不倫 ～彼を想う日々～

　
彼と付き合い始めて
３回目のあたしの誕生日‥
　
　
誕生日前日は木曜日。
　
　
夜７時のメールを最後に
彼からメールがこない。
　
　
いつもは夜遅くまで起きてる彼。
　
　
日付が変わりあたしの誕生日に
なっても彼からはメールが
こなかった。
　
　
メールがきたのは翌日の午前10時。
　
　
それだけで、あたしの機嫌は最悪
　
　
彼は
【寝ちゃっててメールできなくて
　ごめんね】
と言っていたが、それが本当なら
彼は15時間も寝てた事になる。
　
　
有り得ないだろ‥
　
　
『わかるような嘘はつくな』
って何回言えばいいんだろ‥



誕生日当日、彼は遅番だった。


金曜日は比較的
仕事が終わるのが遅くなったり
仕事が終わってから
仲間と食事に行ったりするのが
常だったので
　
あたしは "会えないな‥"
と思ってた。
　
　
でも、一年に一度の誕生日。
　
　
大好きな人に会えるだけでも
嬉しくなる。
　
　
あたしは無理を承知で
彼にメールをしてみた。
　
【今日、会いたい‥】
　
　
彼からの返事は
　
【Ｓ(同僚)が今月いっぱいで
　辞めちゃうから、今日は
　厳しいよ。。　ごめんね】
　
　
"わかった。Ｓが辞めるまで
厳しいのね‥"
　
　
あたしは意地を張った。
　
　
"Ｓが辞めるまで会わない"
　
　
あたしは 自分の誕生日を
仲のいい友達 数人と過ごした。
　
　
彼の誕生日も一緒にいなかった。
　
　
この時は 悔しさの余り
会いたい気持ちを抑えて
一ヶ月以上も会わなかった。


この年の誕生日は
お互いプレゼントも何もなく
終わった。

　
次の週の試合も 前日彼から
　
【嫁来ないから〇〇来てね】
　
ってメールがあった。
　
　
大好きな彼の試合‥
行かないはずがない。
　
　
"もしかしたら試合が
終わってから会えるかも‥"
　
微かな期待を勝手にしながら
開始30分くらい前に会場に着いて
彼を見ていた。
　
　
確かに 奥さんは来ていなかった
　
　
なのに‥
　
　
彼は子供を連れて来ていた。
　
　
上の子が会場内を走り回ってて
気付いた。
　
　
"また遊べないように
奥さんに連れてかされたのか‥"
　
って思ってたら‥
　
　
下の子まで 乳母車に乗って
会場内にいた。
　
　
"なんなの？"


奥さんに対してすごい腹が立った
　
"貴女がほしくて産んだんでしょ？"
　
　
彼に対しても腹が立った。
　
"何、言いなりになってんの？"
　
　
あたし自身、旦那に子供を
任せた事がなかったし
旦那に頼んでも
見ててもらった事がなかったから
余計に腹が立ったのかも知れない
　
　
その家庭の事情で仕方ないのは
わかってる‥
　
　
でも、どうしても自分と重ねて
見ちゃうと‥
　
　
後々聞いた話しでは
奥さんはその日飲み会で
仕方なく連れてったらしい‥
　
　
自分が遊ぶのにも
文句を言わず子供の面倒を
見ててくれる
優しい旦那様が羨ましい‥



試合の方は無難に勝ち進み
次は 奥さんも来るかも‥
とのこと‥
　
　
ぶーぶー文句を言ってると
　
『俺は一緒には行かないし
　来てとも言ってないし
　アイツが勝手に来るんだよ』
　
と言うので一応その言葉を
信じました。
　
　
その日は１試合目 勝てば
続けて もぅ１試合ある。
　
負ければ そこで終わり。
　
　
奥さんが来るのを覚悟して
あたしも友達と行きました。
　
　
奥さん、自分のお兄さんと
子供連れて来てました。
　
　
試合も勝ちました。
　
　
奥さんが帰るのも見送りました。
　
　
本当に彼とは
一緒に来てませんでした。
　
　
《あたしが見ている範囲》では
試合の合間も帰るまでも
彼と奥さんは
一緒にもいなかったし
話しもしてませんでした。
　
　
複雑な気持ちだったけど
ほんの少し ほっとした。


