不倫 ～彼を想う日々～

　
見事、彼に裏切られ
ショックとか寂しいとかの気持ちよりも
とにかく、ムカついてた。


考えたくなくても
一日中彼の事が頭から離れない。


考えれば考えるほど
イライラムカムカ‥


考えなければいいんだけど
どうしても考えてしまう‥


あたしは、ボロボロになっていく‥


拒食、過食を繰り返し
眠剤がなければ眠る事もできなくなってしまった。





今、落ち着いて考えてみれば
彼もチームを変わり、
練習方法も、選手達も、
周りのスタッフも、

何もかも体制が変わって、
大変だったと思う。


あたしにメールしてた時間も
あたしと会ってた時間も

今まで通りには
できなかったと思う。


チームが変わって一年目‥


あたしも彼の事を理解してあげてなかった。


でも、その時はそんな事すら
考えてあげる余裕が
あたしには、全くなかった。


"なんでメールくれないのよ"
"なんで何時間も返事できないのよ"

"どうせ、また奥さんと一緒に
いるんだろ"

自分の事しか考えてなかった。


メールが来ても、
本当に酷い言葉で罵って、
気持ちとは裏腹な事しか
言えなくて
彼を追い詰めるような事ばかり
言っていた。


彼からのメールも
たまに思い出したようにﾎﾟﾂﾎﾟﾂと
来てはいたけど
そのうち、来なくなった。


奥さんとの電話での会話を聞いてしまってから
ずっと会わないまま、
二人の距離も広がって行く一方のように思えた。

　
約束を守ってもらえなかった事で
今まで以上にメールの数も
会う日も減った。


彼が新しいチームに移籍してから
試合も一度も観に行ってない。

新しいチームのﾕﾆﾌｫｰﾑ姿も
もちろん、一度も見ていない。


彼と会わなくなって２ヶ月以上が経っていた。



2009年8月30日

友達と飲んでバイバイした夜中の１時前‥


ムラムラして彼に抱いてほしくてたまらなかった。


私【セッ〇スしよ】

メールをしてみた。
こんな事、
あたしから彼に言うのは初めて。

返事はすぐに来た。

ｶﾚ【今どこにいるの？
　今から会える？
　いつものとこに行くから来て】


あたしは、真っ直ぐ家には帰らず
《いつもの場所》に向かった。


少し待って、彼が来た。


彼の車に乗り込み、
言葉を交わす事もなく、
お互いに求め合った。


久しぶりに彼に抱かれ

"やっぱり彼がいい"
"コレが欲しかった"
"離れたくない、離れられない"

と思った。


彼もあたしを抱きながら

『俺がいいんだろ？』
『俺に抱かれたかったんだろ？』
『こうしてほしかったんだろ？』
『気持ちいいんだろ？』
『ココすごいことになってるよ』

と言葉攻め。

彼の言葉に素直に答えてるあたしがいた。


久しぶりのセッ〇スを終えて
彼に寄りかかりながら
幸せな余韻に浸っていた。


彼も、相変わらず

『本当に嫁とは仲良くないし、
　仲良くなんかしてないし、
　一緒に出掛けるとかもないよ』

と、言っていた。


幸せなのは、ほんの一時‥


話してる時、助手席に無造作に
置いてあった
彼の携帯が目についた。

ﾏﾅｰﾓｰﾄﾞにしてあって着信音は
鳴ってなかったけど‥

さっきから何度か着信を知らせる
イルミネーションが光ってる。


私『携帯光ってるよ？
　奥さんぢゃない？
　本当に仲良くないなら
　あたしの目の前で奥さんからの
　電話に出てみてよ‥
　話し方でだいたいどんな感じか
　わかるから‥』


そんな事、言わなきゃよかった‥


戸惑いながらも
電話に出た彼の口調は‥

"仲の良くない夫婦"
"普段から会話のない夫婦"

には、とてもぢゃないけど
思えないような口調だった。


微かに漏れてくる声も聞こえる。

奥『こんな時間に※＊☆△』

ｶﾚ『今、セブンにいるんだよ
　本当だよ‥』

奥『今何時だと☆※＊〆＃』

ｶﾚ『たまには一人になりたい時も
　あるでしょ？
　もうすぐ帰るから‥』

奥『どうせ女＊＃☆※』

ｶﾚ『なんでそうなるの？違うよ‥
　何か買って帰る物ある？』

奥『＊☆＃※』

ｶﾚ『だから、違うって‥』


彼は車から降り、
あたしに聞かれないように
少し離れた場所まで
ﾌﾗﾌﾗ歩きながら話してた。


あたしも、もうこれ以上は
聞く必要もないと思って
彼の車を降り、自分の車に乗った。


20分近くは電話で話してたと思う‥

電話が終わり、彼があたしの方に来た。

それと同時くらいに
あたしは車の窓を開け
彼を睨み付けながら

『あの話し方で
　どこが仲良くないの？
　馬鹿にするのもいい加減にして

　とっとと愛する奥さんの元に
　帰りなよ』

と言いながら、車を発進させた。

彼は

『本当に仲良くなんてないから』

って逆ギレのように言ってたけど‥


あたしの目の前で
あんな話し方をしといて
あんな内容話してて

よくもそんな事が言えるな‥
って思った。


やっぱり、あたしに言ってる事は
嘘。


こんな嘘つき男、いらないや。


もう本当にいいや。


馬鹿馬鹿しい。

　
箱根に行く約束をした すぐ後の木曜日‥


またまた、機嫌の悪いあたし。


自分でも
"どうして毎回こうなっちゃうんだろ‥"
と、いい加減、自分が嫌になる。


彼が【今日はバイトだよ】
って言うんだから
その言葉を素直に信じてあげればいいのに‥

そんな簡単な事すらできない‥


会ってから木曜日までは、毎日
(って言ってもたったの何日間‥)
メールもしてて

【遅くても夜７時頃までは
　箱根に着きたいね】
とか
【箱根ぢゃなくて鎌倉もいいね】
とか

27日の事を楽しみにした
メールをしてた。


木曜日を迎えて、
機嫌の悪いあたしは、
またメールをしなくなった。


彼からも、来なかった。


約束してた 27日前日も当日も
あたしからは意地でもしたくない

彼からのメール、連絡を待った。



結局、当日になっても
連絡は何もなく
日付が変わった 28日の夜中の
２時ちょい前に
やっと彼からメールが来た。


【今日は協会の話し合いがあって
　約束守れなくてごめんね】


協会の話し合いが本当なら
前もって言っといてくれればいいのに‥


『"事後報告" は信じられない。
　"事前報告" ぢゃなきゃ信用ないよ。』

っていつも言ってるのに‥


あたしとの会話も彼の頭の中には片隅にも残ってないんだな‥


27日を過ぎても、彼はしきりに

【箱根に行く約束は果たすよ】
【鎌倉に一緒に行こう】

って言ってたけど‥


あたしは、箱根も鎌倉も
紫陽花を見に行きたかったの。


紫陽花のｼｰｽﾞﾝが終わった箱根も鎌倉も別に行きたくなかった。



それよりも‥

彼があたしとの約束を
守ってくれるのか確かめたかったのかもしれない‥



結局、約束も守ってもらえず
あたしの気持ちは、またまた
別れる方向に‥