不倫 ～彼を想う日々～

　
彼のアドレスを受信拒否にして
三週間‥


2009年5月を過ぎていた。


このままメールもしないで
連絡もしないで
少しずつ彼から離れればいいのに‥


あたしは寂しさのあまり、
あたしから彼にメールをしてしまった。


あたしからのメールに
優しい彼は、ちゃんと受け入れてくれた。



あたしが寂しくなる
↓
彼にメールしてしまう
↓
仲直りのような感じになる
↓
彼と会う
↓
木曜日になるとあたしの機嫌が
悪くなる
↓
メールしない



少し前から ずっとこんな事の
繰り返し‥



この時も、まるっきりこの図の通り‥
もう何回目だろ‥


そんなあたしの身勝手な行動にも
彼は怒る事もなく
本当に優しく受け入れてくれる。


メールをしてから約一週間後、
彼が夕方５時すぎに

【今から会える？】

と聞いてきた。

いつもより断然早い時間からの
お誘いが嬉しくて
即返でOKした。


５時半には落ち合い、ラブホに‥


２ヶ月弱ぶりに愛し合い
また仲直りのような感じで
夜、11時すぎバイバイした。


次の木曜日には、
またあたしの機嫌が悪くなり
同じ事の繰り返し‥


あたし自身が勝手に妄想して
苛々して彼を信じてあげないのが悪いのに

またか‥ って感じ‥


それから、６月になって
また一ヶ月振りくらいに
彼と会った。


この日も夕方５時半すぎに
待ち合わせ

『海に行こう』

と言う彼‥


海方面に向かって彼の車で出発‥


海に行き着く前に
彼もあたしも
ムラムラしてきちゃって

途中のラブホに入って
愛し合い、まったり過ごして

結局、海には行かず終い。


ラブホでテレビを見てたら
箱根の登山鉄道が映っていた。

ちょうど紫陽花の時季‥


あたしは、
花とかを見るのが大好き‥


"彼と一緒に‥"
って言うのは諦めてたけど
ちょっと甘えてみたくなった。


私『ねぇ、一緒に箱根行きたい』

ｶﾚ『箱根？行くか!!』

私『紫陽花見たいから６月中ぢゃ
　ないと駄目だよ？』

ｶﾚ『来週は無理だから‥
　27日なら早い時間から
　大丈夫だよ』

私『約束守れる？』

ｶﾚ『絶対行く！大丈夫だよ』



はっきりした日にちも
彼が指定してきた。


"今回ばかりは行ってくれるだろ"

"今回ばかりは約束破らないだろ"



《また約束を破られるかも‥》

と言う不安な気持ちより

《今回はきっと大丈夫‥》

と言う気持ちの方が大きかった。





この時は‥

　
彼は、去年(2008年)の
9月か10月頃から
木曜日は、10時～4時でバイトを始めていた。(らしい‥)


そのバイトも、
本当にしてるのかもしれないけど
あたしは信じられていなかった。


"バイトって事にしとけば
その間はあたしにメールしなくて済むからぢゃないのかな‥？"

"バイトって事にしとけば
奥さんと出掛けても
あたしに疑われないとでも思ってるんぢゃないのかな‥？"

"あたしが木曜日になる度
機嫌が悪くなるから
バイトって事にしてるんぢゃないのかな‥？"


そんなネガティブな妄想、憶測
ばっかり‥



そして、あたし達の仲が
一番大きく変わったのは
今期(2009年４月)から、
彼がプレーをするチームだった。


彼は今まで
比較的大きな、多少有名(？)な
チームでプレーする選手だった。


前期まで所属してたチームは
関東圏内の試合会場が多く
地元からはかなり遠いため
彼はあたしも一緒に連れて行ってくれてた。


前期は、怪我を理由(？)に
途中でチームを辞めたから、
それに伴い、あたしも彼と
遠出をする事もなくなった。


年度が変わる何ヶ月か前に
彼が

【来期プレーするチームが決まったよ】

と、軽く報告をしてくれた。


よく聞いてみると
今までとは違い、
かなり下のリーグの地元のチーム‥


しかも、そのチームで
上のリーグを目指して
彼が選手兼監督を務めるみたい。


あたしは頭の中で

"地元のチームぢゃ
もう一緒に試合に行く事も
なくなっちゃうだろな‥"