　
次は決勝‥
　
　
もちろん 奥さんも来る。
　
　
でも あたしも観に行きたい‥


彼も『〇〇に観てもらいたい』
と言ってくれてる。
　
　
あたしは 行く気満々だったが
彼に意地悪を言ってみた。
　
　
私『まず会場で私を見つけたら
　両手でピースして(笑"
　
　あと、点 決めたら
　私に向かってｶﾞｯﾂポーズして
　
　してくれるなら 行く(笑"』
　
ｶﾚ『‥するから来て』
　
　
　
"‥してくれなくても行くよ‥"

　
決勝戦 当日。
　
　
彼との約束を友達に話し、
友達も彼が約束を
果たしてくれるか
楽しみにして一緒に行った。
　
　
会場に着いたあたし達は
彼が気付くように
少しわかりやすい場所に陣取った
　
奥さんがいる場所もしっかり確認
　
　
あたし達に気付いた彼は‥
　
　
少し周りを気にしながら
可愛く両手でピース
　
　
あたし達は大爆笑(笑"
　
　
試合が始まって 10分くらいした時‥
　
　
彼が点を決めた!!!
　
　
約束通り《あたしに向かって》
ｶﾞｯﾂポーズ!!
　
　
本当にすごくすごく嬉しかった‥
　
　
試合も勝って 見事優勝!!!
　
　
今大会は色々あったけど
結果 いい事が多かったかな‥



試合会場内や試合中に
彼があたしにしてくれたﾘｱｸｼｮﾝは
これが 最初で最後。


今後、二度とないと思う‥

　
年が明けて 毎年恒例の
あるスポーツの大会。
　
　
去年 決勝戦で負けた彼は
　
"今年こそ!!!"
　
と意気込んでいた。
　
　
去年は 奥さんが出産間際 & 出産
だったから あたしは 彼の
試合を全て観ることができた。
　
　
今年はどうなるんだろ‥
　
　
きっと 奥さんも 今年は
この大会に出るだろう‥
　
　
奥さんのチームのコーチは
　
　　　　　　　　　　　彼だ‥。
　
　
試合となったら子供も連れてくるだろう‥
　
　
あたし、堪えられる？
　
　
堪えられるはずがない‥
　
　
仲睦まじい彼の家族の姿なんて
見たくもない。
　
　
あたしは 強気で彼にメール。
　
【試合には奥さん
　連れて来ないで】
　
【一緒の車で試合会場に
　行かないで】
　
【奥さんの事愛してないんだから
　それくらいできるでしょ？】
　
【奥さんと本当に仲良くないなら
　奥さんだって あんたの試合
　観に来ないよね？】
　
試合の前日になると必ず
こんな感じでメールしてた。



結論から言うと
　
あたしはこの年のこの大会も
全試合 観に行った。
　
　
凹む事、ムカつく事、沢山あった。
嬉しい事もいくつかあった。
　
　
あたしは、仲が良くて
彼の事も知ってる友達何人かと
試合を観に行っていた。
　
　
３試合目を観に行った時、
一緒に行ってた友達に言われ
彼をランチに誘ってみた。
　
　
何度か試合を観に行っていた
友達も お気に入りの人が
できていて
　
『その人も連れて来て』って
ふざけて誘ってみたんだ‥
　
　
３年以上も付き合ってたのに
あたしは彼と一緒にご飯を
食べた事がなかった。
　
　
食べるのが とろくて
食べてるとこを見られるのが
恥ずかしかったから‥
　
　
あたしとの関係を頑なに
隠す彼が 来てくれるとは
思ってなかったから
　
友達にのせられて ノリで
誘ってみたんだ。


彼はチームメート二人を連れて
来てくれた。
　
　
もちろん、彼と来た二人は
あたしとの関係は知らない。
　
　
でも
彼はあたしの隣に座ってくれた。
　
　
あたしが食べ切らなかった物も
おちゃらけながら食べてくれた。
　
　
彼との初ご飯は 友達のお陰で
緊張する間もなく終わった。
　
友達に感謝
　
　
　
でも‥　次の週の試合からは
嫌な事だらけだった‥