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日本や世界で現在進行形の最新の軍事情報を選別して、誰にでもわかるような文章で解説します。ホットな事件や紛争の背景や、将来の展開を予測したり、その問題の重要性を指摘します。J-rcomでは、日本で最も熱い軍事情報の発信基地にしたいと頑張ります。(1999年11月)
2010.06.18
中国誌、銃撃事件報道 死者1人3000ドル「北が賠償合意」 中国人記者のレポート
カテゴリ北朝鮮出典 産経新聞 6月18日 朝刊
記事の概要
17日に発売された中国誌「中国新聞週刊」は、今月4日に北朝鮮の国境警備隊が中国の密輸船を銃撃し、中国人4人が死傷した事件を詳しく取り上げた。
北朝鮮に配慮することが多い中国メディアが、北朝鮮兵士と中国側住民のトラブルの詳細を取り上げることが珍しい。
被害者が住む遼寧省丹東市浪頭鎮に入った同誌記者は、「中国の密輸者が北朝鮮兵士に撃たれることは珍しくない」「今回は死者1人につき北朝鮮は3000ドル(約27万円)を賠償することで合意した」とする住民の話を紹介。
事件の事情を知る人物の話として、「密輸船は4日夜に北朝鮮の兵士と遭遇し、通訳を通じて何か交渉していたが、兵士たちが突然怒り始めて通訳に発砲。他の中国人3人は一斉に川に飛び込んで逃げたが、次々と撃たれ、通訳を含めて3人が死亡、1人がケガをした」と報じた。
17日に発売された中国誌「中国新聞週刊」は、今月4日に北朝鮮の国境警備隊が中国の密輸船を銃撃し、中国人4人が死傷した事件を詳しく取り上げた。
北朝鮮に配慮することが多い中国メディアが、北朝鮮兵士と中国側住民のトラブルの詳細を取り上げることが珍しい。
被害者が住む遼寧省丹東市浪頭鎮に入った同誌記者は、「中国の密輸者が北朝鮮兵士に撃たれることは珍しくない」「今回は死者1人につき北朝鮮は3000ドル(約27万円)を賠償することで合意した」とする住民の話を紹介。
事件の事情を知る人物の話として、「密輸船は4日夜に北朝鮮の兵士と遭遇し、通訳を通じて何か交渉していたが、兵士たちが突然怒り始めて通訳に発砲。他の中国人3人は一斉に川に飛び込んで逃げたが、次々と撃たれ、通訳を含めて3人が死亡、1人がケガをした」と報じた。
コメント
この証言を読むと、トラブルの原因は密輸に関して「ワイロ」の交渉で突発的な事件が起きた風に見える。
例えば、中国の密輸業者は北朝鮮の国境警備隊の高位の者にワイロを渡して密輸の黙認を得ていた。しかし現場であったパトロール艇の者からワイロを要求され、中国人業者が「すでに上官に渡した」と話したら兵士が怒りだしたといういう風にである。
実はこの例を出したのは、私自身がカンボジアで同じ体験した事があるからだ。
自衛隊がカンボジアに国連PKO活動に派遣される前、私はポル・ポト派の考えや動きを知るためにカンボジア西部(ポル・ポト派支配地区)を度々訪れていた。
私たちの訪問はポル・ポト派のNO2の許可を得て支配地域に入ったり、支配地区内の移動を行っていた。しかし同じポル・ポト派でありながら、対立関係にある地域では露骨な嫌がらせを受けたことがある。
また生活に困窮したり、武装強盗化した者たちからは、武器を持って周囲を囲まれて金銭を要求されたことがある。(通行税として)。幸い要求された額が少額(100ドル以下)なので、トラブルを避けるために払ったことがあった。
また、その話を聞いたNO2の者から、その金額を払い返されたこともあった。「申し訳けなかった」という謝罪とともにである。
すなわちワイロも誰が受けとるかで、相手方の中で微妙な力関係が生じているのである。
だからこの雑誌のような記事を読むと、北朝鮮の国境警備隊の内部で、密輸のワイロを巡る奪い合いが起きているように感じてしまうのだ。
北朝鮮の現場の兵士には、上司(部隊)から満足な食糧が支給されていないのではないか。だから今は兵士自身がワイロを要求する動きが始まったという可能性である。
普通の日本人には想像できない世界なのである。今、北朝鮮ではそれが起きている。中国人ならこの記事を読んで気がつく事なのである。
この証言を読むと、トラブルの原因は密輸に関して「ワイロ」の交渉で突発的な事件が起きた風に見える。
例えば、中国の密輸業者は北朝鮮の国境警備隊の高位の者にワイロを渡して密輸の黙認を得ていた。しかし現場であったパトロール艇の者からワイロを要求され、中国人業者が「すでに上官に渡した」と話したら兵士が怒りだしたといういう風にである。
実はこの例を出したのは、私自身がカンボジアで同じ体験した事があるからだ。
自衛隊がカンボジアに国連PKO活動に派遣される前、私はポル・ポト派の考えや動きを知るためにカンボジア西部(ポル・ポト派支配地区)を度々訪れていた。
私たちの訪問はポル・ポト派のNO2の許可を得て支配地域に入ったり、支配地区内の移動を行っていた。しかし同じポル・ポト派でありながら、対立関係にある地域では露骨な嫌がらせを受けたことがある。
また生活に困窮したり、武装強盗化した者たちからは、武器を持って周囲を囲まれて金銭を要求されたことがある。(通行税として)。幸い要求された額が少額(100ドル以下)なので、トラブルを避けるために払ったことがあった。
また、その話を聞いたNO2の者から、その金額を払い返されたこともあった。「申し訳けなかった」という謝罪とともにである。
すなわちワイロも誰が受けとるかで、相手方の中で微妙な力関係が生じているのである。
だからこの雑誌のような記事を読むと、北朝鮮の国境警備隊の内部で、密輸のワイロを巡る奪い合いが起きているように感じてしまうのだ。
北朝鮮の現場の兵士には、上司(部隊)から満足な食糧が支給されていないのではないか。だから今は兵士自身がワイロを要求する動きが始まったという可能性である。
普通の日本人には想像できない世界なのである。今、北朝鮮ではそれが起きている。中国人ならこの記事を読んで気がつく事なのである。