宮崎県で家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」の被害が拡大している問題で、新たに同県新富町の酪農場で症状を示している牛がいることが17日、同町などへの取材で分かった。感染疑いの有無を調べるため、県は農林水産省に遺伝子検査を依頼した。検査結果の判明を待たずに県は同日、家畜伝染病予防法に基づく国の指針に沿って殺処分を開始した。
同町は宮崎牛などブランド牛の種牛を管理していた県家畜改良事業団がある高鍋町の南。検査で陽性反応が確認されれば、同県で感染または感染の疑いのある牛や豚が見つかったのは都農(つの)町、川南(かわみなみ)町、えびの市、高鍋町に続き5市町目となる。
新富町によると、口蹄疫の症状を示しているのは乳牛。16日午前に農場から町に連絡があり、県が立ち入り検査した。同日午後、農水省が写真判定で「感染の疑いの可能性が高い」との見解を示したという。この農場は高鍋町との町境から南に約1キロにあり、乳牛約20頭を飼育している。
宮崎県で、感染とその疑いのある牛や豚が確認されたのは16日までに累計111カ所で、殺処分対象は8万5723頭。川南町が100カ所、都農町5カ所、えびの市4カ所、高鍋町2カ所となっている。
=2010/05/17 西日本新聞=