米政府、朝鮮戦争関連の公文書を機密解除
米中央情報局(CIA)は、韓国戦争(朝鮮戦争)前後の韓半島(朝鮮半島)の情勢判断で、2度にわたり決定的なミスを犯していた。
北朝鮮による南侵の可能性を低く見積もり、中国軍の介入も、その前日まで予想できていなかった。休戦後に米国政府が作成した「北朝鮮による再度の南侵への対応策」には、北朝鮮や中国北部に対する、原子爆弾を用いた反撃まで含まれていた。
こうした事実を含む米国政府の文書が、16日に機密解除された。これと共にCIAは、『1950年の韓国における二つの戦略情報ミス』と題する報告書を公開した。
CIAは、韓国戦争開戦(1950年6月)の六日前に作成した電文で、「北朝鮮は韓国に対するゲリラ活動、宣伝、サボタージュ活動などを展開しているが、戦争が迫っているとはみられない」と報告していた。戦争が起きた後、「CIA極東支部のすべての要員は、北朝鮮による予想外の侵攻に直面し、顔色を失った」と記した。CIAの局長は8月21日に解任された。
CIAは、戦争初期から中国の動向を注視していた。しかし9月15日の仁川上陸作戦成功以降、北朝鮮軍が不利になっても、特別な動きが見られなかったことから、徐々に安易な方向へと流されていった。10月12日、CIAは「中国が介入する絶好の時期は過ぎた」と報告した。10月18日付の報告でも、中国軍介入の可能性は排除されていた。その翌日、中国軍3万人が豆満江を渡河。数日後にはさらに15万人が川を渡り、10月25日には韓米連合軍と最初の交戦を行った。
米軍のマッカーサー司令官は11月28日、トルーマン大統領に対し、「われわれは全く異なる戦争に直面している状態」と報告した。
休戦後の1954年3月2日、米国は戦略会議を開き、北朝鮮が再び南侵した場合、北朝鮮はもちろん、中国の一部の地域までも原爆で反撃するという計画を立てた。
核攻撃目標としては、北朝鮮の軍事施設と、吉林・青島・瀋陽・天津など北朝鮮と隣接する中国の各地域を選定した。これと共に、中国に対する海上封鎖、台湾を前面に立てる形での中国本土への攻撃、海南島の占領計画も立てていた。
全炳根(チョン・ビョングン)記者
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