不倫 ～彼を想う日々～

　
2006年12月30日
　
彼は仕事関係の忘年会だった。
　
　
あたしは "今日も彼に会える"
と、一人で勝手に思い込み
会う気満々でいた。
　
　
"彼に期待しても無駄"
って思っていても ついつい
　
"あたしとの時間を作ってくれる"
って馬鹿なあたしは期待してしまう‥
　
　
忘年会が始まり、
彼からは ポツリポツリと
メールはきてたけど
　
何か様子が変‥
　
　
"もしかしたら‥" と思って
　
【家族で参加してるの？】
　
とメールをしてみた。
　
　
１時間後 彼からの返事‥
　
【チビ(娘ｻﾝ)と来てるよ】
　
　
"会えないぢゃん‥"
　
"会う気ないんぢゃん‥"
　
"帰るのが遅くならないように
奥さんの言いなりで
連れて行かされたんだ‥"
　
　
あたしの怒りは治まらなかった。


　
【なんで連れて来るの？
　会えないぢゃん。
　今日会うって言ってたぢゃん
　
　なんで奥さんの言いなりなの？
　結局あたしより奥さんなんだね
　
　待ってるあたしの身にも
　なってよ
　会えないなら会えないって
　言っとけばいいぢゃん】
　
　
彼は会えないくせに
できもしない口約束をして
いつも あたしに期待させる。
　
　
【ごめんね　逢いたいよ】
　
　
彼が言う《ごめんね》も
その場限りの軽い言葉。


期待をしていて裏切られると
その分 脱力感も相当なもん‥
　
　
あたしは いつでも彼と
会えるように
飲み会の誘いも断り
一人で過ごしていた。
　
　
毎日 日付が変わる頃になると
　
"飲み会、行けばよかったな‥"

"カラオケ行けばよかったな‥"
　
"ランチに行けばよかったな‥"
　
"誘い、断らなければよかった"
　
と、後悔ばかりしていた。
　
　
それでも 毎日
来ないと思いながらも
彼からの誘いだけを待ち続けてた。
　
　
　
馬鹿だよね‥



正月休み中
　
彼からのメールは
昼間 ちょこちょこ
夜中２時～朝方５時頃が頻繁。
　
　
昼間に何時間もメールがこないと
"奥さんと一緒なんだな"
って実感させられる。
　
　
【逢いたいよ】
　
　
そんなメールいらない。
　
　
自分が奥さんに監視されて
奥さんにビビって
家から出て来れないんぢゃん。
　
貴方が会いに来てくれないんぢゃん。
　
　
彼は《自分のせいで会えない》って事がわかってるのかな？


あたしは
　
《逢いたいよ》 ‥ぢゃなくて
　
《逢える？》 ‥って言葉が
ほしいんだよ‥
　
　
素直に言えず
　
【あたしの事なんか　ほっといて
　家族で仲良く過ごしてれば？】
　
って 可愛いげのない嫌味な
メールしかできなかった。
　
　
そして、その言葉通りにされた。
　
　
彼は‥
　
"嫌味だ" って事に気付かないのかな？
　
"嫌味だ" って事に気付いてて
敢えて、とぼけてるのかな？
　
あたしが本当にそう思ってるって思ってるのかな？
　
　
彼の思考回路がわかりません。
　
　

　
この年の年末年始は
去年と違い善し悪しだった。
　
　
2006年、最後に会ったのは
12月30日だった。
　
　
29日、彼は仲間内の忘年会で
飲みに出掛けてた。
　
　
８時頃、彼からメール
　
ｶﾚ【今日何時までなら出れる？
　〇〇に会いたい】
　
私【日付が変わる頃までかな？】
　
ｶﾚ【わかった。なるべく早く
　抜け出すよ】
　
　
彼の言葉を信じ、彼からの連絡を
素直に待つあたし。
　
　
楽しんでもらおうと
思っていたから、あたしからは
メールもしないで待つ事にした。
　
　
日付が変わるまで待った。
彼からは連絡がこない。
　
　
痺れを切らしたあたしから
メールを送った。
　
私【今どこ？もぅ帰ってる？】
　
ｶﾚ【まだ〇〇だよ。なかなか
　抜け出せなくてごめんね。。
　今日はもう会えない？】
　
私【わからないけど‥
　出る時一応メールしてみて】
　
　
そして また待った。

