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石原知事「菅君ずるい。公約ぱくられちゃった」

6月18日17時38分配信 産経新聞

 東京都の石原慎太郎知事は18日の定例会見で、次期参院選での民主党の増税案に「『赤信号、みんなで渡れば怖くない』って、自民の言い出したことをかすめて『一緒にやりましょう』とは戦術的。(菅直人首相は)良く言えば巧妙、悪く言えばずるい」と述べた。会見の詳報は以下の通り。

 −−参院選の公約に、消費税率の引き上げを掲げる政党が多いことについて

 「いかなる政権であろうと、誰が眺めても、日本の財政はピンチに瀕しているんでね。これを立て直すのは為政者の最大の責任だと思います。一番分かりやすいのはやはり税制改革だと思いますよ」

 「菅(直人)君、なかなかずるい。うまいよ。話はちょっとずれるけど、私は後輩、弟分の連中が(「たちあがれ日本」を結党して)生命を賭してやってるので「たちあがれ日本」という(新党の)名前もつけたし応援団長も買って出ましたがね。『何を(公約に)するか』という(話の際)、『小さなことは言うな』と言った。『強い日本を作るんだ』と。そのために『強い経済、強い外交、強い教育をやって、強い若者を作るんだ』と。(民主に)ぱくられちゃった、これ」

 「(民主の)『強い日本を作るための強い福祉』っていうのがよく分からん。『確実な福祉』なら分かるけど。いずれにしろ、いまの福祉を維持するために強い経済を作らなければダメですから。うーん…。『たちあがれ日本』がぼやぼやしてたら、良いところをぱくられちゃったな。まぁ結構でしょう、それも」

 「福祉を含め増税は、誰も禁句にしたがるし、政治家も弱いから。結局、(民主は)自民党が言い出した(増税論の)挙げ足をさらって、『赤信号、みんなで渡れば怖くない』って、自民党の言い出したことを参考にうまくかすめて、『(自民も)一緒にやりましょう』というのはなかなかタクティカル(戦術的)」

 「前の鳩だか何だか分からん総理大臣より、(菅首相は)なかなか駆け引きが巧妙だなと。良く言えば巧妙、悪く言えばずるい。したたかだなって思ってますけどね。ただ実際にやれるか、やれないかね」

 「それから自民党もこういう持ちかけをされると苦しいわな。(自民が)言い出したことを、『協力して自民党も一緒にやろうじゃないか』といわれ、実現して財政が安定すれば、それは現政権の得点になっちゃうんでね。(民主は)なかなかうまいボールを投げたなと思ってます」

 −−参院選で第3極は最近、存在感が薄くなっているのでは?

 「そうですね、うん。何を持って民主党に対する支持率が上がってきたのか分かりませんが。日本人の表紙が変われば中身も変わったように勘違いするのは、非常に危ない選択だとは思いますけれども」

 「やはり(新政権の)結果を見せる前に選挙をやってしまうのも、1つのタクティクス(戦術)で。そういう点で、けんかの駆け引きは、いまの自民党よりも相手の方が一枚上手のような気がするね」

 −−第3極としては存在意義をアピールしないといけない…

 「そうですね。(民主、自民の)両方が言ってないことを言ったらよろしいんでね。例えば、尖閣諸島が日本の領域であることは間違いないが、いまの政府、歴代の政府はおどおどしてきた。思い切ったこというなら、尖閣に自衛隊を駐留させたらいい。どっかの第3極が言ったらいいんじゃないかね」

 「反対する日本人はいないと思うし、あれ(尖閣諸島)が日本の領土なのは間違いないんだから。日本の領土を自衛隊が守るために駐留するのは当たり前のことだと思いますけど。やはりあっと思われるような提案をすることが、マイナーな第3極の、小さな政党の責任、役割だと思いますよ」

 「『サンショウは小粒でぴりりと辛い』という存在にならなかったら、あえてパラサイトできる大きな政党を離れて、新しい政党を作る意味がないじゃないですか? どうせ切り込み隊なんだから。それで政界が再編成すれば結構なことだし、政治のダイナミズムはそういうところ出てくるんじゃないの?」

 「消費税の問題と、もう1つは選挙区制度を変えなきゃいかんと思います。本当に悪い制度にした。僕は前から言ってることだけどね、これをどの政党が採択するか、いつ主張するか分からんけど。イギリスはそうなったが、ドイツはもともと、緑の党は別にしても3政党だった。A、B、C(と政党が)あって、AとB、BとC、AとCという取り合わせで、1つが野党になりながらに研鑽(けんさん)するという形で。それプラス、緑の党なんかありましたが」

 「私はいまみたいに政治家が小さくなり、小さなことしか考えなくなって、国政を預かっている人間としては非常に頼りないし、スケールも小さいと思う。発想がちゃちになってきたから。これは政治の活力がなくなるゆえんの1つだと思いますな」

 −−参院選の東京選挙区は全国的に注目選挙区。与党から3人立候補し、「たちあがれ日本」や(前杉並区長で「日本創新党」の党首の)山田宏氏などが立候補を表明しているが、石原知事の支援のあり方は?

