ふっ、
寝坊したぜ。少し夜更かしをし過ぎたか。
いや、まだだ。
まだ終わらんよ。
加速装置を三回ほど起動させればぎりぎり間に合うはずだ。
百十七話 体育祭 前編
点呼前にどうやら間に合ったようだ。
体育祭の準備前から体力はすでに限界ラインまで達してしまったが。
ウチのクラスは午後からの開幕なのだが、
俺は体育祭のスタッフなので、午前から他クラスの誘導と下準備の仕事がある。
さて、では早くも着替えますか。
モビルトレースシステム、セットアップ
以下略。
という訳で
風の騎士(ゴスロリver)、仕事を始めるとしますか。
あっ、ちなみにこのゴスロリverの画像は何枚か所持しているが、
画像をUPする気は
さらさら無いので、悪しからず。
着替え終わったのところに、他クラスのスタッフである、
E女帝とホワイトネスから不評が。
「え〜、なんでスカートの下に短パン履いてるのぉ〜」
言い忘れていたが、一応スカートなので下に短パンを履いている。
それがどうやら納得いかないらしい。
仕方あるまい。スネ毛を剃ってないんだから。
スタッフの仕事をする時から、
ゴスロリverでは周りからの浮くのではないかと思われるだろうが、
そこは大丈夫。
ウチのクラスからは体育祭スタッフは全員で五人出ている。
一人目……モデル・
体操服
通称、
委員長
二人目……モデル・
メイド服
通称、
冥土兄さん
三人目……モデル・
スーツ+馬の面
通称、
馬リーマン
四人目……モデル・
学生服+ゴーグル
通称、
ボッスン
そして俺、
風の騎士(ゴスロリver)である。
俺が浮いてるんじゃない。
ウチのクラスが浮いてるんだ!!
選手より目立っている我らスタッフ。
こんな集団でも仕事はちゃんとしました。はい。
午前のスタッフ業務も終わり、いよいよ後半戦。
ついに俺達が選手として活躍する番がきたぜぃ。
ウチのクラスの面々が、続々と集まってくる。
スーツ姿の
エセホストや、
目の部分に穴を開けた紙袋を頭に被ってくる者、
日本国旗の手旗を振りかざしている者や、ジオン公国のマークの描かれたタオルを持ってくる者が集まってきた。
ウチのクラスの面子はアホだ。
ちなみにジオンのタオルを持ってきたのはウチの担任のクワトロ先生です。
ウチのクラスの集合場所付近に立ててあった電信棒らしきものにタオルを巻きつけ、
国旗のようにしてくれました。
とりあえず叫んどこう。
ジークジオン!
さて、第一競技は四百メートルリレーの予選だ。
ウチの委員長がやる気まんまんだ。
ウチのクラスの四人の勇者たちがトラックに向かって歩いていった。
勇ましい姿だ。
で、一つ気になったんだけど。
「グッさん、さっきから何をしているのさ?」
ウチのクラスのグッさんが何やら
ダンボールを集めて何かしらしているようだ。
「少し組み立てに時間がかかりそうだ。少し待っててくれ」
ふむ。ではしばらくグッさんは置いといて、リレーの応援をしていよう。
それではガンダムファイト……、じゃないや。
四百メートルリレー、
レディーゴー!
ウチのクラスの第一走者は、圧倒的なスピードでトップに躍り出た。
しかしそのトップの地位も、第二走者の番で崩れ去ってしまう。
第三走者が粘り何とか三位をキープしているが、
決勝に進むには予選は二位以上の成績でなくてはならない。このままでは。
アンカーの委員長にバトンが渡る。
委員長は、小柄な体型からは想像もつかない高速スピードでトラックを駆け抜け、
二位の選手を追い抜いた。
凄い。凄いぞ委員長!
ゴールまであと少し。これは勝ったぞ。
……あっ、
委員長、
コケたね。
委員長が砂煙を上げながら転倒。見事最下位となりました。
最下位といえ、委員長は体育祭をとても盛り上げてくれました。
ふむ。とりあえず。
「委員長。グッジョブ!」
試合に負けて、勝負に勝った。我らのクラスらしい結果だった。
委員長曰く
「予想以上に速く走れて、反応が追いつかなかった」とのこと。
マグネットコーティングの性能が高すぎたゆえの不運であった。
つづいてムカデリレーの競技だ。
何故かウチのクラスは、ムカデリレーの先頭者が
日本国旗を持っているようだが、
細かいことは気にするな。
よーい、スタート。
他のクラスが一歩ずつ慎重に進んでる中、ウチのクラスは早くも転倒。
転倒、転倒、また転倒。
クラッシュ状態なウチのムカデ。
他クラスは、もう次の走者にチェンジしているが、こちらはまだ半分も進んでいない。
圧倒的な惨敗である。
もう我らにはネタに走る以外の方法は残されていない。
まあ、始めっからそっちの道しか走っていなかったような気はするが……。
後編へつづく

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