　
待つ事２時間以上‥
　
　
ｶﾚ【やっと終わったよ。。
　もう今日は無理だよね。。】
　
　
結局、最後までいたのかよ‥
それ "抜け出す" って言わない。
　
　
あまりにもの遅さに腹が立ってたけど あたしもすごく会いたかった。
　
　
私【今どこなの？】
　
ｶﾚ【店出たとこ】
　
私【どこまで行けばいい？】
　
ｶﾚ【〇〇のｺﾝﾋﾞﾆまで来れる？】
　
私【わかった】
　
　
彼が指定してきたとこまでは
30分くらいかかる。
あたしは車を飛ばした。
　
　
その間、彼からは何通も
メールがくる。
　
【今どのへん？】
【今どこ？】
【早く来てー】
【まだ？】
　
‥あたしの事は何時間も待たせたくせに‥
たかが30分くらい黙って待ってろ
　
と思いながら車を飛ばす。
　
　
無事に彼と合流して
車でフラフラしながら人気のないところに車を停めた。


車の中で 愛し合ってると
あたしの携帯が鳴った。
　
　
着信音から 普段は連絡なんか
してこない旦那だとわかる。
　
　
出てみた。
　
旦那『お前、こんな時間に
　どこ行ってんの？』
　
私『別に‥　眠れないから
　ドライブしてるだけ』
　
旦那『ふーん、気をつけろよ』
　
　
意味のない電話。
　
　
朝５時過ぎまで彼と一緒にいた。
　
　
この日の夜も、彼は忘年会だと
言う事で《会えたら会う》と
約束をして
彼を家の側まで送ってった。
　
　
"また今夜 会える‥"
あたしは一人で喜んでいた。
　
　
今まで何回ともなく
約束を破られても
彼に期待してしまう
愚かなあたし。

　
あたしの末っ子は彼のスクールに
週２回通っていた。
　
　
2006年12月の中旬
　
　
いつものように スクールに行き
トイレに行こうと車から出た。
　
　
スクールの子のお母さんで
あたしとも よく 話す人が
前から歩いてきた。
　
　
その人の隣には……………
　
　
子供を抱いた彼の奥さん‥
　
　
"なんで‥？"
　
　
見たくなかった。
　
　
こんな形で
あたしを苦しめた子なんか‥
　
　
その人も 何も知らずに
あたしに声をかけてきた。

　
『おー!!〇〇ちゃん!!
　見て見てー!!
　
　〇〇コーチの二人目!!
　
　超ーそっくりぢゃない？』
　
　
奥さんまで立ち止まって
にこやかに 子供を見せる。
　
　
あたしの顔は
すごい 引き攣ってたと思う‥
　
　
あまり子供を見ずに
『二人目できたんだ‥』
素っ気なく言った。
　
　
その人は
『〇〇コーチ夫婦、仲いいからね
　
　ま、仲良くなきゃ子供なんか
　産まれないかー(笑)』
　
　
　
……………そうだよね……………
　
…… そんな事わかってるよ ……





でもね、奥さん‥


あたし、昨日の夜、
　
貴女の旦那さんに
　
抱かれてたの‥
　
　
旦那さん、帰ったの
　
２時過ぎでしょ？
　
　
あたしと 一緒にいたのよ‥
　
　
あたし 貴女の旦那さんに
　
愛されてたの‥
　
　
貴女、抱かれてる？
　
　
愛されてる？
　
　
愛されてるのは あたし‥
　
　
　
　
　
‥そう 心の中で呟いて
気を紛らわしてた。
　
　
あたし、本当、嫌な女‥
　
　
会わないように
見ないようにしてたのに
彼の子との初対面は
呆気なく 終わった。
　
　
　
もぅ余計な物を見たくない
聞きたくないと思い
この事があってから
週２回 通ってたスクールを
週１回に減らした。


もちろん、このあと彼に
文句も言いたい放題
言わせて頂きました。