「朝鮮戦争はスターリンと金日成が起こした」

中国メディアが報道

 中国紙・環球時報の英語版に当たる17日付グローバル・タイムズは、韓国戦争(朝鮮戦争)は韓半島(朝鮮半島)に親ソ政権を立てようとしたスターリンと、南北統一を狙った金日成(キム・イルソン)が起こした、と異例の言及を行った。

 同紙は冷戦時代の歴史に詳しい沈志華・華東師範大教授のインタビューを掲載した。沈教授は、旧ソ連崩壊後に公開された機密文書を基に韓国戦争が起きた原因を研究してきた学者として知られる。

 沈教授は「米国との関係悪化を防ぎたかったスターリンは、南侵を認めてほしいという金日成の度重なる要求を拒み続けていたが、1950年1月に突然態度を変えた。スターリンは同年4月に金日成をモスクワに呼び、秘密会談を行い、南侵計画を認めた」と指摘した。

 沈教授によると、金日成は当時、会談で「戦争が起きても、米国は介入しないはずだ。介入するとしても十分な時間がない」という判断を示し、スターリンもそれに同意。ただし、スターリンは米国が介入してもソ連は参戦しないとし、軍事介入の責任を中国に押し付けたという。

 そして、1950年5月13日に北京を訪れた金日成は、ソ連が南侵に同意したことを中国側に伝え、南侵計画を認めるよう求めた。しかし、毛沢東は不審に思い、中国駐在のソ連大使を通じ、ソ連の真意を確認した。スターリンの姿勢を確認した後、毛沢東は中国軍を送り、北朝鮮を支援することを決めたという。

 当初南侵に反対していたスターリンが方針を変えた理由について、沈教授は「1949年の中華人民共和国成立以降、旧満州の鉄道所有権、大連港の30年にわたる租借権を放棄しなければならない状況だったため」と分析した。代わりに太平洋に通じる不凍港を持つ韓半島に親ソ連政権を打ち立て、極東アジアに足掛かりを確保しようとしたとの見方だ。

 韓国戦争の原因が北朝鮮とソ連にあると中国メディアが報じるのは異例のことだ。中国はこれまで、教科書に韓国戦争の原因を明確には記述せず、中国人の間では、韓国戦争は米国と結び付いた韓国によって引き起こされたとの認識が一般的となっている。

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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