覚えてくれててありがとう

　誕生日、一緒にいたかったな】


考えの甘いあたしは、
こんな甘ったるい事を言えば
少しでも時間を作ってくれると
思っていた。


でも彼は

【一緒にいたいね。。】

って言うだけで
"今日会える？"
とは最後まで言ってくれず
会わず終い。



あたしの誕生日から
二週間ちょいすぎ、
今度は彼の誕生日。


日付が変わってすぐに
"おめでとうメール"
を送りたかったけど
なんだか、悔しくて‥

彼があたしに送って来た時間と
同じ時間の朝８時前に

【お誕生日おめでとう】

と意味不な絵文字と共に
メールした。


この日も
"一緒にいたかったな"
ってメールしたけど
彼の反応は同じ‥





メールの内容からも
彼の対応の仕方からも

"もう冷めたんだな‥"
"あたしの事嫌いになったんだな"
"奥さんと上手くいってるんだな"

ってすごく感じた。


"下手すれば、
新しい彼女ができたのかも‥"

って思うくらい
彼のメールでの対応が
冷たくなった。


その対応のしかた、
あたしの勝手な妄想で
苛々してきて、
下手に出るのをやめて
いつものあたしに戻った。


私【なんなの？
　新しい女でもできた？

　それとも奥さんと
　上手くいってるから
　邪魔な女は消し去りたいわけ？

　それならそうとはっきり言えば
　いいんぢゃない？

　はっきり言ってくれれば
　あたしだってアンタの周りを
　うろちょろしたりしないし
　メールもしないから。】


彼は否定してたけど、
あたしは納得できなかった。





今年の
あたしの誕生日も
彼の誕生日も
また最悪‥


彼はどう思って
どう感じてたのかは
わからないけど‥

　
娘の爆弾発言から
しばらく経って

いつものように夜中まで
娘と二人で語り合っていた。


娘『ところで‥
　みぃの彼氏の話は？』

私『まだそんな事言うか』

娘『いるのわかってるし
　みぃも言っちゃった方が
　気が楽になるんぢゃない？』

私『‥』

娘『誰？誰？』

私『万が一、いたとして
　知って、傷付かないの？』

娘『今更何に傷付くの？』

私『‥だよな‥』

娘『誰？誰？それが超知りたい!!
　あたしも知ってる人？』

私『知ってるって言えば
　知ってるかな‥？』



こんな軽いノリで
娘にｶﾐﾝｸﾞｱｳﾄすることに
なっちゃいました。


娘は思い当たる
あたしの男友達の名前を言い出し
楽しそうにしてる。


私『ねぇ、本当にごめんね‥
　みぃのこんな事情聞いちゃって
　Ｋ(娘)の気持ちは大丈夫？』

娘『まぢ、全然大丈夫!!
　返って、安心した!!
　みぃも楽しまなきゃ可哀想と
　思ってたし‥』

私『ありがとう。でも辛くない？
　本当に大丈夫？』

娘『何心配してんの？大丈夫だよ

　あたし、みぃの味方だし』

私『Ｋとは "親子" と言うより
　"女同士" になっちゃった
　感じだね‥』

娘『それが、みぃっぽくていい』



彼と付き合い始めて
もうすぐで６年経つ事。

その間の
嬉しかった事、
楽しかった事、
悲しかった事、
辛かった事、
悔しかった事、
惨めだった事、

今現在は、別れてる状態で
ある事。

別れてる状態なのに
彼が優しくしてくれるから
離れきれない事。

あたしもすごく好きで辛い事。


彼の名前は伏せたまま色々話した。



娘『まぢで誰？
　他に思い当たる人いないし‥』

私『ヒントは‥Ｋが嫌いな人‥』

娘『あたしが嫌いな人‥？


　‥もしかして‥


　　〇〇コーチ？


　いや、ないなー
　みぃのタイプと真逆だし‥
　あれはないなー』

私『‥あたり。』

娘『えっ？まぢ？
　ないないないない。まぢ？
　あの人だけは嫌だ。

　よりによって、なんであの人を
　チョイスした？』

私『わからないんだよねー‥』



娘は昔から彼の事が大嫌い。


娘を見かけると大声で話し掛ける。
そのうるさいのとしつこいのが
大嫌いで、昔からよく

『〇〇コーチってなんであんなに
　うるさいの？
　本当に嫌。大嫌い。』

と言っていた。



娘『よくあんなうるさい人と
　６年も一緒にいれたね‥』

私『二人でいる時は
　あんなうるさくないよ(笑"』



娘に話した事によって
あたしも気持ちが楽になった。


普通ぢゃ考えられない事だと思うけど、
娘も受け入れてくれて
あたしと娘の関係も
今まで以上に良くなってるように思う。


この先、娘に色々と助けられる。