中日−日本ハム 8回裏2死一、三塁、ブランコが左越えに逆転3ランを放つ=ナゴヤドームで
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◆中日5−3日本ハム
高々と舞い上がった打球は、文字通り大きな1発だった。1点リードされたまま迎えた終盤8回2死一、三塁。ブランコが加藤武の初球内角をフルスイングした。左翼スタンド中段に運ぶ14号逆転3ラン。悩める助っ人の一振りが、岩瀬250セーブ達成を“アシスト”するとともに、負ければ借金2となる窮地を救った。
「チャンスでなかなか打てなかったけど、いいところで打てた」。5試合ぶりの1発にフラストレーションも少しは解消されたよう。調子が上がらず、10日の楽天戦から4番を外され、5番に降格した。状況を打破するために、もがき苦しんだ。「ちょっといろんな事をやっている。“昨年、こんな感じでやっていた”というのを思い出した。インコースが今まで打てなかったのが、うまくいった」と打ち明ける。中身は「シークレット」と口を閉ざすが、試合前の打撃練習で和田が打っている際に、打撃ケージの真後ろに立ち、何かヒントはつかめないかと観察するなど試行錯誤の毎日だ。
自らのバットで記録達成の舞台を演出できた岩瀬についても、特別な思いがある。来日当初、チームの環境に慣れていなかったころから「岩瀬さんは冗談言ったり、積極的に声を掛けてくれる」と感謝を忘れない。
「自分も、ものすごく助けてもらった。そういう人の記録に少しでも役に立ててうれしい。そして、自分だけでなくチームとして上がっていきたい」とブランコ。このまま沈みかねなかった落合竜を8回2死から救った22打席ぶりの一発で、自らも上昇気流をつかみたい。 (中谷秀樹)
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