"監督なんか任されたら
今まで以上に忙しくなっちゃうんだろな‥"

"試合も地元なら奥さんが来るだろうから、見に行けなくなっちゃうんだろな‥"

そんな事しか浮かばなかった。


練習も木曜日の夜８時から‥


なんか、絶望的‥





あたしの末っ子も
年度が変わり、
中学生になったため
彼のスクールを辞めた。


彼に会う機会、
彼の姿を見る機会が
一気に減った。

　
あたしの誕生日も
彼の誕生日も
一緒に過ごす事ができず

2009年は今までとは違って
メールも会う事も極端に減り

"本当に彼とはもう終わりだな‥"
と思える一年になった。


毎日のようにしてたメールも
一週間、二週間、
長い時には一ヶ月以上も
しなくなっていた。


30分だけの再会をしてから
ちょうど一ヶ月‥

彼と会う事になった。


2009年3月21日

夜７時半すぎに待ち合わせ
ラブホに行った。


ラブホでは愛し合い仲良く過ごす事ができたんだけど‥

帰りの車の中で
あたしは彼に別れ話を持ちかけた。


彼からしたら
"またか‥"
と思ったかもしれない‥


あたしも、あたしで

何回、別れ話をしようが
彼はあたしから離れて行かない。

あたしが甘えたくなって甘えれば彼もそれを受け止めてくれる。

そういうズルイ考えもあった。


その日は、彼と別れ話をしながら
大泣きした。


涙が止まらないあたしを彼は
ずっと抱き締めててくれてた。



いつもの事ながら
《別れた》
と言っても、お互い寂しくて
メールのやりとりは続いていた。


翌日のメールでは

ｶﾚ【桜が咲いたら
　一緒に見に行こうね】

私【うん。昼間見に行きたい】

ｶﾚ【夜の方が綺麗だよ】

私【昼間にゆっくりした事ないし
　一度でいいから明るいうちに
　手を繋いで外を歩いてみたい】

ｶﾚ【わかった。昼間見に行こう】


《別れた》
と言う現実をお互いに受け入れてないようなメールの内容‥


３月末には、

私【４月中の木曜日にﾃﾞｨｽﾞﾆｰｼｰ
　に行きたい。時間作って‥
　第2か第3の木曜日がいいな‥】

彼女でも何でもないのに
無理なのを承知で
彼におねだりしてみた。


ﾃﾞｨｽﾞﾆｰｼｰには お互い行った事がなく、４年も前から
行く約束だけはしていた。


【なんで木曜日にこだわるの？】

と言う彼に

４月の学校が始まった直後の
平日はすごく空いてて
乗り物にもあまり並ばず
たくさん乗れるし絶好の狙い日。

と説明した。



ま、結果的に今現在もﾃﾞｨｽﾞﾆｰｼｰには連れて行ってもらってないんですが‥



結局、この時も、第3木曜日まで
彼がどうに出てくるか様子見を
してたんだけど

木曜日当日は
夜７時すぎまでメールがなくて

ムカついたあたしは、彼に

私【彼女でも何でもないけどさ、
　メールがないと腹立つんだよね
　もう別れたんだからメールも
　やめよう。

　今日もﾃﾞｨｽﾞﾆｰｼｰに
　誘ってくれるかなー‥なんて
　勝手に馬鹿な期待しちゃってた
　けど貴方にはそんな気持ち
　これっぽっちも
　なかったんだよね‥
　よーくわかったから‥】

みたいな長文の愚痴メールを
一方的に送って

彼のアドレスを受信拒否にした。