インドを代表する財閥タタ・グループの中核IT企業「タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)」の日本法人(横浜市)が15日、大阪オフィスを開設した。企業向けのシステム開発、製品開発の支援といったビジネスを関西で本格化させる。大阪進出はグループとしても、インドのIT企業としても初。梶正彦・日本法人社長は「製造業や医薬品産業を中心に事業を拡大させたい」と語る。
国策で人材を育成し、高い技術と安価なコストで世界を席巻するインドIT企業の中でもTCSは最大手。世界42カ国に162カ所の営業拠点を持ち、金融機関の決済システムや航空機、F1自動車の設計などで世界の著名企業から仕事を受注している。
オフィスは大阪市北区の梅田スカイビル内に設置。当初は幹部数人と実際に企業に赴いて開発に携わる技術者で事業をスタートし、受注案件の増加とともに人員を増やす方針。システム開発の一部は人件費の安いインドで行ってコストを下げ、大阪オフィスでは3年後に25億円程度の売上高を目指す。
進出のきっかけは、大阪府、市と大阪商工会議所が運営する「大阪外国企業誘致センター」などの働きかけ。同センターの担当者は「景気回復の効果で今年に入り、アジア企業を中心に進出の動きが活発化してきた」と話す。(清井聡)