不倫 ～彼を想う日々～

　
ｸﾘｽﾏｽｲｳﾞに
《真っ暗な河口湖》
と失態をした彼。


『本当にごめんね。
　ﾘﾍﾞﾝｼﾞさせて』

心から "ごめんね" って
本当に思ってるなら
翌日、25日の木曜日(彼は休み)に
どうしても会ってほしかった。


24日、河口湖から戻って
車で話してる時も

私『明日も会いたいー』

と、しきりに言っていた。


25日、彼から最初にメールが来たのはお昼すぎ。

夕方４時すぎまでメールはしてた


彼は 頑なに
『〇〇の人達とﾊﾟｰﾃｨｰだ』
と言ってメールが途切れた。


日付が替わって夜中の１時半すぎ

【今帰りだよ。今から会える？】

ってメールが来たけど
もうクリスマスぢゃないし
遅すぎだし 会わなかった。


27日、夜８時半すぎから会った。

28日、二人っきりでは
会えなかったけど、彼が

【仕事場で試合やるよ】

と、教えてくれたので
観に行った。


年末、彼と会ったのは
この日が最後だった。



例年と変わりなく
年末年始の休み中は
メールのやりとりだけで

彼は家から出て来れる気配もなく

メールで喧嘩(あたしが一方的に文句‥)しながら年越しをした。



新年早々
これまた毎年恒例の
地元のスポーツの大会‥


今年は、ちょっとした‥

‥自分の中では重大な事を
あたしはしようとしていた。





《彼と奥さんが一緒にいるとこを見てみよう‥》





地元の大会が始まって
最初の頃は奥さんが来る事もなく
気軽な気持ちで彼の試合を観に
行けてた。

　
2008年12月


あたしの娘(当時、中２)が
ちょっとした事件に巻き込まれてしまい、警察やらリハビリやらで

メールは毎日してたけど
初旬に会えてから
しばらく会っていなかった。


12月中旬頃、彼がｸﾘｽﾏｽの予定を
メールで聞いてきた。


もちろん、あたしは24日も25日も
予定はない。


むしろ、彼のために空けてある。


あたしは、24日も25日も
彼に会いたかった。
彼と一緒に過ごしたかった。


2008年の12月25日は木曜日‥


彼と丸１日一緒にいたかったの‥


彼にそのことを伝えると

【木曜日は〇〇の人達と
　ｸﾘｽﾏｽﾊﾟｰﾃｨｰするから無理だよ

　男だけでやるから
　嫁は一緒に行かないからね。

　普通、出掛けるのって
　ｸﾘｽﾏｽｲｳﾞなんぢゃないの？】

って答えが返ってきた。


平日に男だけでｸﾘｽﾏｽﾊﾟｰﾃｨｰを
やるなんて到底信じ難い‥


しつこく聞いたところで
本当の事なんかわからない。


とりあえず、24日会う事にした。


ｸﾘｽﾏｽｲｳﾞまでの間のメールで

【六本木のｲﾙﾐﾈｰｼｮﾝ見たいね】
【東京ﾀﾜｰもいいね】
【都内に行けばｲﾙﾐﾈｰｼｮﾝいっぱい
　見れるとこあるよね】

などと言って
"そこに行きたいｱﾋﾟｰﾙ"
をかなりしていた。


24日、ｸﾘｽﾏｽｲｳﾞ当日。


彼の仕事が終わってから
夜８時すぎに待ち合わせ。


彼の方が少し遅く来て
あたしが彼の車に乗り込むなり

ｶﾚ『今日さーお客さんと
　話してたんだけどさ‥』

と興奮気味に彼が話し出した。


どうやら、忍野八海の話しをしていたらしい。


彼は行った事がないらしく
行きたそうな感じだった。


私『忍野八海は夜に行っても
　真っ暗で何も見えないと思うよ？
　今度、早い時間から会えた時に
　一緒に行こうよ』


車を走らせながら
そんな話をしてた。


高速道路に入ったところで
人の話を聞いていない彼は‥


都内方面とは逆の山梨方面に‥


"おぃおぃ、逆ぢゃない？"


彼は忍野八海の話をしながら
山梨方面に車を走らせる。


あたしは、すっかり都内に行く気でいたから
テンションがた落ち‥


30分も走らないところで
ｸﾘｽﾏｽとはかけ離れたような
真っ暗な山道‥


都内のきらびやかな風景とは
真逆で本当、真っ暗‥


適当に河口湖で高速を降りて
あてもなく車でフラフラ。


もう時間も夜10時前で
どこもかしこも真っ暗‥


忍野八海にも行ってみたけど
やっぱり真っ暗‥

"だから、夜行っても真っ暗だよって言ったぢゃん"


"あたしが見たかったｲﾙﾐﾈｰｼｮﾝ‥"

どこにもありませんでした(笑"


この辺の土地勘も何もないから
ｲﾙﾐﾈｰｼｮﾝを見れる事も
車を降りて歩く事もなく

河口湖付近のｻｲｾﾞﾘﾔで
ご飯を食べて地元に戻ってきた。


私『だから、都内方面に行きたい
　って言ってたのに‥
　もう少し、人の話聞いた方が
　いいよ？』

ｶﾚ『ごめんね。
　今度、ﾘﾍﾞﾝｼﾞさせて‥』





今、思えば笑える思い出話だけど

その時は、
本当に呆れたし
本当にムカついたし、
本当につまらなかった(笑"

　
2008年12月中旬

結局、彼とは別れる事はなく
今までと変わらない付き合いが
続いていた。


半年位前から彼は足を痛めて
今のチーム(Ｚ)の練習には
リハビリ組で参加したりしなかったりしていた。


そんな状態だったから試合にも
全然行かなくなった。


必然的にあたしも彼の試合を観る事も
大好きだった試合会場までの
ドライブもなくなってしまった。


Ｚに移籍して２年目の事だった。


彼はチーム内でちょっと嫌な事があると、それを改善しようとするのではなく、

"次のチーム、次のチーム"

と言う感じで移籍を繰り返していた。


あたしと付き合ってから
Ｚで３チーム目だった。


毎年、チーム契約時期になると

『今期は〇〇で頑張る事にした』

と移籍の話を聞かされていた。


Ｚの２年目の契約の時も
彼は違うチームに移籍しようと
考えてたみたいで、その時に

ｶﾚ『来期はＦでやろうと
　思ってるんだけど、
　みぃはどう思う？』

と聞かれた。

私『いいと思うけど‥
　Ｚに移籍した時に
　１部に上げるって目標があって
　移籍したわけぢゃん？

　でも今回上がれなかったから
　その目標を達成するまで
　移籍しないでＺで
　頑張ってもらいたいって
　気持ちもあるし‥

　"嫌になったから次のチーム"
　とかって考えは好きぢゃない』

って、あたしが思ってた事を
素直に伝えた。


そんな話をした数日後、彼は

『みぃの言うように来期も
　Ｚで頑張ってみる事にしたよ』

と、Ｚでの２年目を迎えた。



彼は、どんな試合も勝ちたい人。


Ｚと言うチームは
《勝つ事》にあまり拘りがなく
彼もそういう面でよく愚痴ってた。


一度嫌になってしまったものは
嫌みたいで、
彼は足の怪我を理由に
Ｚから遠ざかって行った。


２年目の契約の時に
あたしが余計な事を言わなければ
彼は新たなチームで
活躍してたかもしれない‥


すごく後悔した。


ムカつくけど大好きな彼の試合も観れない。

試合会場までのドライブもなくなって本当に後悔した。


今後は、移籍に関しては
口出ししないようにしよう‥





彼はＺを辞めた。