 「是々非々だね。私もそれらの候補が何を言ってるかよく分からんから」

 −−石原知事自らが出馬する可能性は?

 「そりゃ、あんた。気持ちがあっても、今ごろ出たんじゃ仕方ないじゃない?(笑)。表面を見れば、裏を探らずとも分かることでしょう」

 −−「たちあがれ日本」の応援団長という立場か?

 「もちろんそうです」

 −−(6月議会で否決された子供を性的対象とした漫画などの販売規制を目指す)都青少年健全育成条例の改正案について。石原知事は9月議会で再提出する意志を示したが、再提出にあたり条文の文言の修正だけでなく、内容まで変えるのか?

 「さあ、それは分かりませんな。もう1回、論議の中で第1党の(都議会)民主党がどういう意味合いで反対しているのか、はっきりさせないとね。反対の理由が分かるようでよく分からないんだよ。詰まるところ、ああいう(改正案)のを構えると、描き手を芸術家というか知らないけど、『創作をしている人間たちが無言の制約を受け、圧力を感じて、描きたいことを描けなくなる』ということなんでしょ? それ以外に何か理由あるの?」

 「(子供を性的対象とした漫画を描く)連中が果たして芸術家かどうかは知らないけど、そんなことで描きたいものが描けなくなるなら作家じゃないよ、言わせれば。ある意味、彼らは卑しい仕事をしてるんだから。あの変態を是とするみたいな(作品を見れば)。そういう人間がいるから商品として需要があるんだろうけれど。話にならんね」

 「そんなのにおもねって反対するというのは…。普通の政治の世界だったら、数ってことで政党の(意見が)通ってしまうけど。普通の社会じゃありえないことですな」

 −−東京メトロと都営地下鉄の統合問題。17日に猪瀬直樹副知事が、(東京メトロ半蔵門線と都営新宿線が乗り入れる)九段下駅のホームが(壁で隔てられ)行き来できないなど…

 「それは前から私も言ってることでね。猪瀬副知事も行ってくれまして。例えば、(九段下駅では)2つの電車が着くホームの仕切りがドア一枚になっているんだよ。(ドアの)鍵を開けたらスッと隣のホームに行けて違う電車に乗れるのにね。(現状は)1回改札を出て、また入ってくることになり、2分も3分もかかる。ラッシュの時はもっと時間がかかるでしょう」

 「こんなばかな運営がいまだに行われているんだよ。誰がそそのかしたか、多分財務省なんだろうけどね。なかなか財政が大変だから少しでも金をもうけたいということで。(両社が)統合すればもっと…。都営の方だって今、どんどん利益を挙げているわけです。経営状態が向上している」

 だから今日、明日の2000億円よりも明後日、明明後日の5000億円の方を考えたらがよろしいんでね。一番、株価の安いときに売るばかはいないと思います。東京都は売りませんよ。国が(株を)売るんだったら、その株を買ってやってもいい。全部(都に)まかせてくれたら、しゃくしゃくと統合してみせますよ。安いときに売るばかなんていないんだよ」

 「2つ(の会社)を一緒にしたら、みんなのためにもなる。乗り継ぎすることでまた初乗り(料金)を払うなんて合理的ではない。『割引します』なんて言ってもつなげれば、1つのところで済むのだから、おかしな話ですよ」

 「一番象徴的なシーンだと思ったね。猪瀬君は(九段下駅を仕切る壁のドアという)良いところで、(報道陣に)良い写真を取らせたと思うよ。仕切り(のドア)に鍵がかかってる。これを開ければ都営なりメトロなり違う会社の電車に乗れるんだよ。こんなばかなことをお客に強いている営利事業ってあるかね? 両方(の会社)とも国も東京都も大株主なんだよ。だから(統合して)一緒にしようって言っているんだ」

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最終更新:6月18日17時38分

産経新聞

 

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