【ニューヨーク＝小高航】全米自動車労組（ＵＡＷ）は16日、ロン・ゲトルフィンガー委員長（65）の後任としてボブ・キング氏（63）を選出したと発表した。ビッグスリー（米自動車大手３社）の業績が回復に向かうなか、組合員の間では労働条件の改善を求める声が強まっており、新委員長のかじ取りが注目されている。
キング氏は1970年に米フォード・モーターの工場従業員としてＵＡＷに加盟。98年以降、副委員長を務めていた。２期８年務めたゲトルフィンガー氏と同様、強硬路線ではなく労使協調を重視する「現実路線」をとるとみられている。
ただ、近年のビッグスリーの経営難で、組合側には人員削減や賃金圧縮など譲歩を強いられたとの意識が強い。ビッグスリーの業績改善に伴い「強いＵＡＷ」への回帰を求める声も高まっている。組合員数はピークの150万人から35万人強に減っており、新委員長は組織拡大に動くとの見方もある。
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